僕、私、俺、ウチ、
小学校1年生の男の子が、自分のことを「私」と言っていた。
初め聞いた時は、クスッと笑ってしまった。(大人の男性が私と言っているようで)
けれど、他の子がそれにツッコむこともなく、「僕」と言っている同い年の女の子もいる。
高学年の女の子で自分のことを「僕」と言っている子は割と多い。
◯
自分のことをなんと言えばいいのか、中学生くらいまでわからなかった。
家では恥ずかしながら今でも、自分のことを言う時は自分の名前を使っている。
けれど、子供の頃、小学校中学年になった頃、自分の名前を1人称に使うのは少し恥ずかしいことだと思った。
というかそういう空気があった。
それに、それまでは大人しすぎた性格のせいで、学校や外で1人称を使わずに済んでいた。
みんなは「私」「あたし」「ウチ」と使っていたが、自分をなんと言えばいいのか全くわからなくなってしまった。
なので、「うん?」と言いながら自分を指差したり、色々工夫していた。
別に「僕」や「俺」を使いたかったとかではない。
どれもしっくりこなかったのだ。
ただ、いつまでもそうしてはいられなく、限界もやってきて。
中学生に上がったタイミングで、自分のまわりで一番多かった、「ウチ」に切り替えることにした。
当初は相当恥ずかしかったが、使ってみれば案外すぐに慣れるもので。
大人になった今は、友達との時は「ウチ」、家では名前、職場や公共の場では「私」、恋人の前ではその全部を使っている。
きっとこういう人って案外多いと思う。
たかが1人称で悩むのって疲れるよね。
けどよく使う言葉だからこそ悩むんだよね。
◯
私は小学生が自分のことをなんて呼んでいようが何も触れない。
けれど人によっては、
「なんで女の子なのにボクって言ってるの?」とか
「男の子なんだから僕とか俺のほうがいいと思うよ」とか言う人もいる。
まあ確かに多少浮いてしまうかもしれないけど。
それは個人の自由で、大きなお世話だと私は思う。
子どもだからといって強制して変えさせるのはおかしいし、変えたければ変えると思うし。
そんな子たちに私は、
「まあ、〇〇くん(ちゃん)がいいなら、いいんじゃないですかね」
と言うくらいしかできない。少しもどかしさを感じながらも。
うーん、日本語も英語の「 I 」のようにみんなが同じなら楽なのにねえ笑