エンディング事業のきっかけ
先日、事業スタートの案内をnoteに書きましたが、やった事の無いエンディング産業を行うにあたってのきっかけをお話したいと思います。
私は昭和52年生まれなのですが、祖父母が同居するいわゆる大家族で育っています。祖父が大正元年生まれだった事からそれなりに古い慣習に対して距離感が近い中で育ち同年代の中ではお寺や仏教、お墓に関する理解が深い方であったと認識しています。また古都奈良で生まれ育っている事も自然に影響を受けている可能性があります。
20代はハウスメーカーで営業を行い奈良県内で多くのお客様の注文住宅をプランニングし様々な家庭事情を観察する事が出来ました。割と田舎の大きな家を受注する事が多く、そういう家はだいたい本家なので風水や仏間の重みなどもお客様の話から肌で感じていたような気がします。特に地方では床の間や仏間のある和室は風水が良く日当たりも良い最高の場所に配置され、そこからプランニングが始まるような事例も少なく無かったからです。
これは極端な例ですが、鬼門、裏鬼門に水廻りを配置しない。東南に和室を配置(最も日当たりが良い)、仏間と床の間は東を指す。一昔前は居間よりも仏間を優先するような間取りも多くありました。
その後30代は住宅部材メーカーで企画、開発、営業を行う中で和室やそれに絡む部材の激減、製造メーカーの廃業や倒産を目の当たりにしました。もう○○建具店、○○表具店と書いてある軽トラックを見る事もほぼ無くなりました。住宅業界での仕事を20年間やってきましたが、生活様式の変化による日本の伝統文化である和室や仏間、床の間の絶滅を体験しました。
そして私の住むニュータウンは昭和50年代に造成されているのですが、私の親世代やもう少し上の世代の方が購入され住んでいます。しかし郊外なので利便性が悪く引っ越したり居住者が亡くなったりして空き家が急増しております。売らない、あるいは解体しない理由に「仏壇があるから」という話を聞きますが、子世代は都市部のマンションや和室の無い戸建てに住んでいるので置くところが無いんですね。こういった話は枚挙に暇が無く私の周囲の知人からも同様の事例が多く聞かれ、一様に皆さん頭の片隅に残ったまま手付かずの状態になっているケースが目立ちます。
お墓や仏壇は「代々受け継ぐもの」という概念がありますが、生活様式の変化、核家族化になった現代の事情を鑑みると従来型は既に破綻していると感じています。お墓や仏壇は宗教、御先祖、ばちが当たるなど、なかなか手を付けにくい課題でありますが、今後益々社会的な悩みの種になると感じ新しいサービスや概念が必要になると確信し事業を立ち上げた次第です。