FPの人に騙された話。
もう何年も前の話になりますが、上の子がまだ保育園か、小学校の低学年くらいだった時の話。
いよいよお家を買おうかなんて思い始めたころの話です。
家を買うにはたくさんのお金が必要で、2000万円とか3000万円とかって、まぁまず借金できるかどうかって話から入るんですが、そう考えたとき、一端専門家からのお話が聞きたくなります。
すると目に飛び込んでくるのです。
『無料でファイナンシャルプランナーに相談できるナニガシ!』
その時はまだ無知で、お金にまつわる個人の家のことを個別に、親切に、無料でアドバイスしてくれるなんて、なんて素晴らしいことをしている人がいるのだ!と思ったものでした。
早速お申し込みフォームから住所や個人情報を入力。
するとすぐ返事が来て、スケジュールの相談をしました。
しかも自宅まで来てくれる・・・なんて親切な人なんだ!(2回目)
当日。
清潔感のあるパリッとした、それでいてお上品なスーツを召した40代くらいのバリバリそうな男性が来宅。
当時の貧しさが見え隠れする自宅で、お話することになりました。
最初は新築のマイホームへの憧れや、子供たちのいる今の生活のことなど、他愛のない話をしました。
そして食費は~とか、家賃は~とか、車は~とか、どのくらいの支払いがあるか、そしてどのくらいの収入があるか。
で、どんな家が欲しいとか。
そのうえで、お子さん3人いるならこのくらい将来かかるかもしれない。老後2000万円問題って知ってますか。などなど。
そんなこんな話していたら、時間なんてあっという間ですよね。
また次回ですねってことになって、、
「またこんな片田舎まで、自宅まで来てくれるのですか!?」
「なんて親切な人なんだ!」(3回目)
で、また次の時。
おもむろに資料などを出して、これまた親切丁寧に教えてくれるわけです。
今まで聞いたこともないような単語の数々です。
「お金は日本円でだけ持っていてもリスクですよ」
「株式投資はリスクも高いので、投資信託が~」
「旦那様にもしものことがあったとき、今の保険では~」
「ドルコスト平均法というものがありまして~」
「今お子様にかけている学資保険ですが、計算してみると利率が~」
ちょっと金融関係かじったことがある人にはこの先の売り文句もわかるのではないでしょうか?(笑)
結局私は、家計の見直しをしたい。そしてどのくらいの家が買えるのか知りたいのが目的で相談していたつもりが、言われるがままに、だけれども、知識がない割にちゃんと納得して、いくつもの保険を契約していました。
そして契約してからも年に一度くらいは家まで来てくれて、近況を話すような関係が3年くらい続きました。
そのくらいまでは「なんて親切で素敵な人なんだ!」と思っていました。
今思えば、どのくらいの家が買えるのかとかそんな話はミジンコもなかったように思います。家計がよくなった実感もなかった(汗)
しかしながら、将来のお金の不安がその時より減ったのと、今まで知り得もしなかった知識を吸収したことによって、少し賢くなった気分だったのもあって、満足感がありました。
そして、その3年後くらいにふと思うわけです。
ちょっと自分で勉強してみよう。
で、わかるわけです。
貯蓄型の保険のやばさ。
外貨建てのリスクの大きさ。
保険会社への手数料の凄まじいことなどなど。
そして根本、こんなにたくさんの保険に入っていて、家計がよくなるわけがない(笑)
しかしです。今解約すると入れた半分のお金すら返ってくるかどうかなのです。
タイトルの言葉は少し過激かもしれませんが、この時ばかりは本当にそう思いました。
今振り返ってみると、ちょっと高い勉強代(ちょっとでもない)。ですし、自分で勉強していなければ、彼は私の中でずっといい人でいたと思います。
なにより、気づくべきだったのです。
こんなに親切で、無料で、こんな片田舎の自宅まできてくれて、本当に困っていることについて丁寧に説明してくれて、私や私の家族のことを思って一番だと思った保険を勧めてくれる。なんなら手続きも迅速に手取り足取り。
・・・そんなわけはないでしょうよ。
その彼にだって、家族はいるし、食わせていかなければならない。
彼の収入につながる何かを勧めるのが彼の仕事であって、私のお金の悩みや不安を聞いてくれるボランティアではないのです。
今では逆に彼に出会えて良かったとさえ思います。
じゃなきゃそもそもFPという資格に興味もなかったし、株式投資もしていなかったと思います。
無料の怖さも今ほどまでは知れなかったでしょうし、誰かが何を言っても、それを自分の頭で考えて答えを出す癖をつけようとも思わなかったと思います。
それくらいの衝撃だったとも言えますがね(笑)
で、一番大事なのは、彼は私を騙そうと思って騙したわけではありません。
ただ、
こうすればもっと・・・という知識を隠しておいでだっただけです(笑)
今日のお話は少し長くなってしまったのでここまでにしておきます。
この記事で面白かったな~とかあったらスキ!ってやつ、もらえたら嬉しいです。
ではまた!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?