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「子どもを信じられる社会へ」スクール理事長が語る、家族と教育の新しいカタチ Vol.2

こんにちは。

千葉県船橋市で、全日制のオルタナティブスクールと認可外保育園を運営しているFree+ International School [FIS]です。


前回に引き続き、FISの理事長である青沼弥幸(Miyuki Aonuma)が、FISへの想いを語るシリーズ。

第二弾の今回は、息子さんが学校で感じた違和感が小学部設立のきっかけとなった経緯についてお聞きしました。


第一部:「スクール設立の背景と経緯」
第二部:「息子の成長と学校への違和感から生まれた小学部」(当記事)
第三部:「家族との信頼関係を軸にしたFISの教育理念と未来」


第二部:「息子の成長と学校への違和感から生まれた小学部」

――もともとFISは未就学向けのスクールだったのですね。そこから小学部開校までに、どのような経緯が?
青沼:上の息子が1年生の夏ぐらいから、徐々に学校に行くのが嫌だと言い始めました。入学説明会のときから違和感があったので、心の準備はできてはいましたが。


――違和感ですか?
青沼:はい。入学説明会で小学校を訪問したときに、既視感というか、数十年前にタイムスリップした感覚があって。「こんなに世の中は変化したのに、教育現場は何も変わっていないのか」と。


『個』を尊重した教育を受けてきた息子だから、遅かれ早かれ小学校に行かなくなるのは見えていました。


だから、私もフリースクールについて必死に調べたんですけど、自分が行かせたいと思えるところも、行かせられるところもなかったんですよね。


――行かせられるところ、ですか?
私が求めていたのは、人間性を育みながら、子どもたちの教育にコミットしている環境でした。でも、そんなところはありませんでしたね。


世の中のフリースクールは、サードプレイス的なものが大半です。通える距離に、学びにコミットしているフリースクールはありませんでした。


高額なインターナショナルスクールならありましたが、別にインターナショナルスクールに通わせたいというわけでもなかったんですよね。


――それならご自身でつくってしまおう、と?
青沼:そうですね。1年生の後半はポツポツ登校してたんですが、2年生になって全く行かなくなって。


その年(2020年)に小学部をオープンする予定だったのですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延でロックダウンになってしまって、半年遅れの2021年4月にプレ・オープンしました。


――息子さんが学校に行かないと決めた時、そのやり取りはどのようなものだったのでしょうか?
青沼:
息子は学校で勉強も友だち関係も問題なくこなしていたので、先生方もまさか、彼が学校に行きたがらないとは思っていなかったようです。


彼が「学校を休みたい」と伝えた際、先生方はとても驚かれて、「理由がよくわからない」と困惑されていましたね。


――周囲の大人から見ると、何も問題がないように見えるお子さんだっただけに、理由が分かりづらかったかもしれませんね。
青沼:
そうですね。息子はじっくりと自分の考えを見つめるタイプで、学校の先生方が持つ「絶対的な価値基準」に対して違和感を抱いていたようです。


――「絶対的な価値基準」ですか。
青沼:はい。例えば、1つの目的を達成するためのやり方って、いくつもありますよね。


でも、学校の中では、全員で同じ結果を出していかなければならない。それに至るまでの順番まで決まっている場合もあります。


彼の中にはたくさんのアイディアがあるから、それを先生の求めるやり方で進めなければいけないことに、強く違和感を持っていたようです。


――周囲の基準に対して、しっくりこない部分があったんですね。
青沼:
ええ。先生方から「宿題の量を減らせば学校に来られるんじゃないか」といった提案もいただいたんですが、息子にとっての問題は宿題の量ではなく、学校そのものの環境にあったんです。


次第に息子の中で「行きたくない」という気持ちが強くなっていったようですね。


――お子さんが「学校に行かない」と決めたとき、どんなふうに受け止められたのですか?
青沼:
無理に行かせるのではなく、彼の気持ちを尊重したいと思ったんです。だからこそ『行かなくてもいいよ』と自然に言えたんだと思います。


――「行かなくてもいいよ」と伝えるのは、お母さんとしても大きな決断だったのではないでしょうか。息子さんの反応は?
青沼:
彼も『お母さんは僕のことを信頼してくれてるから、行かなくていいって言ってくれるんだよね』と話してくれました。


この言葉には驚きましたが、同時に、息子と信頼関係がしっかり築けていることを感じられて、とても嬉しかったですね。



▼Vol.3「子どもを信じられる社会へ」スクール理事長が語る、家族と教育の新しいカタチにつづく


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