(飛行機、どうなってるの)その1
大型機の概要を解説するマガジンの1回目の記事です。
まずは飛行機を複数の部分に分けて、その働きをイメージしてみましょう。
WING(主翼)
飛行時に上向きの力を生み出します。
ENGINE(エンジン)
wingが上向の力(揚力)を生み出すには、前に進む力(推力)が必要です。
この前に進む力(推力)を生み出すのがエンジンです。
ちなみにエンジンは電力や高圧空気も供給します。
機種によって積んでいる数は違い、多くの機種で2つのエンジンを搭載しています。
HORIZONTAL STABILIZR(ホリゾンタルスタビライザー)
wingが上向の力(揚力)を発生させると、重心位置の関係で飛行機の頭が下に回転してしまいます。
前に回転すると飛行どころではなくなるので、バランスと安定性を保つために、HORIZONTAL STABILIZR(ホリゾンタルスタビライザー)があります。
VERTICAL STABILIZER(バーチカルスタビライザー)
垂直方向にも安定させるため、VERTICAL STABILIZER(バーチカルスタビライザー)もあります。
FUSELAGE(胴体)
胴体エリアに移ります。
上下に二分割して考えましょう。
上側は、COCKPIT(操縦室)やCABIN(客室)、GALLEY(調理室)、crew rest(乗員の休憩室)です。
機種によっては機体の中から上側から下側へ(あるいはその逆)へ移動できるようになっています。
下側はCARGO(貨物室)やLandhing gear(脚やタイヤ)の格納場所、コンピューターエリアになっています。
貨物室は前から
「FWD Cargo」(前方貨物室)
「AFT Cargo」(後方貨物室)
「Bulk Cargo」(バラ積みの荷物室)
の内訳になっています。
LANDING GEAR & WHEELWELL (主脚&格納する場所)
離陸や着陸の際に地上で滑走するための着陸装置もあります。
前が
「Nose Landing Gear Wheel Well」(前脚格納室)
後ろが
「Main Landing Gear Wheel Well」(主脚格納室)
動翼関係
WING(主翼)には、シチュエーションによって動く翼が取りついています。
1、AILERON
2、LEADING EDGE SLAT
3、TRAILING EDGE FLAP
4、SPOILER の4つです。
1、AILERON
別の記事で解説しますが、飛行機のROLLINGという動きをコントロールしたり、低速時に揚力(上向の力)を補ったりします。
2、LEADING EDGE SLAT(前縁補助翼)
3、TRAILING EDGE FLAP(後縁補助翼)
離陸や着陸のような低速時に、揚力(上向の力)を増やすサポーターのようなものです。
4、SPOILER
飛行機のスピードを殺したり、揚力を殺したりします。
前者は着陸後やRTO(離陸の中断)の時に、
後者は高度をもっと早いペースで落としたい時に使用します。
ELEVATOR(昇降舵)
WINGにAILERONがつくように、H.STABにもELEVATOR(昇降舵)と呼ばれる動翼がついています。
飛行機のPITCHINGという動きをコントロールします。
RUDDER(方向舵)
H.STABにELEVATOR(昇降舵)がつくように、V.STABにもRUDDER(方向舵)と呼ばれる動翼がついています。
飛行機のYAWINGという動きをコントロールします。
この辺は次の記事で解説します。
APU(補助動力装置)
胴体の1番後ろのお尻の部分に小さいエンジンがついています。
(一般的に飛行機の最前方を頭、最後方をお尻と呼ぶ整備士は多いです)
AUXILIARY POWER UNITといい、WINGの下に取くエンジンと以下の点で異なります。
・推力(前に進む力)は生み出さない
・比較すると1/5くらいの大きさで、1/20くらいの軽さ
・飛行中は基本使わない
これも別記事で解説します。