
(飛行機、どうなってるの)その1
大型機の概要を解説するマガジンの1回目の記事です。
まずは飛行機を複数の部分に分けて、その働きをイメージしてみましょう。
WING(主翼)
飛行時に上向きの力を生み出します。

ENGINE(エンジン)
wingが上向の力(揚力)を生み出すには、前に進む力(推力)が必要です。
この前に進む力(推力)を生み出すのがエンジンです。
ちなみにエンジンは電力や高圧空気も供給します。
機種によって積んでいる数は違い、多くの機種で2つのエンジンを搭載しています。


(出典:WIKIPEDIA)
HORIZONTAL STABILIZR(ホリゾンタルスタビライザー)
wingが上向の力(揚力)を発生させると、重心位置の関係で飛行機の頭が下に回転してしまいます。
前に回転すると飛行どころではなくなるので、バランスと安定性を保つために、HORIZONTAL STABILIZR(ホリゾンタルスタビライザー)があります。


VERTICAL STABILIZER(バーチカルスタビライザー)
垂直方向にも安定させるため、VERTICAL STABILIZER(バーチカルスタビライザー)もあります。

FUSELAGE(胴体)
胴体エリアに移ります。
上下に二分割して考えましょう。
上側は、COCKPIT(操縦室)やCABIN(客室)、GALLEY(調理室)、crew rest(乗員の休憩室)です。

機種によっては機体の中から上側から下側へ(あるいはその逆)へ移動できるようになっています。
下側はCARGO(貨物室)やLandhing gear(脚やタイヤ)の格納場所、コンピューターエリアになっています。

貨物室は前から
「FWD Cargo」(前方貨物室)
「AFT Cargo」(後方貨物室)
「Bulk Cargo」(バラ積みの荷物室)
の内訳になっています。
LANDING GEAR & WHEELWELL (主脚&格納する場所)
離陸や着陸の際に地上で滑走するための着陸装置もあります。
前が
「Nose Landing Gear Wheel Well」(前脚格納室)
後ろが
「Main Landing Gear Wheel Well」(主脚格納室)

動翼関係
WING(主翼)には、シチュエーションによって動く翼が取りついています。
1、AILERON
2、LEADING EDGE SLAT
3、TRAILING EDGE FLAP
4、SPOILER の4つです。
1、AILERON
別の記事で解説しますが、飛行機のROLLINGという動きをコントロールしたり、低速時に揚力(上向の力)を補ったりします。

2、LEADING EDGE SLAT(前縁補助翼)
3、TRAILING EDGE FLAP(後縁補助翼)
離陸や着陸のような低速時に、揚力(上向の力)を増やすサポーターのようなものです。


4、SPOILER
飛行機のスピードを殺したり、揚力を殺したりします。
前者は着陸後やRTO(離陸の中断)の時に、
後者は高度をもっと早いペースで落としたい時に使用します。

ELEVATOR(昇降舵)
WINGにAILERONがつくように、H.STABにもELEVATOR(昇降舵)と呼ばれる動翼がついています。
飛行機のPITCHINGという動きをコントロールします。

RUDDER(方向舵)
H.STABにELEVATOR(昇降舵)がつくように、V.STABにもRUDDER(方向舵)と呼ばれる動翼がついています。
飛行機のYAWINGという動きをコントロールします。

この辺は次の記事で解説します。
APU(補助動力装置)
胴体の1番後ろのお尻の部分に小さいエンジンがついています。
(一般的に飛行機の最前方を頭、最後方をお尻と呼ぶ整備士は多いです)
AUXILIARY POWER UNITといい、WINGの下に取くエンジンと以下の点で異なります。
・推力(前に進む力)は生み出さない
・比較すると1/5くらいの大きさで、1/20くらいの軽さ
・飛行中は基本使わない
これも別記事で解説します。
