【濃い顔シネマ】『IT THE END』はチャスティンさんの影映え顔で逆転ホームラン♪
とにかくピエロのペニーワイズが怖かった前作『IT』。
こどもたちの懐かし青春ムービー調のジュブナイル感も見ごこちがよくて魅了されたのですが。
正直、自分は続編を劇場に見に行きませんでした。
なぜかというとこの予告編にその理由があります。
シンプルな話、ペニーワイズを予告で出しすぎなんす、はい。
ペニーワイズの恐怖感というか狂気が軽~くなってしまったように見えて、「ああ、そういう続編ね」とたかをくくってしまいました。
とくにラストのあっかんべーは「もうギャグですか?」と。
ただですよ。
ここからが大切なところですが、ブルーレイで見ましたらめちゃんこ面白かったんです。
しかも自分のツボに入りまくりな痛快さでした。
あの予告編、もったいねー!ですよ、本当に。
さて、どんな部分でツボに入ったかをできるだけ凝縮して簡潔にお伝えします。
私は、濃い顔が好きです。
濃い顔が出てきてぐいぐいアップになっていったり、濃い顔が寂しそうな顔をしたり涙目をこらえたりしているのを見ると胸がきゅんきゅんしちゃうんです。
自分の眉毛が太くて顔が濃い口なもんですから、そこで勝手に共感をもって感動するんだと自認しております。
そう、あの予告編で隠されていたこの作品の魅力。それは、濃い顔大賞がペニーワイズじゃなく大人べバリー役のジェシカ=チャスティンだったんです。
もうカイザー=ソゼはあんただったのか!の境地ですよ。
本作で気づいたんですけど、チャスティンさん。
影ののり方が最高なんですよ。
リアル楳図かずお漫画なんです。本当に楳図先生の作品に出てきそうな目から鼻の影ラインがもうたまらない。
とくに影がばっちり決まるのがどう見てもこの世のものならぬ老女とチャスティンさんがお茶を飲むシーン。
老女に違和感を覚えるチャスティンさんがほぼ顔の影だけで芝居してくるんです。
スタッフの力量もさることながら、そんな顔の影だけで「えっ?」みたいな心境を表してくるチャスティンさんの顔面スキルがぱないぱ~ない。
このシーンの影顔だけで白めし3杯いけます、はい。
他にもいっぱい素晴らしいところがある作品でしたが、もうチャスティンさんの顔影だけ拾って見ていただくだけでも絶品なのでおすすめです。
前作で大人気となった子供たちもふんだんに出てきますし、あいかわらず子役べバリーのソフィア=リリスが輝きを放ってまして秀逸な続編に仕上がっています。
また、やりすぎペニーワイズが酷評されるパターンもあるようですが、「テリー=ギリアム作品やデヴィッド=クローネンバーグ作品のようなサイケデリックムービーだな」と解釈をかえて眺めるとめちゃめちゃ格好よいやりすぎシーンに感じるので、その見方をおすすめします。
ちなみに老女に違和感を覚えたチャスティン顔のイラストは4回描きなおしました。なかなかうまく描けず3チャスティンも失敗してしまいました。
4枚目もさほど似ていたわけではないので、ぜひ本物をブルーレイでご覧いただければとぞんじます。