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サハラ砂漠【オンガク猫団コラム vol.2】

今日は、沙婆裸(サハラ)という新宿にある喫茶店に行ってきた。新宿のレトロ喫茶店トップ10に選ばれるほどの、古き良き喫茶店の名店です。今年で41年目なんだけど、残念ながら、あと数日で閉店になっちゃうのだ。この店は、黒猫とハチワレコンビが、初めて一緒にお茶をした思い出の場所なので、この街からこの店がスッと消えてしまうのは本当に淋しい。

サハラといえば、かれこれ10年以上前にオイラが持病で入院した時、担当してくれたドクターが「佐原」先生だったのを思い出しちゃうのだ。とても感じのいい先生だったから。退院してから折に触れ「サハラ砂漠」って文字をみたり訊いたりすると「佐原先生、お元気かな?」なんて思慕の念が湧き上がってくる。もちろんヘンな意味じゃなくて。

それにしても、沙婆裸閉店はとても哀しい。黒猫とハチワレコンビはともにケーキセットをオーダーし、咀嚼するように味わった。懐かしくて、甘くて美味しかった。記念に店内をパシャパシャ写真を撮った。ちょっと切ないクリスマスイブだった。ボクらが感慨に浸る中、仕事の打ち合わせをするヘビースモーカーな中国人がいて、やたらとiPhoneのダウンロードを知らせる「ピロリン♪」って無神経な音がした。

レジで精算するときに、レジ脇にあった標語カレンダーには、「希望を信じて苦しみに耐えよう」と書いてあった。店を出た後で花園神社でお参りをして、おみくじを引いたら久しぶりに大吉が出た。来年はいい年でありますように。そしてメリークリスマス。

オンガク猫団(挿絵:高田ナッツ)

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