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16.土御門教授語録 ≪人生を楽しむって?≫

悠斗君は、
生きる上で、『楽しむ』が無ければなんかツマラナイような気がしていました、でも、『楽しむ』とは一体どういうことなんだろうと、気になり、
またまた、
風変わりな、幸福人文学の権威、土御門(つちみかど)先生に聞いてみたくなりました。
 
先生、『人生は楽しむため』と言われていますが、人それぞれに『楽しむ』と言うことは違うと思いますが、具体的に『楽しむ』は、どう考えればいいんでしょうか、
単刀直入に切り出しました。
先生は、悠斗君の顔をまじまじと見ていましたが、暫し、沈黙、
そして、少ししてから、口を開きました。
 
『楽しむ』と言うことの説明は難しいんじゃがのぉー、
君は楽しいと思ったことはないかね?と、逆に質問されました。
そりゃぁ、有ります、好きな歌手のコンサートのチケットを買いに行く時とか、ギターが上手く弾けそうになった時とか、美味しいものを食べに行く時とか。
うーん、そうだよなぁ、
その時って、心がウキウキ、ワクワクって、いう感じだよなぁ。
そういう気持ちの、ウキウキ、ワクワク、ルンルン感だと思うなぁ
 
君はサウナは好きかね?
サウナ好きがサウナに入ると身体の免疫力のNK細胞活性が五倍になり、サウナ嫌いがサウナに入ると、逆に五分の一に低減してしまうという、そういう話を知っているかね。まさにそれと同じと考えて良いじゃろなぁ。
大好きなことをすると、勝手に幸せホルモンなどが分泌され、免疫細胞も勝手に、顆粒球が減少して活性酸素の生成が抑えられるんじゃ。人間の身体は不思議なんじゃヨ。
 
『まぁ、そんなことはさておいて、『楽しい』とは何ぞやだったなぁ、困ったなぁ、じゃあ、具体例を挙げるとしようか。ただし、言っとくが、『楽しむ』は、みんなと一緒に、とか、人に迷惑を掛けないということが大前提なんじゃ。軽口とかイジメとか、人を対象に『楽しむ』ことは、全て犯罪じゃ、悪じゃ。
自然界の摂理に反するからじゃ。それははっきりさせとかにゃなぁ。
 
さて、『楽しむ』とはどういうことか、じゃな。
 
まぁ、若い頃の『楽しい』と退職老人の『楽しい』は全く別物と言って良いかも知れんのぉー。若い頃はスポーツやカラオケ、麻雀などの娯楽、テレビゲームやスポーツ観戦、コンサート鑑賞等、種々様々じゃろー?それで良いんだがのーぉ。自分が楽しいと思えばなんだって良いんじゃ。
年を取って、還暦近くでは、あちこちに旅行に行くことが『楽しい』かもなぁ。もっと高齢になると、目や耳が少し不自由になって、身体も動きにくくなくなって、『楽しい』は、たとえば人とゆっくりと会話できるだけで、充分かもしれんしのーぉ、ホッホッホッホー。
 
 
しかしじゃ、違う方面から考えてみると、人は人の中で、人と共に一緒に生きているんじゃ。ならば、人のために人の喜んでくれることを『楽しむ』ことをやりたい、と思うのも自然なこと、そういう方が、大自然の摂理に叶った、もっとも良い生き方に近いかも知れんのーぉ。
人間は不思議な生き物じゃ、社会的動物と言われとる。つまり、誰かのために生き、誰かと一緒に笑い合うという生き方ができて、それで自分も楽しくなるという動物でもあるんじゃよ。
 
 
それとはまた別に、違う『楽しい』もあると言われとる。人には五感というもの、つまり、視覚、聴覚、嗅覚、味覚などが、あるじゃろ。
この五感は曲者でナァ、原始の昔から、これらは人間の身体に良い悪いを教えてくれると言われとるんじゃ。
 
まず、視覚、これは、美しいものやかわいい赤ちゃんなどを見ると、人は心が和むようにできているんじゃ。君も少しくらいは経験があるじゃろ。
聴覚もまた、自然のせせらぎや森の小鳥の無き声、若しくはクラシック音楽やジャズなど聞いているだけで心が癒されるという人が大勢いるじゃろ。
嗅覚、これも同じじゃ。現代人は匂いはクサイという方には敏感じゃが、本当はいい匂いにも人は引き付けられるんじゃ。香道というものがあり、香りを聞く人々が居るのを知っているじゃろ。心身共が癒されると言われている。
 
そして味覚、これだけは、現代人の大きな誤りでもるんじゃがのぉー。
人は甘いものや脂肪の多いものが美味しいという感覚が身に着いて、結果、過剰に摂取し過ぎて、身体に不調を来たす人も多くなってしまっているんじゃ。まぁ、人類にそういう甘味なものが、手に入りにくかった時代があって、本能的にそういうものを求め続けた結果とも言われているんじゃが。それと人類は太古の昔から粗食には耐えられるが、過食にはあまり対応できない身体になっとるんじゃがのぉー。
 
余談じゃが、現代人の食事の指標の一つは満腹感かも知れんが、満腹は既に大幅に過食なんじゃよ。食い過ぎはイカン!病気の多くは過食、偏食が原因とも言われている、まぁ、食は腹八分目にして、本来の味わい、美味しさを、追求するという『楽しさ』もあるんじゃがのォー。まぁ、本来の食材の持つえぐみや塩味、コーヒーの苦味などじゃなぁ
 
人類は、これらの知覚センサーを研ぎ澄まして、身体に良いものを、と同時に、自分も『楽しみ』ながら暮らすことが、人としての喜び、楽しみでもあるような気がするんじゃがのぉー。因みに、五感で気持ち良く、心地良く感じる時は、多くの幸せホルモンも分泌され、身体にも良いんじゃ。
 
 
『楽しむ』は、脳を活性化させ、心身に良いだけでなく、人間の持つトンデモナイ能力を生み出すことも有るんじゃよ。知られざる人間の秘密の能力のひとつじゃ。
『楽しむ』は、心を開けっ広げにして、気分はルンルン、そして自ら自発的に外に向かってゆく感情でもあり、周囲の人をも楽しくしてしまうんじゃヨ。
 
逆に、ストレスを溜め込む人は、この『楽しむ』と言うことがほとんど無いんじゃ、自発的に『楽しむ』行動を起こし、まぁ、実際に『楽しめ』れば、ストレスも発散してしまう気がするがのぉ。
 
 
悠斗君は、楽しむとは人生を生きること、その楽しみの中に本当の人生があるような気がしてきました。でも、楽しむ一つが、こんなに深いものとは思ってもみませんでした。楽しむは、自分の人生を左右する最重要なものとさえ思えてきました。
 
先生、有難うございましたと、一言お礼を述べてから、帰途に就きました。
でも、なんか、分かりそうな、でも本当はよく分かっていない、そんな気もしないではない悠斗君でした。
折角の二度と無い人生、仲良く楽しく幸せに生きましょう(H/P 書窓けやき通り)

#幸せエッセイ

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