ドローンが確実に将来の仕事につながる理由
今の民間資格を取得しても仕事にならないということは、皆周知の事実だと私は思っている。
しかし、それは私がドローン業界に身を置き、常にその業界を見ているからそう思っているだけのことかもしれない。
今後その考えは大きく変えなければいけない。
今回の内容は少し長くなるが、『ドローンを仕事にしよう』とか『ドローンのライセンスに興味がある』『ライセンスを持っていると仕事になるのか?』という人は是非最後まで読んでほしい。
ドローンの管理省庁である国土交通省は他関係機関と共に2022年度中を目処にドローン操縦ライセンスの国家資格化を進めているからである。
今後ドローン産業が活性化し、ドローンの往来が増えることを想定していることを、この国家資格化着手から読み取ることができないだろうか。
事実、ドローンの販売台数増加やさまざまな産業での活用事例は年々増えている。
しかし、先日実際にドローンが社会で活躍しているということが一般的には普及していないことがわかる出来事があった。
私自身大学講師としてドローン講義を受け持っているため、今年新入した18歳の学生に『ドローンのことを知っているか?』という質問をすると、ほぼ全ての人は『知ってる』と答える。
それくらいドローンという言葉自体は社会に浸透している。
ところが、『実際に飛ばしたことがある人や、実際に飛行しているドローンを見たことがある人』と質問を変えると『飛ばしたことはないし見たこともない』と言われることがほとんどであった。
流行に一番敏感な18歳の学生たちがそういうのであれば、実際の社会認知度としてそれは大きく間違いのない事実だと私は思っている。
そんな学生たちに対して私は自信をもって強くこう伝えた。
今後の社会にドローンに携わる仕事は確実にたくさん増える。
学ぶ機会がここにあるのだから、ドローンの知識と操縦に必要な技術は必ず持っておきなさい。
と。
まだまだ社会認知及び社会実装されてないドローンだが、今後5年10年先の未来には『ドローンがない世界など考えられない』という社会は必ず訪れることでしょう。
そうはいっても実感などは全く湧かないと思うので、一つ既存産業にドローンを活用した場合の例を挙げて説明しましょう。
『警備』というジャンルの仕事にドローンを活用した場合にどのようなサービス革命をおこせるか。
今の警備サービスは基本的に『何か起きた時に駆けつける』の事後の対応サービスがほとんどである。
その理由は『常時監視』をしていないからである。
防犯カメラなどの監視はしているが、不審者が事前に防犯カメラ設置場所を特定することができたり、そもそも目出し帽などをかぶっていた場合には防犯カメラの効果は期待できない。
しかし、ドローンを活用すると『事後の対応ではなく事前の対応』が可能になる。
ドローンは空を飛行しカメラでざまざまな情報を判断することができる。
これを警備に活用すると、不審者が家の付近に近づいた時点でドローンはその対象を視認して追跡することが可能だ。
AIを使ってその人物を判断し追跡を止めることも追跡を続けることも今のAI技術でも十分に可能であろう。
仮に目出し帽を被っていたとしても、それは明らかに不審者なのですぐに通報し警備員を呼ぶことで対応ができる。
それ以前にドローンが飛行していれば大抵の不審者はそのような場所への不法侵入などは諦めるだろう。
ドローンを常に飛ばし続けることは合理的ではないが、それは防犯カメラなどの情報と合わせて活用することで必要な時に飛ばすことなどで対処することが可能だ。
防犯カメラとは違いドローンは撮影場所を縦横無尽に変えることができる。
そして、カメラで動画で情報を取得することもできれば、そのまま通報することもできてしまう。
こんなサービスは実現不可能な未来なのだろうか?
この警備という仕事に限らず、他の産業に入り込んでいける『多様性』を持っているのがドローンの1番の強みなのです。
このようなドローンを活用する産業が増えると、必然とドローンに携わる仕事が増えていくことを想像することは簡単ではないだろうか。
ドローンは空飛ぶコンピューターである。
産業ごとに必要な方法手法をドローンに詰め込み、状態を変化させながらその産業に活路を見出していくことができるのも、ドローンがコンピューターであるが所以である。
しかし、ドローンがコンピューターであるならば必ず必要になるのが指示を与える『人間』である。
コンピューターは頭脳の面では人間よりもはるかに優秀だが、人間からの指示を待っているいわば『指示待ち君』なのである。
この記事で一番伝えたかったことはこの部分である。
結局ドローンをつかうのは人間である。と言うこと。
機体を産業に特化したフォルムにするのも、産業に特化した頭脳を持たすのも、より便利につかうための部品を作るのも結局は『人間』です。
そこに仕事が生まれるのです。
機体のハード(外側を作る人)
機体のソフト(コンピューターの中身)
機体の部品(半導体基盤、バッテリー、プロペラ、ローターなど)
など機体にかかわるものだけでなく、
機体の販売
機体の保険
操縦代行
機体の活用提案(コンサルティング)
操縦に必要な知識技術を教える『スクール』
など、さまざまな既存産業を活性化させる要素がたくさん考えられないでしょうか。
たくさんのドローンが飛ぶ未来=ドローンに携わる産業の活性化
これが私の考える未来であり、ドローンは必ず将来の仕事につながると信じてやまない理由です。