見出し画像

freeeの中途デザイナーって何やってるの③

登場人物

ひろみつ写真

ひろみつ
プロダクトデザイナー
社会人歴10年くらい
2021年10月入社
freee会計の会計士税理士向け部分を担当
前職:大手印刷会社

onom写真

onom
プロダクトデザイナー
社会人歴10年くらい
2022年4月入社
freee会計、freee会社設立などを担当
副業:大学非常勤講師
前職:大手IT企業、電子カルテベンダー、WEB制作会社


転職のきっかけ

そろばんに夢中のひろみつ&onom
電卓とそろばんが..!革命だ!!

ひろみつ
こんにちは、よろしくお願いします。
私もonomさんもfreeeには中途で入社しましたが、onomさんはどんなきっかけで転職しようと思ったんですか?

onom
前職では大きめの会社で事業開発を中心に、手広くデザインぽい業務をやっていたんですが、その中で自分の能力を発揮しきれないと感じ始めていたのが転職活動を始めるきっかけでした。
で、そんな時にたまたまfreeeと出会って話を聞いてみたら良さそうだったので、そのまま面接を受けました。freeeなら自分のスキルを活かして世の中に大きいインパクトを与えられそうだなと感じたのが大きいですね。

ひろみつ
おおー、いいですねー。

onom
とはいえ、自分はフットワークが軽いタイプでもないので、転職したい気持ちと良い出会いがうまく合致するのが大切かなと思います。まあ、タイミングですよね。
ひろみつさんはどうですか?

ひろみつ
タイミングっていうのはすごく分かります。
私はfreeeに来るまでは、会社内へアジャイルを推進する役として、良いプロダクトを作るにはどうすればいいか、プロダクトの考え方やプロセスなど、チームの外から支援する仕事をしていました。
チームの外から支援するのも楽しかったのですが、息の長いプロダクトを継続的に改善したり育てる経験を積みたくなり、ご縁もあってfreeeに来たという感じです。

onom
支援しているうちに自分でやりたくなってきちゃったみたいな。

ひろみつ
前職ではtoBやinBのアプリケーションUIを主にやっていたので、toBのSaasのデザインに関わりたいなと思っていたんですよね。でも私は特定の業界にこだわりはなくて、自分が共感できる分野に自分が持っているスキルで役立てたらいいなというくらいでした。
freeeでデザイナーとして働いているmagiさんとは元々知り合いだったのですが、雑談していた時に、「ひろみつは自分の持っている力をこれからどう社会に役立てるんだ?」という高尚な問いを投げかけられまして(笑)。

onom
(今のモノマネ似てたな。)

ひろみつ
割と考えさせられましたね(笑)。
そこからちょっとしてリファラルキャンペーンを通じて選考に進んだのですが、私のタイミングが合わないこともありその時は辞退しちゃったんですよね。

その後、北欧のデザインの思想を学ぶ機会があり、北欧はデザインの力を活かして人間をエンパワーメントしているんだという価値観を知りました。
政府のデジタル化が進んでいて、デジタルのしくみが人間がよりよく生きるために活かされていると。

また、前職で新しい事業を考えていくなかのヒントとして、日本の社会課題を調べていたのですが、超高齢化問題や労働者の問題などいろいろな問題があるなかで、日本の生産性の悪さを知りました。わたしが所属していたような大企業は全体の0.03%でしかなく、残りの99.97%は中小企業で、世の中は中小企業で動いているんだということを改めて知る機会がありました。

これまで知らなかったことを学習していくなかでmagiさんの話が繋がってきて、チームの外からプロダクトを支援するよりも、今はプロダクトを直接開発する経験をもっと積みたいという気持ちが強くなり、再度freeeに声をかけてみようかという気持ちが高まってきました。

onom
なるほど。データに基づいたしっかりした理由が..

ひろみつ
そんなタイミングで偶然LinkedIn経由で連絡が来たので、尻込みしつつも「一回お断わりした経緯があるのですがいいですか?」と聞いてみたら「いいよー」と言ってもらえて再度選考してもらいました。

面接の中でも過去の経緯を申し訳なく思い気が引けていたのですが、タイミングがあるから気にしてないよと言ってもらえて、やさしいドライ感にホッとしました。

onom
やさしいドライ感、いいですね。
確かに働いていてもそういう気遣いというか、空気感みたいなものは感じますね。


会計ってどうなの?

微笑むonom
撮影のために新しいTシャツを買いました

onom
会計ソフトのデザインって言われるとヤバそうじゃないですか?

ひろみつ
突然どういうことですか?

onom
あ、すみません。
一般的なイメージとして、会計ソフトって言われるとすごく難しそうじゃないですか。

ひろみつ
そうですねー、ややこしそうな感じはありますね。

onom
過去に電子カルテのデザインに携わったことがあるんですが、すごくドメインの理解が難しいんですよ。
その時の経験から言うと解決策としては簡単で、聞けばいいんですよね。むしろどんどん聞くべき。
なので自分はドメインについては楽観的でした。
実際、freeeでも分からないことがあればすぐに答えが返って来ます。しかもすごいスピードで。
ひろみつさんは会計ソフトということに何か抵抗はありませんでしたか?

ひろみつ
私は前職でtoBシステムの開発に関わる中で、住宅メーカーや流通のバイヤーさんのような、自分が知らない職業の領域の設計に関わることが多くて。
世の中の私が知らない仕事をしている人たちの業務を知ることは、社会科見学のようで面白いと思っていたので、複雑でもなんとかなるかと思っていました。

onom
むしろ未開の地の謎を解き明かすのが腕の見せ所、みたいな。

ひろみつ
とはいえ、最初は会計の仕事って何が面白いのかよく分からなくて。
この仕事に関わっている人はどんなモチベーションで働いているんだろうっていうのが気になっていました。

私は小学校から高校までそろばんを習ってたんですが、その時の友達が会計事務所に就職していたりしていたので、久しぶりに連絡をとって、「会計事務所って何が楽しいの?」とか「何ができたら一番嬉しいの?」みたいなことを聞いてみました。
彼らは経営をサポートしたいんだと言っていましたね。でも、どうしても節税みたいなことばかり聞かれると。本当はもっと経営のパートナーになりたいんだと。

onom
完全にいい話だ。

ひろみつ
あと、自分の実家が法人化しているんですが、毎月来てくれている会計士の方にヒアリングしてたりしていました。その人は決算書の数字がビシッと合った時にテンションが上がると言っていて面白いなと思いました。
そういうヒアリングを経て、これなら興味を持って取り組めそうかなと思えてきて。

onom
おもしろいですね。
ん..?freeeに入る前にヒアリングしてたんですか?

ひろみつ
そうですね、freee入る前です。
これもmagiさんに「迷うならUXデザイナーなんだから周りの人に聞いてみれば?」って言われて「あー!なるほど!」ってやってみました。

onom
(まじか..天職だなこの人..)


入社してみてどうなの?

微笑むひろみつ
服に合わせてマスクもコーディネートします

ひろみつ
さて、onomさんは実際にfreeeに入ってみてどうでしたか?

onom
まだ入ってみて半年なんですが、快適に過ごさせてもらってます。
漠然とテック企業の効率的な働き方(?)に憧れていたんですが、まさにそれを満喫できてる気がします。

ひろみつ
どんなところが快適ですか?

onom
freeeって、いいパソコンみたいな会社だなと思ってます。例えが下手だな..。
えっと、私の思ういいパソコンって処理が速いのも大切なんですが、使っている中でもたつきがないのが重要だなと思っていて、思考が途切れないというのがいい道具の条件だと考えています。

freeeって見通しが良いので誰に声をかければいいのかすぐ分かるし、レスポンスも速い。
何かをしようとした時のストレスが少ないんですよね。
ストレスがないって言うのはみんなが優しいとかそう言うものではなく、単純に性能の良い機械のスムースさみたいなイメージです。あ、みんなが優しくないわけではないですよ。フォローすると余計に嘘くさいですが。
ひろみつさんは入ってみてどうでしたか?

ひろみつ
ユーザー像や価値をもとに話をするエンジニアが多くて、今までいた現場とは少し毛色が違うなと。
エンジニアの人と仕事をすると「これは誰のためにやるんですか?」「本当に価値があるのか?」「もっとこうした方がいいんじゃないか?」というようなことをすごく前のめりにコミュニケーションしてくるなというのが印象的でした。

onom
私もそれには衝撃を受けましたね。
作成したデザインに対してエンジニアが「ユーザー視点ではこうした方がいいかも」と提案してくれて、最高じゃん!となりました。

ひろみつ
むしろそれが一番大事ですよね。
ユーザーのことを考えずに、ただ単に機能を作らされるような状況になったらモチベーションが下がるというような人もいました。

onom
さっき話した、スムースな機械というのは、組織の構造というよりも色々な人が全体感を持って、目標を共有して業務に当たっているからというのがあるのかもしれませんね。

ひろみつ
だからこそデザイナーにもすごく言語化が求められるというのはありますね..。

onom
言語化!ありますね!
デザイナーをブラックボックス化したく無いという気持ちが全体にある気がします。
組織によっては、デザイナーってセンス的なものでくくられてしまうことが多くて、「よくわからないけどデザイナーの人がかっこよくしてくれたからこれにしよう」みたいな。信頼と呼べるのかもしれないけど、思考停止しておまかせしてしまうことって結構起こりがち。
でもfreeeの場合はそこも開かれていて、なんでそうなったのかっていうのを解き明かしてどんな理由でそうなのかを求められる。
それは他の職種にもお互いに言えることで、私はfreeeに入って他職種の人たちがやってることの解像度も上がったと感じてます。

ひろみつ
言語化、大切!

onom
その点で言うとひろみつさんはさらに進んでいて、チーム全体とデザイナーの適切な動き方を設計するのを大切にしてるイメージがありますね。

ひろみつ
確かにそうかも。そういう動きができるのも中途ならではかもですね。
ある程度柔軟に動くみたいな。freeeはデザイナーの自由度が高いですよね。

onom
なるほど確かに。色々な職種の人に話が通じやすいというのもいいですよね。
さらに言うと「この人たちデザインできるじゃん!」くらいに思っています。もちろん、GUIの絵を描くとかは置いておいて、デザイン自体はできそうだなと。もうデザインをこの人たちにやってほしいなくらいの気持ちになっています。

ひろみつ
あります、あります。

onom
今までデザインと呼ばれていた作業をやるというよりも、デザインの視点を活用して新しい領域で価値を出していくのも必要だと考えています。


戸惑い

onom
入社して困ったこととかは無いですか?

ひろみつ
ちょっと戸惑ったのは、freeeの組織は上下関係ではなくフラットを意識しているというのがあるじゃないですか。上下関係が発生しないようにマネージャーのこともわざとジャーマネと呼んでいたり。
一応知識としては理解していても、話を聞いていて、これは指示なのか単なる意見なのか分かりにくい時がありますね。
「これは単に思ったから言ってるし、知らなかったらいけないから共有してるだけだよ」
みたいなものに戸惑いましたね。

onom
誰からでも無邪気に意見がどんどん出てくるという。

ひろみつ
入社してすぐの頃にDSさん(社長をfreeeではDSと呼んでいます)と会議する機会があって、DSさん以外のメンバーは先に来てたので
私は席順とかを気にしてたんですけど、他の社員の人たちは
「話しやすいように好きなところに座るだろうから別に気にしなくてもいいよ、社長は役割でしかないし別に偉いとかじゃないから」と言われてちょっとびっくりしました。
悪い印象ではなく、仲良くも見えるけど、もっとサラッとした自然な関係というか

onom
また出ましたね。やさしいドライ感だ。
自分も慣れない部分もありましたが、実際働いてみると風通しが良くて、社内の情報にもアクセスしやすく、結果として信頼感につながっている気がします。


freeeはアップデート中

ひろみつ
あとは、freeeは外から見ると大きい企業で、しっかりと仕組み化されているように見えるが、実際は外から見るよりもアップデート途中で改善の余地はいくらでもあるという感じがしますね。

onom
実は、私はもっとめちゃくちゃだと思ってました。
期待値は低めでしたね。

ひろみつ
なんで低めだと思ってたんですか?

onom
私の予想ではもっとどうすればいいか分からない、手詰まりみたいな状況で困ることがあると思ったんですよ。考え込んでしまうようなことは、今まで仕事をする中で何度もあったので、ある程度仕方ないと。
freeeでは困っても掘れば情報はあるし、そして議論も始めやすい。
答えがなくても手がかりがすぐ見えるのがいいなと思います。

でも情報が大量で常に洪水になってるのは否めないですね。
アップデートのスピードに整理が追いついていない。勢いがすごいから。
ひろみつさんは平気ですか?

ひろみつ
私も情報の荒波に揉まれてますね。

onom
入社したてでいうのも変ですが、組織がどんどん成長してきて、今までのやり方が通用しなくなってくるタイミングなんだと感じます。絶対に改善していくことが必要だと思う。
幸運にもfreeeはアップデートするぞという気概があるように感じる。
まあ、うまくいくかは乞うご期待ですね。がんばらないと!

こんな状況だからこそ、「デザインとは」「デザイナーとは」という議論も活発ですよね。
私はそういう議論が大好物なので楽しいですね。

freeeのデザイナー

戸惑うひろみつ&onom
開き過ぎたタブを整理しています

onom
ついでに言うと、freeeのデザイナーって、みんな自分達の特殊性に気づいてない気がするんですよね。

ひろみつ
どういうことですか?

onom
特殊なバックグラウンドやスキルを持った人が多すぎて異常に受容性が高い。
なので高度なこともサラッと無邪気に提案される。
乗り越えるための方法が整備されていなくても、サクッと試して・転んで・考える、みたいな感じだなと。

ひろみつ
あー、そういうことか。
新鮮という意味では、エンジニアが作った実装をデザインレビューするのに、ローカル環境を構築するのにコンソールに恐れをなさずにチャレンジしたり、「プルリク出せるようになりたい」とか言っている人たちが衝撃的でした。

onom
確かに珍しいですよね。
一方でやらない人も全然いるし、それも人それぞれって感じですね。

ひろみつ
そう、デザイナーの中にも多様性が認められている感じがしますね。
もちろん黒い画面を触れないから自分はダメだーとかじゃなくて、何かしらの必殺技を活かしていく。

onom
あとは、新しい人が入ってきた時に、その人が持っているノウハウや考え方について知りたいとか、スキルをマスターしたいっていう声があがりやすいと感じます。
そういう所は貪欲だし、見習わないとなと思います。


freeeに入ってよかった?

ひろみつ
onomさんはfreeeに入ってよかったですか?

onom
はい、よかったです。
自分にとって違和感がなくて自然体な感じがする。入社数ヶ月ですんなり慣れたみたいなのも含めて、ストレスがないのがいいですね。まさにやさしいドライ。そのサラッと感が心地よかったです。
ひろみつさんは?

ひろみつ
0点では無いですけど100点でも無いですね。
加点ポイントとしては、みんなユーザーのことを考えている。
物を作るためにユーザーに会いにいくハードルが低い。みんながそこに参加するのがすごくいい。

もうちょっとなポイントは、私はチームでエンジニアリングをするというところを大事にしているから、そこをもっとやりたいという気持ちが強いんです。デザイナーとしてはいいところまで来ているが、もっとチームとしてできることがあるはず!と思っています。アジャイルに真にプロダクトを作るっていうことにもっとチャレンジしていきたい気持ちです。

onom
ストイックだ..!
実際デザイナーに求められること、できることって変化し続けてますよね。
freeeでもその辺の議論はアップデートされ続けている。
デザインという仕事の定義や守備範囲もどんどん変わるだろうし、そこに価値があれば変える判断ができる組織だと思います。

おわりに

freeeではデザイナーを募集しています。
この記事を読んでfreeeが気になった人は是非カジュアル面談にお越しください。ぜひぜひ。

freee中途デザイナーの対談企画も気づけば3回目。
バックナンバーも是非ご覧ください。