これから始まる悲劇について、あるいは『君のベストライフ』の感想、考察について

こんばんは、うぃりーです。
遅くなりましたが、amazarashiさんの新曲『君のベストライフ』について、語りたいと思います。
まずはこちらをご覧ください。



amazarashiはじめました

これを最初に見て聞いて頭に浮かんだ言葉は「amazarashiはじめました」でした。何だそれ。冷やし中華はじめましたかよ。でも一番最初に思ったのは「amazarashiはじめました」です。「すみません、amazarashi一つ」「あいよっ」よっ!待ってました!いやあ、これだよこれ、amazarashiはこれなんだよ。この味この味!って感じでした。つまり、季節ものの食べ物が今年もやってきた、そんな心地です。うめえ、うめえ。


パーフェクショニズムって言ってみたい人生

最初らへんに「海洋にとってのウィルス」という歌詞が出てきて、まさか、海洋生命か?あの青年は海洋生命か?海洋生命って言葉の羅列で言葉と言葉がつながっていない部分がある曲なのですが、てか大体つながっていないのですが、この曲を聴く限り海洋のウィルスによって惑星は壊死したのでは?なんてことを考えました。

「僕は大嫌い」と言われまくるこの曲ですが、何が嫌いかというと、「君のベストライフ」が嫌いなわけですよ。普通君のベストライフは嫌いにならんやろ。あれか?「ありがとうありがとう大嫌いだよ美しき思い出」と歌ったときから美しいものに対して嫌悪感でも示してるのか?表面上の美しさは嫌いなんだろうなあ。「美しき思い出」の方は少年少女でも「思い出なんていらねえよ」と歌っているくらいなので、思い出は嫌いだろうな。そして表面的な美しさを持つ思い出はもっと嫌いだろうな。さらに自分の思い出だけでなく君のベストライフもぱっと見(表面的に)美しく見えるから嫌いなんだろうな。

「分からないよ生き方 だから決めた死に方」ってまじでたまんないっすわ。こういう言い回しが好きなんだよ。私はこれを待っていた気がします。うめえ、うめえ。しらふの「自分以外みんな死ねってのはもう死にてえってのと同義だ」もそうですが、言い換えが堪らないんですわ。こっちは生き方すら分からなくなっているのに、隣でベストライフ繰り広げられていたら大嫌いになりますわ。

「青空に染みついた一点の汚れのせいでこの世を愛せなくなったパーフェクショニズムの後遺症」……好き。もう好き。パーフェクショニズムなんて言葉知らなかったわ。言ってみてえ。どこで使うんだよ。確かにベストライフを送っている人にも汚れはあるだろうし、その汚れのせいで君のベストライフは愛せなくなったのではないでしょうか。ハルルソラで高らかに「青空が今日も綺麗です」って歌っていたのに……綺麗な中に汚い何かがあって、それを見た瞬間に今まで好きだったものが嫌いになる。好きな人にはすべて綺麗であってほしい、綺麗なものはずっと綺麗であってほしいというパーフェクショニズムという名のエゴの押しつけは、現代社会にも適用するかなと思います。つねにアイドルを追い求め、スキャンダルが発覚したら糾弾し、愛せなくなる、そんな世の中になってしまいました。


新言語秩序と関連するとかまじですか?

PVの一番最初に「LIVING DEAD LOGOS」という言葉が出てきます。リビングデッドといえば新言語秩序のテーマソングのようなものです。独白はエンディングね。新言語秩序とは、言葉が規制される世界で、綺麗な言葉のみを良しとする新言語秩序という組織や考え方のことを言います。amazarashi界隈で。そして新言語秩序に反し、汚い言葉を使い続ける人は言葉ゾンビと呼ばれます。言葉ゾンビは新言語秩序にとっては悪なので、言葉ゾンビは見つかり次第捕縛されて再教育(拷問)されます。何というディストピア。
新言語秩序は英語で「NEW LOGOS ORDER」。「LIVING DEAD LOGOS」は直訳すると「生きながらに死んでいる言語」。新しい言語から死にかけているようです。
新言語秩序の小説には言葉ゾンビの希明と新言語秩序の実多という登場人物が出てきます。しかしMVで出てくるのは希亜。何故?希望の明るさと書いて希明なはずなのに、希望の亜種と書いて希亜になるの何故?てか誰?俺たちの希明は?


あの男誰よ!!

君のベストライフのジャケットは目だけ隠されている笑顔の男性なのですが、髪型とか色味とかがどうも……虚無病のヒカルっぽいんですよね。ヒカルは誰かと言いますと、私が笑顔にしたいキャラランキング上位のキャラです。虚無病の登場人物です。

ヒカルは青い短髪に青い服、君のベストライフの男性も同じような感じ。ピアスが違うから、別人かもしれないんですけど、もしもヒカルだったらどうなっちゃうの私〜💦
それよりも虚無病と新言語秩序がつながっていたらまじでどうなるんでしょうか。虚無病の感染経路は不明だが、どうやら言葉を媒介として感染するらしいとされています。言葉を媒介にするなら、言葉を規制する必要がある。そして新言語秩序が生まれた?新言語秩序が殺したい言葉はどれも汚い言葉なのですが、虚無病の感染経路は汚い言葉?

新言語秩序によって「今日も爽やかな朝!感謝!」「今日もとても有意義な仕事をした!」「今日も幸せな一日だった!おやすみなさい!」みたいな言葉しか発することが出来なくなった人は、一見するとベストライフを送っている。だが言葉は人に殺すことが出来ないから、ベストライフの陰に隠れるほの暗さが誰にだってある。どうせ皆加害者だし元は敗者。一見するとベストライフでパーフェクトな生活をしている人の汚れを見て大嫌いになるのは誰?そもそも「僕は大嫌い」の「僕」は誰?もしも「僕」がヒカルだとして、ヒカルが大嫌いなものは虚無病、そして虚無病の感染経路が言葉、特に汚い言葉だとしたら?
ヒカルは虚無病撲滅のため新言語秩序に身を置いていて、言葉を殺す側の存在で、皆にベストライフを送ってほしいと願っている。しかし完璧なベストライフは存在し得ない。だから大嫌い。全部大嫌い。まずい、つじつまが合い始めてしまった。やめよう。つじつま合わせに生まれた僕らになってしまう。

はー、気になる。横浜アリーナ席当たるかなあ?

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