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My Lifetime Important Albums #9 Miles Davis / On The Corner (1972)

Facebookでかつてのバンドメンバーより「自分の人生に影響を与えたアルバムを10枚あげる」というバトンの指名をもらい書いてみたのだが、なかなか面白かったのでnoteに残しておこうと決めました。
音楽を語るのって楽しい。

音楽評論家でもないので、アルバムに関する基本情報や詳細は記載しません。あくまでもファンとして自分はこうして出会った、こういう風に聴いてきた、ここが好き、という目線で書いています。
では始めていきたいと思います。

Miles Davis / On The Corner (1972)

マイルス・デイヴィスはその世界観や音楽性、ファッションアイコンとしての存在まで、とにかく全てが刺激的だった。
18才ぐらいからJBやスライ、P-Funkとファンクの世界に入り込みジミヘンの存在の大きさを改めて認識していく中で、
ファンクの影響を受けた様々なアーティストにも興味が広がり、それまでかじる程度だったジャズを聴き始めたのが19才ぐらいの頃だろうか。ジャズファンクの再評価ブームの波がきていたのも大きかった。

最初はわかりやすく、ハービー・ハンコックの「Head Hunters」あたりからスタートした。なんせ「Sly」なんて曲も入っていたから。
そして、ジャズの巨人マイルス・デイビスこそ60年代から70年代にジャズを革新し、のちにフュージョンと呼ばれるサウンドを作って言ったことを知り、聞き漁るようになった。
それまでマイルスのアルバムは「Kind Of Blue」と「Birth Of The Cool」あたりしか持っていなかったけど、「Bitches Brew」を聴いて、
なんとも禍々しいサウンドに驚き、「Agharta」「Pangaea」に痺れた。この2枚はライブアルバムだけど、ほぼディスク1枚で1曲のような流れで、
もはやジャズなのかファンクなのかわからなかったけど、ものすごいエネルギーを感じた。

すっかりマイルスに夢中になっていた。
この頃同時に好きだったのは初期のファンカデリックとその流れでストゥージーズやMC5、ジミの「Band Of Gypsys」にマイルス、という具合だった。バンドもまだFREEFUNKのような大編成バンドにはたどり着けず、
ロックバンドのような小人数編成でファンクをやろうとしている時だった。

バイトしたお金で、毎月のようにマイルスのCDを買い出会ったのが「On The Corner」だった。
スタジオで録音されたアルバムということで作り込まれた部分もあり、スライの「暴動」のようなリズムの洪水と、サイケでファンクなギター、そしてインド音楽のタブラの音・・・。
こんな音楽があるのか!と衝撃を受けた。

数あるマイルスのアルバムの中でも賛否両論、毀誉褒貶の激しい1枚だが、
90年代初頭に出会った身としてはこれほど刺激的なアルバムは無いと思う。
ジャズなのかどうかさておき、凄い内容だ。

FREEFUNKを結成したのち1998〜2001年頃は、このアルバムの「Black Satin」という曲をライブでよく演奏した。
ある時はFREEFUNKでマイルスの曲だけを演奏するトリビュートライブも開催をした。
そのライブ音源は今も手元にあって良い出来だからいつかカタチにしたいと実は思っている。
ちなみに自分はそのライブの時はほとんど歌わず、ひたすらシタールギターを弾いていた(笑)。

またタイトル曲の「On The Corner」にインスパイアされ、スライの雰囲気をミックスしてみたのが先日も書いた「京王線は語りかける」という曲だ。今回、この”自分の人生に影響を与えたアルバム”のバトンを回してくれたFREEFUNK元トランペットプレイヤーのアッチと一緒に作った曲で、アッチらしいマイルス解釈も織り込んでいて、今聴いてもなかなか良いじゃん!と自画自賛的に思う。

結成して日が浅く、はじめて自分たちでCDを作ったりしていた時期のFREEFUNKの方向性を定めていくとき、
とても大きく影響を受けたアーティストを挙げるなら、ジミヘン、スライ、P-Funkそしてマイルスだった。

このアルバム「On The Corner」はのちに6枚組のボックスセットも発売され、未発表曲や編集前のテイクも披露された。
それとの聴き比べも含めていまだに聴きごたえ満点の、刺激に満ちたアルバムだ。

このアルバムの時期のマイルスの映像は結構多く残されている。どれも即興をベースとした演奏だがかっこいい。


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