「夢」⑲ ~他の人は「当たり前」じゃない、スゴイ武器を持っている~

「夢」を持つことは良い事だと

語る人や本は多いが、

本当に「夢」を持つことは良い事なのか。

儚い夢、叶わない夢だってあるんじゃないか。

思い通りにならないのが人生。

我慢しないと生きていけないのが人生。

夢ばっかり見てないで、現実を見ろ。

そうした思いを

「夢」という言葉にぶつけたくなる人も少なくないです。

そこで、

「夢」を持つことは、

良い事なのか、悪い事なのか。

これについて、続けて考察しています。


先日私は、「夢」という言葉を、

「できる」事という観点から書いたため、

「『夢』とは『できる』事じゃない。

 『やりたい』事じゃないのか」

このような疑問を持っている方もいると思い、

それについて述べています。

前回は、

「夢」とは「やりたい」事だと思っているから、

「夢」を叶えられないのではないか。

「夢」とは「やりたい」事だけではない。

「できる」事も、「夢」を叶えるためには必要なのだ。

ここまで書かせて頂きました。


どんなに「夢」を次々と実現している人でも、

チャレンジ精神が旺盛な人であっても、

「やりたい」「好き」。

この思いだけでは、続きません。

大食いアイドルと言われるほどの、

食べるのが「好き」、

いつまでも食べていたいような人がいたりするものですが、

では、彼らに起きている間、

ずっと食べていなさいと言ったらどうなるでしょう。

どんなに「好き」「やりたい」と言えども、

何の工夫もなく食べ続けていたら、

やがて何も口に入れたくなくなり、

「嫌」「やりたくない」といった苦痛、拷問になってしまいます。

それは、食べ放題やバイキングに行った事があれば、

分かられる事でしょう。


「やりたい」「好き」という思いは、

「夢」を叶えるためには大切です。

この思いがなければ、何も始まりませんから。

しかし、その思いだけでは、

食べ放題やバイキングのように、続かないのです。

そのため、どうすれば続けられるのか。

「やりたい」事を「やりたい」と思い続けるには、

「好き」な事を「好き」な事だと思い続けるには、

どうすれば良いかが問題になります。


続けるための工夫や努力。

そのキーワードとなってくるのが、

「できる」事ではないでしょうか。

すなわち、自分のスタイル、個性です。

同じ「夢」を叶えた人であれば、

みんな全く同じ人になる訳ではありません。

プロ野球選手の人は、

みんな打って、走って、投げられる人なのかと言うと、

そうではないでしょう。

同じポジションでも、そうです。

外野手なら、みんなイチローのように

ワンバウンドしたボールを打ったり、

背面キャッチできるのかと言うとそうではないでしょう。

守備は苦手だけど、バッティングは得意。

足は誰にも負けない。

そんな人もいます。

ピッチャーなら、みんな大谷翔平のように

160km/hの豪速球を投げられる訳ではないでしょう。

いわゆる軟投派と言われたりする、

変化球を駆使して相手を幻惑させ、

三振は取れなくても、打たせて取るスタイルの人もいます。

このようにプロ野球選手という「夢」1つでも、

「夢」の形は人それぞれです。

それは、自分に「できる」事は何なのか。

「できる」事に着目し、

自分のスタイル、個性を確立した結果ではないでしょうか。


「やりたい」事、「好き」な事を続けるために、

「できる」事は大きな力になります。

なぜなら「できる」事は続けられるからです。

他の人たちは、苦労を重ねてようやくできる事が、

自分にとっては、当たり前にできる。

「凄いねぇ」と他の人たちは言うが、

特に苦労した実感が自分にはないので、

自分では何が凄いのかよく分からない。

「できる」事とは、そういうものです。

いわば、得意な事、特技は、

特に苦労せずに「できる」、負担なく「できる」。

だから続けられるのです。


ほとんどの事は、

苦労して「できる」、負担があって「できる」ものばかりで、

それは「好き」な事や「やりたい」事であっても、

例外ではありません。

それなのに、特に苦労も負担もなく「できる」事は、

物凄い武器であり、財産です。

そして誰もがそんな武器、財産を持っています。

それを使わないなんて、もったいないです。

「夢」を実現した人や、

「夢」を実現しようとチャレンジし続けている人は、

この「できる」事という

武器、財産を使いこなしているのです。


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