急所について仮説改:リモートで職場仲間の会話を止めろ。
追記2021-01-20:この仮説にしたがえば、人出の多寡と感染者数はリンクしないし、八割おじさんのシミュレーションも現実とは一致しない。今でも多くの人が電車内で鼻までマスクで覆って無言で過ごしているから適切な外出行動をとっており問題はないが、時折、車内のおしゃべりがとまらない大人がいる。どうも彼らは会社仲間のようだ。会社仲間は関係維持のためにテンション高めの会話をしたがるようで、飛沫感染上ハイリスク。彼らの会話を止めるためにはリモート推進が必須。会食というより職場関係の会話が急所ではないか。
コロナ禍で僕は学んだことは、政府や自治体、そしてメディア、さらに専門家たちが、使えない人たちばかりだということ。
「飲食業を犠牲にして僕らだけ生き残るなんて。」で書いたが、ランチまで自粛を呼びかけるのに、ランチの補償はない。これは飲食業に潰れろと言うに等しく、つまりそれは、
コロナ克服という国民全体の利益のために、飲食業という一部の国民を犠牲にする、全体のために一部が犠牲になってもかまわないという発想だ。政府・行政はすべての国民、すべての市民を幸せにする気がないらしい。戦時中に若者を特攻で犠牲にして生き残った大人と同じ発想だ。そんな馬鹿なことがあるか。僕らは誰かが犠牲になって達成される幸せで納得できるのか。納得できない。みんなで生き残るんだ。政府・行政は、昼間の人出も抑えたいなら、飲食業に対しその分の補償も充分に行うべきだ。それができないのなら、昼間の人出を抑制すべきではない。コロナ感染抑止の肝は人出の抑制ではなく接触回数の抑制だ。ランチ自粛ではなくランチ会食の自粛だ。一人でのランチ、同居家族とのランチは感染リスクは少ないから、むしろ積極的に奨励すべきだ。何が良くて何が駄目か、そんな基本的なアナウンスすらも政府・行政はろくにせず、ただ外出は控えろと、お前らこの一年いったい何を学習してきたのだ。ひょっとして、政府・行政のお偉いさんはランチはみんなで食べるものと勘違いしてるのか。永田町ランチはそうなのか。永田町界隈はそんなランチでいまだに賑わってるのか。僕らは違う。お前らと違ってすでに感染リスクの低い外食のとり方を知っている。
と書いた。さらに、
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、不要不急の外出を避け、マスクの着用と手洗い、うがいなど感染防止対策の徹底をお願いいたします。
という防災行政無線放送を繰り返す市役所に、以下のメールを送った。
不要不急の外出を避けるということは、外食も避けるということですね。夜8時以降はもとより、終日外食をするなということは、飲食業者は潰れても良いということですね。飲食業者は市が守るべき市民ではないということですね。市は、行政は、守るべき市民とそうではない市民を区別し、飲食業者のような守るべきではない市民は切り捨てる考えなのですね。それが行政のやることでしょうか。
問題なのは、不要不急の外出自粛を呼びかける側の自覚と責任が欠けていることだ。いまの状況下でもし実際にロックダウン並みの外出抑制、東京都の小池知事が求める徹底的な人流抑制が現出したら、どれほどの悲劇も同時に現出するか。飲食店には一人も客が来ないから、休業したほうがマシだ。でも休業補償はしない。皆潰れる。ということを当然わかったうえで呼びかけているようには思えない。つまり小池は徹底的な人流抑制を求めておきながら、それが現出するとは思っていない。呼びかけが届かない、少なくとも徹底的な人流抑制が実現する程までに届くとは思っていない。私は正しく呼びかけました、従わなかったのはあなた達ですと、呼びかけられた市民側に責任を押しつけて、自分は正義の味方ぶるつもりなのだ行政の連中は。
さて。僕ら国民市民はこの一年間、いろんなことを学んできた。新型コロナウィルスの感染拡大を抑えるために、生活するうえで何をしたらいいのか、何をしたらいけないのか。多くの国民市民は、そのノウハウを会得し、それに従って日々生活を営んでいるはずだ。マスクをする(鼻は出さない)、手を洗う、消毒をする。外食はひとり、もしくは同居家族の少人数で、会話は少なめ、声は小さめで、お店の滞在時間は短めに。電車の中では会話はしない。等々。
にもかかわらず、感染者数は増えている。それをどう理解したらいいのか。そこで思い出したのは、最初の頃に発生した買い占め騒動だ。たしかあれは、たくさんの人がいっせいに行動した結果ではなく、ごく一部の人がいつもと違う行動をとったことで起こったことだったと思う。といった事実を援用して仮説を立ててみた。いま、多くの人は外出の際に正しい行動をとっているが、ごく一部の人がコロナ対策上、不適切な行動をとっている。それが現在の感染拡大状況を招いている。どうだろうか。
体感上、ぼくは昨年12月に電車に乗っていて、これはヤバいと思った。一度目の緊急事態宣言以来、電車の中はずっと静かだった。話し声がほとんど聞こえなかった。だからぼくは音楽を聴く必要がなかったのが、12月は騒がしくてイヤホンを耳につけて音楽を聴いて電車に乗っていた。多くの乗客がこれまで通りじっと静かにしていたが、ごく一部の乗客がべらべらと話し始めたのだ。緊急事態宣言で、また話し声は消えた。
つまり、多くの人々の外出習慣はずっと変わらないのに、ごく一部の人の外出習慣が「浮かれた」ことにより、いまの感染拡大の事態を招いているのではないか。理論的には、それらの人びとが全員コロナに感染すれば、感染拡大は止まるはずだ。が、未感染もしくは無自覚で、「浮かれた」人はおそらくまだ大勢いるから、全員感染を待っていたらかなりヤバいことになる。
感染防止の急所とは、彼らごく一部の、外出の際に感染防止対策が不充分な人たちを黙らせること、なのではないか。飲食店での飛沫感染リスクをゼロにする。それは外食自粛とイコールではない。飲食店が営業を続け、飲食業に携わる人の雇用を守りながら、飛沫感染リスクをゼロにすることは可能なはずだ。
行政も、保身目的のアナウンスを繰り返す無駄な行為は即やめて、ほんとうに実効性のある対策を徹底的に行ってもらいたい。
と思ってたら、ぼくは時々ランチを食べる、埼玉県ときがわ町のイタリア式食堂 イルチエロさんの感染対策呼びかけが素晴らしかったので以下引用。
引き続き感染予防を心がけ、衛生管理体制を整えながら営業いたします。積極的なお声かけは控えさせていだきます。また、接客応対は最小限にとどめさせていただきます。
可能な限りこれまで通りのかたちでお食事していただけますよう、お客様におかれましても、以下、ご協力お願い申し上げます。
※入店の際に手洗いまたはアルコール消毒をお願いいたします。
※長時間のご利用はお控えください。
(1時間以内を目安にご利用ください)
※同居家族以外の5名様以上のご利用はできかねます。ランチタイム、ディナータイムともに7名様以上のご利用はできません。
※お客様の安全を確保するため、また、出来るだけ多くの方にご利用いただけますよう、ご利用人数に関わらず可能な限りご予約ください。
※体調に不安のある方および咳やくしゃみの症状がある方もご利用をお控えください。また、10歳以下のお子様連れの方もご利用をお控えください。
※同居家族以外の方と会食される場合は十分な体調管理の元、マスクの着用等、感染対策を取った上、会話は控え目にご利用ください。お料理を取り分けて、召し上がることも、お控えください。
※席の間隔を十分に確保できるよう、入店を制限する場合もございます。
※換気のため常に窓を開けて営業いたしております。その為、空調が効きづらくなっております。ご了承ください。
※ご予約はお電話にてお願いいたします。
店主の矜持を感じさせる営業案内と感じた。ここまでしっかり考え抜いたお店で食事をとることに、果して感染リスクはあるのか。ゼロではないかもしれないが、それは極めて低い。
行政の長も、これぐらいは考え抜いた末にアナウンスをしてもらいたいし、感染対策を進めてもらいたい。メディア(とくにテレビニュースと新聞)も、自己保身と言い訳ばかりの報道を止め、考え抜いた末に報道をしてもらいたい。
追記:つまり、すべての人の流れを抑制する対策は効果的ではない。抑制すべきは一部の人の不適切な外出行動。すべての人の流れを抑制しようとしてもロックダウンではないから必ず抜けができるし、不適切な外出行動はすり抜けてしまうはず。すべての人の流れを抑制しようとして、抑制できるのは適切な外出行動の人ばかりなので、結局行動抑制の意味がない。
さらに追記は冒頭に。