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同級生の死

人の死を、ここに書くのはどうなのかと少し躊躇いがあった。
けれど、何か物事が起こることには全て意味があると思う。

同級生が亡くなった。
20代という若さで。
癌だということは知り合いから聞いていた。
あまり長くない、ということも。

私は彼の小中の同級生だが、特別親しい間柄ではなかったし、卒業後のつながりはなかった。

大学生の頃、最寄り駅が同じなので、電車で見かけることは何度かあった。


いい人だった、と思う。
小学校の時は学級委員をやっていた気がする。
野球に熱心で、男子の中心にいる、そんなイメージだった。

この歳で、同級生が亡くなるなんて、思ってもいなかった。
友達、ではないので、寂しいとか悲しいとかそういう感情は抱かなかったが、言葉では言い表せない、なんとも複雑な気持ちになった。 

人はいつか死ぬ。
そしてその時は、いつかわからない。
当たり前のことを、突きつけられた感じ。

彼は自分が癌だとわかった時、もう長くないとわかった時、何を思ったのか。
そして旅立つ前まで、どんな気持ちでどのように過ごしていたのか。

友達ではない私にはわからない。
わからないけれど、きっと彼は、自分がやりたい事をやって、きちんと家族や友人に感謝の気持ちを伝えていたんじゃないかな、と思う。

長い付き合いをしていない人間にも、そう思わせる力があるのはすごい事だと思う。
すごいよ、

人はいつ死ぬかわからない。
明日死ぬかもしれない。
そう思うと、素直に生きられる気がする。

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