福井大学教員(スロヴァキア史研究)の井出匠さんから、映画「ゲバルトの杜」を批判するコメントいただきました

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福井大学教員(スロヴァキア史研究)の井出匠さんから、映画「ゲバルトの杜」を批判するコメントいただきました。

皆さん、共にこの醜悪極まりない映画を批判していきましょう!!

[映画の途中までは、革マルの暴力支配、およびそれを利用した早大当局の学内管理体制にたいするノンセクト学生の抗議が主題だったにもかかわらず、途中からなぜかセクト間の内ゲバの話にすり替わってしまい、けっきょく「内ゲバって怖いね、暴力はよくないね」というような陳腐かつ体制迎合的な一般論でまとめてしまっているように感じた。大橋氏の証言でも触れられていたように、川口事件をきっかけにして行動を起こしたノンセクト学生の目標は、当局=革マルの癒着による管理支配体制の打破であったはず。にもかかわらず、それがその後20年以上も継続した事実や、90年代後半の、政財界の意を受けた奥島総長による新自由主義的大学改革のなかで、コストがかかるうえに利用価値がほぼなくなった革マルが切り捨てられていった経緯(「反社会集団」である革マルにカネを払い続けて学生を取り締まってもらうよりも、警備会社や中央管理システムを利用した監視体制を構築する方が、効率的かつ安上がりでリスクも小さい)には、ほとんど触れられていなかったのが残念。川口事件を内ゲバ・暴力問題に短絡的に落とし込んでしまうのではなく(それこそ体制側の意図するところ)、それが惹起した大学における管理支配体制の問題性を、その社会的背景を含めて歴史的に跡づける方向にもっていくべきだったのでは。]

井出匠(福井大学教員/スロヴァキア史研究)

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