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劇団四季 バケモノの子を観た
ミュージカルって
はじめ ちょろちょろ なかパーッパ♪(なかパッパ)
しんまい きょおしが やってーくる♪(やってくる)
ふとミュージカル調の流れを目にすると蘇ってくるこのフレーズ。10年以上前に学生の頃、授業の一環で連れていかれた地元の劇場で植え付けられた。
当時設立されてそこまで日が経っていない綺麗な建物で、演劇なんてこれっぽっちも縁のない奴がじっと観てられるのか、寝そうだなと諦めてました。ただ、始まってみると寝る余裕すらない、アッという間の時間だった。
はじめ ちょろちょろ なかパーッパ♪(なかパッパ)
しんまい きょおしが やってーくる♪(やってくる)
演劇は「坊ちゃん」だった。
夏目漱石が書いた小説という概要にもならない情報しか知らなかったのに、一気に坊ちゃんの世界に入り込んでた。今思えばあれは没入してたんだろうなぁ。
席の予約
仕事もなあなあになっててやる気がなくなっていく自分がイヤで、かといって刺激を受けたものの何をする気も起きない状態が続いていて、「なんかヤダなこんな自分」と嫌悪感がマシマシになっていたころ、劇団四季のバケモノの子が千秋楽を迎えることを知ります。
『#バケモノの子』東京公演は、千秋楽まであと20日📅
— 劇団四季 (@shiki_jp) March 1, 2023
3月15日(水)~21日(火・祝)公演で、千秋楽特別カーテンコールを実施✨
胸に刺さる熱い感動を、お見逃しなく🔥#バケミュの裏側 #バケミュhttps://t.co/JliH1bjNly pic.twitter.com/7iIdVR1uop
今の自分の状況には、さらに刺激を与えなければー・・・。
ほぼ満席だったけど、寂しくぽつぽつと間に席が空いている。ぼっちのための席やないかとそのまま予約をした。予約をしたら達成感でいっぱいで、当日の始まるまでワクワクしながら仕事もした。前日まで死んだ目をしてたのに。いや、花粉と戦っているから目というパーツ自体は死んでたわ。
前日の夜はフォロワーとApexをしながら「明日ね!劇団四季観に行くの!」と遠足前の子どもかといわんくらいに自慢しちゃってた。ごめん。でもフォロワーは優しいから「いいね~!」と話を聞いてくれた。神かな?
休みの日はいつも昼過ぎまでダラダラ過ごすのが日課だったのに、当日はいそいそと起きて身支度を整えて劇団四季の劇場へ向かった。
現地へ到着するのがギリギリになってしまい、会場へ到着していそいそと自分の席へ向かう。1階席の端だったので見切れてしまっていたので、今度は2階か真正面の席で観てみたいな。
はじまる
時間通りに始まるやいなやさっそく演出に驚く。
バケモノの子の始まりは幾つもの蝋燭が宙に浮きながら灯りがついていくのだが、ステージの幕が2層になっていて、全面の幕は透けていて奥行きがあることで本当に宙に蝋燭が浮いているように見えた。
その時点でもうわしづかみにされて、そこから先はひたすら感動。鳥肌。圧倒。
印象強いシーン ※ネタバレ注意
一郎彦の念動力で刀を動かすシーン
刀が浮いて鞘が抜かれ、そのままステージの反対側にいる熊徹へ勢いよく向かって刺さるシーンの再現度の高さに、普通にびっくりして「えっ」って声を出た。(隣のカップルごめん…)
「再現度」というのは後付けで、ストーリーが途切れ途切れの状態だったので忘れてたのも相まって何が起こったのか分からんかったよね。
一郎彦の声量のえぐさ
私が見た日の一郎彦のキャストさんが菊池さんという方だったんですけど、ソロパートの歌の時の声量と音圧がすごくてビリビリした。
菊池さんは👇ツイートの左側の人(恐らく)
『#バケモノの子』東京公演は、千秋楽まであと30日📅
— 劇団四季 (@shiki_jp) February 19, 2023
3月15日(水)~21日(火・祝)公演で、千秋楽特別カーテンコールを実施✨
胸に刺さる熱い感動を、お見逃しなく🔥#バケミュの裏側 #バケミュ pic.twitter.com/cXai3TNjTI
(素人目線でしかないけど…)一郎彦って作中でも複雑な心境のキャラクターですよね。育ててくれた家族を信じたいけど疑ってしまって、苦しんでもがきながら恨んでしまうのがミュージカル調で表現されていて、こっちも苦しくなってきた。そして声量と音圧で聴いてるこっちは威圧される…。え?覇気?
演出
冒頭で伝えた「浮いた蝋燭」を始めとして、全ての演出に圧倒されたといっても過言ではない。音の始まりや効果音、情景の表現から何から何まで没入できる状態だった。なんですかあれは……忘れるからテキスト形式に残す。
白鯨(全身、全面、横顔全部表現してた)
雨(奥行のある幕で雨が降っているように見えた)
背景の動き(ステージの床が2面可動して背景が動いてた)
念動力(刀が宙に浮いて真横に飛んでいった)
キャラの鏡(闇の感情や幼少期との対面、回想の表現が伝わる)
振付とか脚本家や演出家という人がどれくらい緻密に計算してどうやってたどりついたのか…。元となるストーリーがあるとは言え、音楽と表現と振付と動き、全部が一つになって創り上げられた作品だと思うと鳥肌でしかないわ。
観た時はそんなことを考える余裕もなくて何も思いつかなかったけどね!
純粋に楽しめるゾーンらしい
ぼっちの辛いところは終演後に感動したことを吐き出す相手がいないってところ。相手がいれば語彙力がないなりに頑張ってアウトプットしようとするじゃないですか。感動したことを一所懸命に説明したいじゃないですか。
でもぼっちだとそれができなくて一人で感動したことをかみしめるしかないんですよ‥‥それが ち ょ っ と 寂しかった。
もちろんぼっちは自分のペースで移動して時間を気にせず歩き回れてメリットもいっぱいあるけども、感想回はやっぱりあった方がいいよね。
そして、演劇好きな人からすると今が一番楽しめるゾーン らしい。
「ほやけんさんは演劇が新鮮だから純粋にその舞台を楽しめたんだと思いますよ。足を運びすぎたり演劇に関わったら小道具のこととか演出のこととか別のメタいことが頭によぎっちゃう。今が一番楽しめる時だからもっといろんな演劇を見てほしい!」って言われた。なるほどー!
確かにストーリー知ってる程度でキャストのこととかも特に情報を入れることなく観たのも良かったのかもしれない!
医療従事者の人が医療ドラマみて「そんなこと起こらんけどな」って冷めちゃうのと同じような感じで、演劇も純粋に観れないパターンがあるんやなと(゜-゜)
ということで、熱があるうちにいろんな演劇を観たいと思っている今日この頃。しかし劇団四季というトップレベルの演劇はやはり金銭的に何度も足を運べないのと、「もっといろんな系統を観たい」という欲のほうが大きいので、小さな劇場でやっているタイプのやつも行ってみたいと思います(*''ω''*)
なにやら下北沢とかにたくさん小劇場があるそうなので、そこらへんをブラブラして直観で入るとかやってみたい(´◉◞౪◟◉)
劇団四季や宝塚はやはり何度も行くのは難しい(ハマりそうで怖いというのもある)ので…自分へのご褒美的な時に観に行くとかになりそうです。
まとめ
整骨院へ行っても「力抜くの上手ですね」って褒められるほど身体を委ねるのが得意。身を任せるという面では、映画でもアニメでもドキュメンタリーでも漫画でも、基本的に受け入れてその世界観へ入り込む。
「その設定現実やとおかしいやろ!」とか思うシーンがあるのが気になるという声をたまに耳にするが、自分としてはその世界では当たり前と思って観てるから何も気にならない。ものさしは無限大!
そんな自分が目の前でその世界を作り上げられたらそりゃもう…そらもうあんた…
ってことですよ。ミュージカルというか、やはり生で体感するイベントというのは良いですな(*''ω''*)