【詩のようなもの】なつかしさ

コインランドリー付きの銭湯
衣更えの服を洗濯している間
「そこで待っていても良いですか」
銭湯の、ロビーと呼べば良いのか
ソファがちょっとと、テレビが一台
小さい休憩所を指差しながら
おばあさんの番頭にしどろもどろになりながら尋ねた
許可を得てもなお遠慮がちにソファに座りテレビを見始めた私に
「引っ越してきたの?」
と番頭は聞いた
違うと答えた
ここは地元である
地元でも、馴染みのない場所である
たまに銭湯に入っていく人
銭湯から出てくる人が通った
コインランドリーの乾燥は30分
スマートフォンを弄ってみても面白くはない
テレビでは亡くなった女優の人生の特集
演技が上手い人だと思った
馴染みはなかった
それでも、落ち着く場所である

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