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(飛行機、どうなってるの) その3


前回の記事の復習です。

飛行機が上下左右の動きを行うためには
・PITCH
・ROLL
・YAW
という動きを組み合わせて行います。

その動きは動翼(CONTROL SURFACE)をパイロットが操縦して行います。

そのCONTROL SURFACEの種類は
1、AILERON
2、ELEVATOR
3、RUDDER
4、SPOILER
5、FLAP
6、SLAT
というものがありました。

前回はPRIMARY CONTROL SURFACEである
1、AILERON
2、ELEVATOR
3、RUDDER
を説明しました。

今回はSECONDARY CONTROL SURFACEである
4、SPOILER
5、FLAP
6、SLAT
を説明します。

まずはイメージ

飛行が思うように姿勢をコントロールするのに必須なのが
PRIMARY CONTROL SURFACEです。

飛行機が大型だと、重いしコントロールも難しいから、これも(2次的に:secondary)必要だよねというのがSECONDARY CONTROL SURFACEです。

ニュアンスが少しズレますが、料理に例えてみましょう。
PRIMARY CONTROL SURFACE(必須な調理器具)
冷蔵庫、フライパン、ガス、IH器具

SECONDARY CONTROL SURFACE(あったら便利なもの)
軽量スプーン、タイマー、レシピブック

※あくまでイメージです。

SPOILER


SPOILは英語で「だめにする」という動詞で、揚力(上向の力)や推力(前に進む力)をパイロットの意志で落とすイメージです。

3つの働きがあります。
1、ROLLの動きをCONTROLする
2、飛行中に減速させる
2、着陸時や、離陸中止時に早く減速させる

飛行機の動きの話題のため、ここでは1についてのみ説明します。


SPOILERはWINGの上面についていて、片側6枚くらいついています(機種により異なります)。


(動きの流れです)
飛んでいる最中に操縦桿(CONTROLL WHEEL)をどちらかに回す。
右に回すとします

右のSPOILERが起き上がる

飛行機は(後ろからから見て)右のROLLINGをする。

AILERONと動きの流れは同じです。

違いを比べてみましょう
AILERON
・外側についている
・動翼を動かした時の姿勢の変化が大きい
・離着陸直後など低速で使用する

SPOILER
・内側についている
・動翼を動かした時の姿勢の変化が小さい
・高速巡航中に使用する

以上がROLLING CONTROLでの使い分けの基本です。

飛行機がROLLINGや旋回するにあたって、「ADVERSE YAW」とか「AILERON REVERSAL」という専門的な弊害も発生するのですが、AILERONとSPOILERを組み合わせて使うことで問題を解消しています。

需要があれば、また後日別の記事で説明します。

LEADING EDGE SLAT & TRAILING EDGE FLAP

WINGの前方と後方についている動翼です。
WINGの見える座席に座った際に、窓から見たことがある方も多いのでないでしょうか。

前側がLEADING EDGE SLAT
後ろ側がTRAILING EDGE FLAP

(動きの流れです)
COCKPITのレバー操作

操作量に応じてそれぞれ動く

これは上下左右の動きの話とは異なり、いかに飛行機のスピードを落とせるかという話になります。

当然ですが飛行機は離着陸を滑走路の長さの範囲内で行う必要があります。
そのためには、
離陸時はできるだけ低い速度で(早い段階で)浮く
着陸時はできるだけ低い速度で滑走路に接近する 必要があります。

着陸を車に例えると、スピードを出しすぎた車ほど、急ブレーキした時なかなか止まらない(止まるまでの距離が長くなる)のと同じです。


速度が速いほど止まるのに多くの距離が必要です
運動エネルギーは速度の2乗です

飛行機もゆっくり飛べばいいのですが
速度を落としすぎると、揚力(上向きの力)が減って墜落するという問題が発生します。

そこでFLAPやSLATを使って、WINGの面積を大きくしたり、擬似的なWINGの角度を変えて、スピードをもっと低くできるようにしています。

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