自作脚本『おめー汚名汚謎』
!注意!
下らないし下品なので苦手な方は即ご退場ください。
『こんな舞台考えんな』
作 小西里
男性がズボンをおろして(別におろさなくても全く問題はない)便器に座っている。
男性「やあ、みんな。こんな状態で挨拶してすまない。みんなは僕がどうしてこの格好でここにいるか分からないかもしれない。僕も何でこんな状態なのにみんなが目の前にいるのか、全く分からない。みんな、どうしてここに?ここ、トイレだよ?トイレ……急に広くなったな。どういうこと?うん、さっぱり分からない。おっとまずいまずい。いや、大丈夫かな。ちゃんと隠してあるから。パンツすらみんなには見えてないでしょ?まあ正直汗びっしょりかいてるよ。緊張と恥ずかしさで。背中がびしゃびしゃで気持ち悪いもん。ああ、ごめんね。これを見せられてるみんなの方が気持ち悪くなってるね。僕の背中の不快感なんて比じゃいもんね。本当にごめんね。でも僕もここから立ち去ることは出来ないんだ。立ったら全部見えちゃうでしょ?そういうことだよ。いや、本当はね、汚い話で申し訳ないんだけど、ああ、もう汚い話とか言っていられる場合じゃないね、最初から汚かったね。あのー、僕、今お腹痛いの。ねえ、今の僕、ちゃんと笑えてる?ひきつってない?大丈夫?痛みは結構引いた気がするんだけど、それでも時々一気に痛くなるし、さっきからお腹がぎゅるぎゅる鳴ってんの。怖いよね。それで寝室とトイレを行ったり来たりもしてたけど、ちょっと今はトイレで待機してるの。でもなあ、みんなと会うなら寝室に行っておけば良かったよ。それに知ってんだ。便座に座りすぎると痔になりやすいってこと。正直長居は良くない。だから痛みが収まっている今、一回外に出たいんだ。でもここで立ったら僕は社会的にアウトになってしまう。世界を敵に回してでも、痔にならないようにするか。痔になってでも、世界に従順であるか。とても重い問題だよね。答えが……。ううーん、僕は一体どうすれば。ねえみんな、目を閉じておいてくれないかな?僕が立ってトイレの水を流して便器に蓋をするからさ。そこまで目を閉じておいてよ。ごめんなさい。お願いします。僕が、いいよ、って言うまで目を閉じておいてね。じゃあ、目を閉じてください。」
暗転
男性「いいですよ、目を開けて」
明転
男性「本当にお目汚しをしてしまい、大変申し訳ありませんでした。まさかトイレに篭っただけでこんなことに生るとは。みんなとは、もっと違うところで会いたかったよ。みんなはもう、僕みたいなやつとは会いたくないかもしれないけどさ。ただの変態ハライタヤローになっちゃって。僕はどうすれば汚名返上できるかな?名誉挽回したいよ。いつかチャンスがあれば、そのときは、せめて腹痛から解放されていますように、というか、トイレで会いませんように。今日は本当にごめんなさい。みんな、お腹は冷やさないようにね。食べ物も気を付けるんだよ。じゃあ」
男性のお腹が鳴る
男性「あ、ちょ、みんな、はやく、はやく去るんだ、ここから。もう、はやく、去ってくれ、頼む。僕が、耐えている、今のうちに、はやく、行け!」
暗転
明転したときには、すでに便器はなく、別の舞台が広がっている。
男性がやってくる。
男性「やあ、みんな。この間は悪かったね。今日は体調万全だし、隠さなきゃいけないものもないから安心して。ここはどこかって?そりゃあもちろん、汚名返上するための、次の舞台だよ。」