【観戦レポ②】全日本ジムカーナ選手権第4戦
ジムカーナは観るだけのMeeOneです。
気がつけば今シーズンも終了してしまいました。
そうなると、なかなか書く気にもなれず笑
今頃ですが、どうぞお付き合いください。
1.想像以上の大迫力
大自然に囲まれた砂川は、画面で見るより広大なサーキットコースで、眺めているだけでもワクワクしました。
赤い旗を掲げたマーシャルカーが目の前を通り過ぎるだけでも、迫力満点。最初に聞いた排気音は今でも忘れられません。
少しずつ日差しが差し込む中、第一走者スタートへのカウントダウンが始まり、いよいよ観戦スタート。
ギャラリー席からスタート地点が離れているのに、アクセル音が響いてくる。これは生観戦ならではの迫力でした。
PE1クラスからBC3クラスまで111台の車両が出走。途中で飽きることを予測していたけれど、トイレに行く暇も惜しんで、第一ヒートを見ていました。
巧妙なターンに目が行きがちですが、生観戦して気がついたのは、それぞれのライン取りの違い。
細かい技術がわからなくても、あなたはそこを走るの?そう攻めるの?と、その違いが楽しくて、ひたすら車両を追ってしまいました。
たぶん正面から見たら顔を左右に振り続ける面白い人。
2.私ならではの注目ポイント
初心者の私が注目したのは、PN2クラス。
接戦具合がエンタメ性に溢れていて、見るだけなら凄く楽しい。
誰か推しの選手がいたならば、この楽しみ方はできません。誰が勝ってもいい場合の名勝負はドキドキの連続でした。
ジムカーナは、総合力ではなく一本勝負なので、2回走行する中で、どちらか酷いミスを犯しても、どちらかで素晴らしい走りができれば勝てる仕組み。
同時走行ではないので、ライバル選手の出来具合が精神的に左右されることも多いのかもしれません。
自分との戦い。強靭な精神力ですよね。
中でも、小野選手の自然な走り(メリハリのある走行というよりは、全体を通して滑らかに走るスタイル)が私は好きです。私なりの表現は、ぬるーんとした走り←褒めてます。
PN2クラスは、ロードスターばっかりでつまらないなと思っていた時期もあったけれど、同じ車だからこそ比較できて、その違いを楽しむことができるようになったのは、進歩だと思いました。
3.ユウ選手の緻密な走行
PN3といえば、ユウ選手。
爽やかイケメン選手として知られていますが、走行に関係ないので、私はそこに重きを置いていません笑
計算したままの走りをスムーズにしているように見えるユウ選手は、私の中ではサイボーグのような人でした。
見えない努力ならではのものであろうと、見る方にとっては、あまり関係がなく、凄いのはわかるけど、心には響かない気がしていました。
なのに、なのにですよ!
ユウ選手の走行を見て、鳥肌が立ってしまったのです。見ていて、ザワザワする。それは、この日気がついたライン取りの違いだったり、一つ一つの攻め方だったりが、この日見た誰よりも緻密に感じて、惚れ惚れする走りでした。
4.BC1クラスは落ちつかない
私が応援している広瀬選手はBC2クラスなので、このクラスの辺りから、ソワソワして落ちつかないのは、中継も生観戦も一緒。
でも、今回は少し知っている選手が出場しているクラスということもあり、しっかりと見届けました。
このクラスの楽しみ方は、車種が豊富なこと。
インテグラとスイフトが同じクラス!?
最初は驚きましたね。
5.推しがいるBC2クラス
応援している選手がいると、肩入れして見てしまうので、気が休まりません。
とは言え、このクラスは圧倒的2強なので、後半までは、のんびり観戦なのが常です。この日もしかり。
第一ヒートは、初めてのWMマロヤAR林歯科S二千YHが視界に入るだけで嬉しくて、ただ嬉しくて、その異変に気が付かなかった…。いつもの圧倒的タイム差が無いことに、その時すぐには気が付かなかった…。いつもなら、拳人選手とこんなにタイム差がつくことなんてないのに、そこまで気が付かなかった…。このことは、後ほど物凄く後悔することとなる。
6.言われるがままに向かったパドック
第一ヒートPN3クラス後に、ユウ選手のところへ向かった帰りに、私のところへ立ち寄ってくれた広瀬選手。「第一ヒート後、第二ヒートPN2くらいまでならパドックにきてみてください」
ですが、パドックなんて敷居が高い。
まして今回は、チームパドックのため、仲間の選手が集まっているため、初めてにしてはかなりのハードル。
お昼の抽選会で、色々当選した私は、なんとなく陽気な気分で、お昼を済ませ、意を決してパドックへ向かったのでした。
たどり着いたパドックでは、奥様がタイヤ清掃をされていました。
いつも奥様がタイヤ管理をされていることは知っていたので、そういうものだと思ってしまった。
忙しそう…でも、マシンの写真撮っていいって言っていたし……空気を読めず「写真撮っていいですか?」と奥様に声を掛けた。忙しいながらも奥様は「いいですよ」と一言。
この時、奥の方にいる広瀬選手を発見。そのとき、「ちょっと待って!」と声をかけられた。
その言葉の意味が直ぐに理解できなかった。
空気が読めなかった私は、カメラを構えて2枚ほど写真を撮ってしまう。
慌ただしく作業をする広瀬選手。
何か違う…今じゃない…。
ようやく雰囲気に気がついた私は、「後にします!」と声を掛けた。
すると広瀬選手は一言「そうして!エンジンの調子が悪くて、全然スピードが出ない。なんとか2本目までには治すから」と言いました。
ただならぬ雰囲気に気が付かなかった自分。
あんなに中継とか見ていたのに、第一ヒートの異変に気が付かなかった自分。
完全にパドックに行くタイミングではなかった。
それなのに、広瀬選手も奥様も怒らなかった。
後悔の波が押し寄せまくった。
ただ、ただ、ごめんなさい。で頭の中いっぱいでした。
7.それなのに広瀬選手は
とんでもないことをやらかしてしまった私。
この日はもう、ただ見届けて帰ろう。
それだけを思って、第二ヒートを観戦。
切り替えて楽しまなければ来た意味がない。
そんな気持ちを知ってか知らずか、またまた目の前に現れた広瀬選手。
「エンジンはやれることはやったから、勝ちますから!勝てなかったら明日も無理かな」
私のこと気にするどころではないはずなのに、そんな声をかけにわざわざ来てくれたんです。
観戦初心者の私が、最後まで楽しめるように…。
8.魂の走り
気温が上昇し、第二ヒートは路温も上昇。
第一ヒートよりも悪条件の中で、広瀬選手は圧倒的な走りを見せてくれた。結果、0.128秒差で2位。
結果は2位だったけれど、この日の第二ヒート目は、ずっと忘れられない。まさに魂の走りだった。
結果が全てだけれど、言葉では上手く表現できない、なんとも言えない心に打つ走りを見せてくれた。
9.絶対にパドックへ
広瀬選手は、どんな結果であろうとパドックへ来てくださいと言い残して、第二ヒートへ向かいました。
ただ、私は自分が空気が読めなかったことで、迷惑をかけてしまったこと、余計な気を遣わせてしまったことに気を揉んでいた。
それでも、ありがとうは伝えたい。
勇気を振り絞って、再びパドックへ。
苦笑いで「いやぁーダメでした」と言う広瀬選手。悔しさが滲み出ている中で、用意してくれていたグッズにサインをしてくれました。
奥様も気さくに声をかけてくれました。
明日、頑張ってください。を伝えて、この日の観戦は終了。
10.まとめ
状況がわかるドライバーさんや、観戦に慣れている方なら、身も凍るようなやらかしだと思います。
でも、それもまた経験。
どんなに事前学習をしても、現場に行かなければわからないこともある。
だからこそ生観戦は必要。