カミングアウトとディズニーランド
8月の最終週。
新居の鍵渡しの前日、私は彼女とディズニーランド旅行へ行った。
2人で初めてテーマパークへ行った。
2人ともズートピアが大好きで、ニックとジュディになりたくて、いろんなところでカチューシャを探しまくった。
でもニックとジュディのグッズが売られていたのはもう少し前のことで、なかなか見つからず、彼女はもう諦めて今ランドで売っている被り物にしようと言っていた。
うーーーん、と言いつつ私は諦めきれなくて(どこで本気を出しているのか笑)探しまくって探しまくってメルカリで見つけた。
そして無事ニックとジュディになってランドの地へ。
楽しかった。
アトラクションも乗ったし、パレードも見たし、写真もたくさん撮って。
暑かったけど、ずっとくっついて歩いた。
人目も気にならなかった。
ディズニーは夢と魔法の国。
でも、それだけじゃない。
8月半ば。お盆。
母方の親戚の集まりがあった。
焼肉やらデザートやら、美味しいものをたくさん食べて。
落ち着いた頃に私の引越しの話が話題に出た。
友だちとルームシェアするんでしょ?
いとこに聞かれた。
もう嘘をつきたくなかった。
友だちじゃなくて、彼女とね。
父も母も、姉も、姉の旦那さんも、おばさんもおじさんも。
みんないた。
ほんの一瞬、一瞬だけ、時が止まったけど、どうやらすでに私の母が遠回しに話をしていたようだった。
いとこからは、
なんの仕事してる子?とか、
同い年?とか、
普通の質問をされた。
嬉しかった。
おじさんも、今流行りのね、
と、ちょっとズレたことは言っていたけど、否定してくることはなかった。
父の顔は見れなかったけど、特に何も言ってこなかった。
親戚が集まっていたから。
今日言えば、もう嘘をつかなくていい、誰にも。
もし、そういう話が出たら、本当のことを言おう。
その日の朝から、そう心に決めていた。
楽になりたかったんだと思う。
嘘をつけない性格だから、仲のいいお姉ちゃんに、何も言っていないのも辛かった。
仲良くなくても、お父さんも、家族だから。
ディズニーで人目を気にせず手を繋いで歩けたのは、そんなことを乗り越えていたこともあったかもしれない。
彼女には心配されたけど、大丈夫。
だって私たちは私たちだから。
誰にも迷惑かけてないし、きっとみんなそんなに興味ないよ。
むしろ、私のことをきっかけに、案外身近にいるもんなんだって思ってくれたら、嬉しい。
2023年の8月は、そんな感じでした。
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