「仕事一筋」「仕事熱心」とは② ~仕事人間を奨励する会社があれば、その会社はもはや会社ではない~

「仕事一筋」「仕事熱心」という言葉は、

仕事の事しか、考えていない人。

それこそ、この人から仕事をとったら何も残らない人。

「自分」ー「仕事」=ゼロの人。

仕事以外に、物差しがない人。判断基準がない人。

そんな人を、「仕事一筋」「仕事熱心」というのか。

前回、ここまで書かせて頂きました。

「えてして会社は自らの経営幹部に対し、

 会社を生活の中心に据えることを期待する。

 しかし仕事オンリーの人たちは視野が狭くなる。

 会社だけが人生であるために会社にしがみつく」

(「現代の経営」ピーター・ドラッカー)

前回、この言葉を出して終わりました。

この言葉について見ていくため、

もう一つの言葉を引用したいと思います。


経営哲学の父と称されるドラッカーは、

仕事オンリーだと、

「空虚な世界へ移る恐ろしい日を延ばすために、

 自らを不可欠の存在にしようとする」

と指摘しています。

空虚な世界へ移る恐ろしい日とは何か。

それを体験できる時があります。


皆さんは、大型連休になるとどのように過ごされていますか?

昨年も、GWや盆休み、つい最近なら年末年始がそうだったという方もいらっしゃるでしょう。

今年もそうした大型連休があります。

たとえばですが、有給の取り方によっては、

今年のGWは12連休にもなります。

その連休を、ずっと満喫できる。充実できる。

そんな方は、どれだけいらっしゃるでしょう。

連休の最初は、旅行に行ったり、友達と遊んだりと、

予定が埋まるのではないかと思います。

しかし、次第に予定が埋まらなくなっていく。

しまいには、予定を埋めるのがめんどくさくなる。

途中から飽きてきてしまう。

そして、ついには。

「仕事していた方がマシ」

「早く仕事したい」

こんな思いさえ出てくる始末な方もいます。

極端な人になってくると、

ノー残業デーなどで早く帰った時に、

同じような思いを感じる方もいるかもしれません。

別に早く帰っても、何もすることがない。

食べて、寝るだけ。

何となく街をブラブラしていたら、

いつの間にか時間が過ぎ去ってしまった。

何をして過ごしたら良いか分からず戸惑い、

時間を持て余す人が少なくありません。


空虚な世界へ移る恐ろしい日とは、退職の時です。

仕事オンリーの人。会社オンリーの人。

この人から仕事をとったら何も残らない人。

そんな人は、ノー残業デーの帰りの4,5時間や、

大型連休の10日間ですら、持て余すのです。

そんな人が、退職すればどうなるでしょうか?

退職すれば、万年ゴールデンウィークです。


それまでは、会社という世界の中だけで

上手く生きていければ良い。

だから、会社のためだけに頑張れば良い。

会社の中だけで評価されていればよい。

会社の中だけで仲良くしていれば良い。

しまいには、会社のためだけに自分があると思い込み、

会社にとって、自らを不可欠の存在にしようとする。

会社にしがみつこうとするのです。

そんな人が退職となった時、

会社にしか居場所がなかった現実を突きつけられ、

「明日からどうしよう」

途方に暮れてしまうのです。

ドラッカーの言葉は、こうした事を言われているのではないでしょうか。


会社は、他人の人生の面倒まで見る場所じゃない。

休みやプライベート、ましてや退職してからの事は、自己責任だ。

そう思われる方もいるかもしれません。

しかし、ドラッカーが仕事オンリーの人になる事を望まなかったように、

本来、会社というものは会社人間になることを願う存在ではありません。

そして。

「仕事一筋」「仕事熱心」かどうかは、

あくまで仕事をしている時間。

もっと言うなら、会社にいる時間の問題だ。

休みやプライベートなど、それ以外の時間は関係ない。

そう思われた方もいるかもしれません。

しかし、それに対してドラッカーが言っています。

「仕事オンリーの人たちは視野が狭くなる」

視野が狭くなる。

この言葉が分かれば、休みやプライベートなど、それ以外の時間は関係ない。

そんな事は、思わなくなります。

それについて、次回から書いていきたいと思います。


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