「水曜日が消えた」 映画感想
中村倫也主演の邦画「水曜日が消えた」を見ました。
曜日ごとに全然人格が違って面白い!
【あらすじ】
主人公は7つの人格を持つ多重人格者。曜日毎に人格が入れ替わり、本編では主に火曜日の彼が過ごす様子が描かれている。
比べてよく言えば生真面目、悪く言えば個性の薄い火曜日は何かと他の曜日の分の雑事や面倒ごとを引き受ける事が多く、毎週必要な病院通いなどの決まったタスクをこなしていた。しかし火曜日に眠りついたある日、彼は今日が水曜日である事に気づく。
朝のテレビも、町中を流れる音楽も違う。何より火曜日はいつも休館の図書館が開いている!!そしてとある図書館員の女性と知り合った彼は、これからも水曜日を楽しみたいと考える。しかし今までと違う曜日は、彼のいつも通りを段々と崩していくのだった。
【感想】
月曜日はバンドマン
火曜日は読書家
水曜日はスポーツマン
木曜日は画家
金曜日は植物愛好家
土曜日はゲームエンジニア
日曜日は釣り人
あまりにもバラエティ豊かで同時に存在したらかなり反発しあいそうな人格ですね。一応どの曜日も日記を付ける事を習慣づけているみたいなのだけど、書き方も人それぞれなので日曜日などは絵しかかいていないようです。
特に月曜日は自由人のようで、冒頭からして女性をベッドに連れ込んでいて仰天しているシーンから始まる始末。
趣味や性格だけでなく、靴も服も食べ物も何もかも分けている様子。椅子さえ違うようです。家はかなり広いようですが、両親は恐らく事故死しているので彼ら七人だけが暮らしているみたいです。一方で稼ぎがありそうなのは恐らく画家の水曜日だけ……?他の曜日は作中を見た限りでは不明でした。少なくとも火曜日は家事をこなして病院に行くだけの生活を送っているようだったので、どうやってこんな暮らしを維持しているのかとても気になる所でした。
火曜日は図書館の女性と水曜日との関係を気にしているようでしたが、エンドロールを見る限り気にした様子がなかったので、単なる顔見知りなのではないかと思います。むしろ火曜日と最終的にいい雰囲気になった一ノ瀬とゴールインする事を他の曜日は少なくとも否定はしていない様子。
けれど結局減った人格は元通り7人に戻ったようでしたし、多分女性の好みも違うだろうから、もし結婚などを考えるとなると流石に困るのではないだろうかと思います。そもそも彼女が一番好きなのは火曜日なわけですし、もし一緒に住んだら他の曜日は他人と暮らしているような感覚にならないのかなとも思います。彼らは「僕」ではなく「僕たち」である事を選んだわけだから、1人である事を喜ぶ彼女の意には添えない訳ですよね。
彼女は各曜日の彼らを尊重はしていても、やはり好きな人格は1人なのだから毎日一緒にいるのは難しいのではないかと思ってしまいます。
その辺り他の多重人格者はどう対処しているのか、どう考えているのか、周りの人はどう接しているのかなど、調べてみたくなる作品でした。
最終的に彼らは彼らとして納得してまた毎日を楽しむようになったし、それまで全くなかった意思の疎通も多少取れるようになった。だから前と全く同じというわけではないのだろうけど、結局好きな人を諦めた火曜日がどうしても割を食っているように思ってしまいます。
そういう意味でも新しい彼らの幸せな様子が気になりますし、この後のお話があるならまた見てみたい作品でした!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?