#17 人生 x 映画を語る②
時に映画は1枚の栞のよう
人生を振り返る
きっかけをくれるアイテムになる
横道世之介
2013年公開 主演 高良健吾 吉高由里子
この映画の中にある愛は
ごくごくありふれた
どこにでも転がっている愛だ
友達だったり
恋人だったり
家族だったり
一緒にご飯を食べたり
どこかに出かけたり
悩んだり
同じ時間を共有した誰かのことを思い出す
映画の内容は見て欲しいから
あまり言わない
だからこの映画を見て振り返る
僕の昔の思い出を書くことにする
20歳の時
神奈川の新丸子駅という場所の
ドトールコーヒーで働いた
そこで生まれた場所も環境も違う
いろんな人に出会った
クルー同士で恋をしたり
夜中僕の家で騒いだり
こっそり抜け出して悪さをしたり
誰かの悩みを朝方まで聞いたり
人生の中で
青春と呼べる時間だった
その中で15歳離れた
後藤さんが1番の親友だった
いっぱい相談した
いっぱい彼の前で泣いた
いっぱい音楽を教えてもらった
いっぱい何でもない時間を共有した
地元に戻ると決めた時も
後藤さんがそばにいた
後藤さんはとにかく一生懸命だった
そしてみんなに愛される人だった
みんな後藤さんが好きで
僕はいつも後藤さんに憧れていた
どうやればそんなふうに
人に愛されるのかいつも思ってた
一度だけ
彼と喧嘩した
その優しさは
時に八方美人だった
つまらない正義感で
僕は働いている最中に
彼に抗議した
その時初めて
胸ぐらを掴まれて
こっち来い💢
バックグランドに連れ出された
でも怒りはその一瞬だけだった
後藤さんはすぐに冷静になって
僕にきちんと話し合おうと言ってくれた
後藤さんを思い出すと
いつも笑顔の顔がある
映画「横道世之介」に出てくる
主人公 横道世之介は
僕の中の後藤さんだ
いいやつで
憎めなくて
笑っていて
そばにいるのが当たり前だった
また今度会おうな
そう言ってからもう10年以上なる
あれからどうしているだろう
当時はSNSもなかったから
今何してるかはわからない
お別れしてから3年くらい経った時に
1度電話があった
その頃ちょうど地元に新しい仲間ができて
何かを始めていた時期だったと思う
じっくり話すこともなく
彼女はどうだぁ?
みたいな近況報告を軽く交わした
それからだってもう7年以上
僕は胸をはって彼に会いにいけなかった
会えばなんてことないのに
きっと
そうやっていつも後悔してきた
…
結局は何も変わってないのかも知れない
それでも今めちゃくちゃいろんなことをやっている
自分の時間は全て勉強に注いでいる
そして
笑顔の練習をしてる
映画の話に戻ろう
30歳をすぎたあなたへ
ぜひ横道世之介を見てもらいたい
同じ時間を共に過ごした
あいつのことを思い出す
人と人とを結びつける
繋がりの糸が切れてしまえば
僕らはいつの間にか疎遠になる
そのことに慣れてしまう
誰かに会いたいと思われること
誰かに会いたいと思うこと
誰かがあなたを思い出した時
あなたは誰かに微笑んでいますか?
あなたは誰かにとっての
横道世之介ですか?
最後に
僕は病室のシーンで
世之助が祥子へ言った言葉で
一番熱くなりました。
もしこの映画を見る機会があったら
あなたが好きなシーンをぜひ
僕に教えてください