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ネットカフェ難民って言うんだ?!

息子の自立を願い送り出したはずが、、、心配なあまり福岡から上京。この頃は、自分の行動がいかにまずいか気付いていなかった。

息子に会いに上京すると、家に着いた途端に追い出される。しかも、息子から「一晩泊めるのも、無理。」と言われ、予想だにせずに、拒絶された事にショックを受ける。

昼間は就活、夜は宿探しの日々となる。。

無謀にも。福岡の家は引き払って来たので戻れない(賃貸だったが)(いつも、思いたったら行動するタイプ。後先あまり考えられない。)(無謀な行動力だけはある)

車の流れと同じ方向に彷徨いたどり着いた駅巣鴨。

見上げるとネットカフェの看板。

考える力もなく階段を上がった。

息子が他人のように感じ悲しかった。

一番信頼していた息子の拒絶。

とぼとぼと知らない東京で、知り合いもいない。

孤独だった。

何故?・・・この仕打ちと恨みたくなるおもいもあった。(なので当然、この時点でも、息子の本当の真意を理解するすべなど皆無だった。)

今に思うと自業自得である。

もっと悲しかったのは、半年ほど、私の姉は、息子の家に泊まっていたのだ。なのに、私は泊まらせてもらえない。何故?

シングルマザーで育てたと言っても、私は、ほぼお金さえ持って来れば良いみたいな父親の様な役目。。仕事ばかりで、まともに子育てしていない。

身の回りの世話は、母親役の姉。なので息子の上京時も、姉は半月ほど、息子の生活を整えるために、息子の家に泊まっていた。(母親役の姉は連泊できるのに父親役の私はだめ。・・・世の中の父親がいかに侘しい思いをしているのかが身に染みてわかる。)その姉が福岡に帰って来た際に、ひとり暮らしは無理そうときき、いてもたってもいられずに、バトンタッチのようなつもりで来たらこの扱い。

 今ならば、少し理解出来る様になった。子どもとの距離感だったり、子どもの特性だとか納得できるようになった。何よりも自立しようと頑張ろうとしてる最中に押しかけられたので嫌だったはず・・・)(せっかく自立する機会を奪ってしまう事になるとは思いもしなかった)

この時の東京は、えらく寒かった・・・

東京に全く興味がなかったので、TVでみてても、普通に知っているような地名も、うわの空で、覚える気が全くなかった。土地勘の無さに少し後悔。

息子には拒否られ、こんな知らない土地でひとりで何をしているんだろう。

しかも、息子が心配で出て来たつもりだが、本人は案外困ってはいなかった。

 いつも善かれとした行動が、まずい方向へ向かってしまう。

移動する気力もなく、このネカフェに泊まる事にした。

やっとこさで落ちつき、ふとテレビを見るとニュースで、ネットカフェ難民増加中!の文字

「最近はネットカフェに寝泊まりする中年が増加している。」との報道。。

ネットカフェ難民と言うのか〜

色んなどん底を味わって来たが、まだどん底があるのか

我ながら感心してしまう。底辺を生きているのか??

ニュースになる事をしているとは問題行動なのか??

・・・若者ではなく中年!って事が問題・・・

・・・元々、いつから社会で言う底辺を生きてきたんだろう。。

案外本人はめげずに生きてきているが、

周りから、「良く生きてこられたね。」と同情の言葉を言われる時がある。その言葉をきき、同情される人生なんだと客観視。

「最近は楽しそうね。」と言われる様になって来た。

案外楽しんでいる。

・・・しかし、狭い。パソコン含めて1畳あるのか?足を伸ばせて寝れない広さ。

その中で、必死に履歴書を手書きで書いていた。無駄な時間だった。1ヶ月、毎日、2、3時間使っていた。

エージェントの言われるがままにやっていた。(今では、指定がない限りパソコン打ちの履歴書を提出する。)これで落ちても良い!

狭くて、何度書いても間違う。修正液はダメだと言われるので、いつまでたっても完成しない。疲れた中でやっても無理だ。明日スタバでやろう。

全てにおいて要領が悪い。

よし!寝よう!

・・・しかし、臭い。。。足臭か。。。

そレでも我慢して寝ようとするが、隣のブースの薄い板の向こうのおじさんのイビキがうるさい。。。

隣のだけでなく、どこからかも聞こえる??

ほんとに迷惑なくらいの地響きがするいびき。

それによって、疲れているのに眠れない辛さ。

また、タバコのヤニも鼻につき臭い。

足は伸ばせず、薄っぺらい小さな毛布に体をちじこませる様にくるまり、なんとか寝ようとするが、また、いびきの連続。はじめは、ここに入るのも怖く、恐る恐る過ごしていた。

・・・しかし、次第に怖さよりも怒りが勝ち、しまいにはブースの壁を叩いてしまっていた。

人間、環境によってたくましくなる。


明日のネットカフェは、隣がおじさんじゃないブースにしようと心に決めた。


(息子が助けを求めていない事がわかり、自分の窮地を知った。貯金なんかあっという間に消えるもの。早く就職決めて、住むところも探さなければ・・・)

今後の家計の心配で頭が一杯だった。次男の私立大学費用は貯金と奨学金で賄うとしても、息子二人の仕送りと生活費は、私の出稼ぎの収入より算出しなければならない。貯金は、大学費用なので手を出したくないと思っていた。)

東京で最安値で泊まれる所は、ネットカフェとこの時までは思っていた。

5月、ゴールデンウィークと重なり、就活は休み明け。窮地だ。

よし!アルバイトを探そう!



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