アイ・アム・レジェンド【映画感想】
インデペンデンスデイの主演ウィル・スミス繋がりで、「アイ・アム・レジェンド」を見ました。
ジャンルはSF。しかし不気味さと恐ろしさの高低差がかなりあり、ホラー感溢れる作品でした。
1.あらすじ(ネタバレなし)
2019年、ニューヨークのとある科学者が遂に癌の特効薬を開発したと発表した。万を超える患者に投薬されたその薬は効力を発した様に見えた。しかし僅か3年後、ニューヨークは動物と化物のようになった人々が暗闇の中を跋扈する死の街となってしまっていた。
主人公ロバート・ネビル博士と愛犬サムは、誰も居ない街で狩りをしながらこの恐ろしい状況を打破すべく血清作りの研究を続けている。もう街には誰もいないのか、それとも息を潜めているのか……それさえ分からない状況は、ロバートの心を孤独と恐怖で苦しめていたのだった。
2.感想(ネタバレあり)
この物語の特徴的な所は、回想シーン以外の登場人物がほぼロバートとサムのみで構成されている所です。
人は勿論、動物もほとんどが姿を消した中孤独に生きる1人と1匹。それでも家族との約束のため世界を救おうとする一方で、彼の心が壊れていっている様が悲しくも惹き込まれました。DVD屋に自分で立たせたマネキンの女の子に気があるような素振りや店員に友達のような態度をしたり、ビルの屋上から誰もいない都市へナイスショットを打ったり。そうやって楽しさを装ってないと気が狂いそうな世界です。
あの特効薬、もといウイルスの発信源はニューヨークですから、実際の所生き残ってる人は世界規模で見れば割といたことでしょう。何しろ終盤山奥とはいえ町が1つ生き残っていると判明した訳ですからね。寒さに弱いなら、案外北方諸国は被害が少なかった可能性があります。
ただ他のゾンビ物と違って大きかったのが、少なくともロバートは彼らをゾンビではなく病気にかかった「人間」として扱っていた事です。
それはつまり、化物として基本的に殺すことなく対処しなければならないという事です。殺すよりも撃退の方が難しいのに、あちらの方が圧倒的に数が多い。そして彼らは人間だけでなく動物にも躊躇なく襲いかかり、暗闇の仲間へと引きずり込みます。知能は劣るものの、その身体能力は人間の枠を超えたものです。
この躊躇いがないというアドバンテージは想像以上に大きいのでしょうね。
光の下では一切活動できないという弱点がなければ、ロバートも生きてはいられなかったと思います。また大事な相棒サムの存在は生き残る面でも、精神面でも大きい。大きすぎたんでしょう。よりにもよって自分のヘマが元でサムが死んで、最後の家族を失ってしまった彼の心境たるやいかに。
アナとイーサンに出会わなければ自殺行為も成功してしまっていたに違いありません。
しかし本当に悲しいのが、最後の研究結果が成功だったのなら、サムも時間を置けばもしかしたら回復していたんじゃないかと……それを思うと、ロバート自身の手で殺す事になってしまったのは悲しい別れ方過ぎましたね……
とはいえ最後まで正気のままでいられたのはきっとサムのおかげ。子犬だったサムを娘さんが託したのは、本当にファインプレーでした。人生最大のクリスマスプレゼントです。
実はこの作品には続編もあるそうなのですが、私が見た映画の最後ではロバートは死に、アナとイーサンだけが生きて集落へ向かうエンディングでした。主人公不在で?と思いきや、軽く調べた所、何と驚いた事にロバート生存IFエンド版があって、それを元に続編を作ったのだとか!
映画でそんなやり方ありなのか……と少し笑ってしまいました。別エンド版は本当に最後の最後しか違いがないそうなので見ていませんが、そのうち続編は是非見てみたいと思います。
読んでくださってありがとうございました!
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