令和六年 四月
玉箒
ある日、私が箒で何かを掃いている夢をみた。
玉がついていた。
箒…💭
と思いながら、朝の通勤ルートを歩くと
桜の開花時期で、大きな桜の木があるマンションの前で
管理人さんが竹箒を持ち、小気味よくザッザッと
花びらを集めている。
その音と、花びらを集める様子が記憶に残っていた。
と、仕事中、タクシーのレシートが目の前に現れ
『箒タクシー』と書いてある…。
いよいよ、おかしいぞ。
という気持ちになり、夢でみた箒について
調べはじめた。
箒の名前が浮かばなかったのだが、それは玉箒だった。正倉院には上向きに飾る、ガラス玉のついた玉箒があるようだ。
そして、伊勢神宮には、屋乃波比伎神という箒の神さまがいらっしゃるとの記事をアップされていた箒屋さんが見つかった。
なるほど、神宮農業館にも玉箒があるようで
おかげ横丁が出されているすばらしい記事があった。
蚕室を掃くという儀式、なんてうつくしく尊いのだろう。
しかし、何故私が玉箒を持っていたのか…。
神宮の箒の神さまについて書かれていた箒屋さんに行けば、玉箒について何か分かるやもしれない。
箒も買いたい。
場所をみたら遠方とはいえ、都内だったので
行けない距離ではなく、早速、休日に行くことにした。
箒屋さんでの出来事
ドキドキしながら箒屋さんへ向かった。
引き戸をあけると、おびただしい数の箒が並んでいて
奥から、店主が現れた。
夢で玉箒をみて来ました。
箒が欲しくて。
と言うと
店主が、たくさんのことを教えて下さった。
箒はね。
ただの掃除の道具ではなくて
神下ろしの儀式に使うんですよ。
え😮
逆さに置いて
光を集めて下ろすんです。
月の光とか。
え😮
沖縄にあるビロウの木なんかもそうでね。
これは、ユタの人とかが使う扇です。
とクバ扇を見せて下さった。
(話ながらは気づいていなかったが、漢字の「生」そのもの。上から光を集め下ろす。下から水を集め上げる。合わさる部分が生の字の真ん中の部分で、そこに生命が生まれる。むすひ。)
私は、上賀茂神社で、玉箒草と根引松を献げるお祭りが気になっていて、松が男性で玉箒は女性ということでしょうか?とお話してみると
そういうお祭りがあるんですね。
なるほど。それは、男性と女性ですね。
という話に。
豊玉姫の出産の時、初めて古事記に箒が登場するんですよ。とのことで、
あ。玉依姫のお姉さん💭
伊勢神宮の屋乃波比伎神の記事を拝見したことをお伝えし
よく参拝するのですが場所は何処にいらっしゃるのですか?
とお尋ねしたら、内宮です🙂とのこと。
そして、神社にお祀りされている神さまについても
教えて下さった。
古くからいらっしゃるその土地の神さまは
あらたな神がその地に降り立つと、隅や端に移されてしまう。それが国譲りで、現代においても戦争などはそうなる。
神社にある摂社や末社には古くからその地にいらっしゃる神さまがお祀りされていることが多いのです。とのこと。
とても感慨深かった。
店主は、古いおうちで丁寧に祀られている箒や
その地域、家ごとの風習に沿って編まれた箒をみて
研究をするのがお好きだそうで
非売品の大切にされている箒も見せて下さった。
ここでは元々箒の卸業を営んでいたが
既製品だけを売ることがつまらなくなってしまい
古い箒を手に入れては、編み方を研究したり
色々な形、大きさの箒を作ってみたり
閑散期に創作活動をされているとのこと。
一点ものの箒は、木が少し曲がっていたり
その方にフィットする長さだったり
箒を持って飛行機に乗る方のための短い箒だったり
色々な箒がある。
私は、羽のように軽いエレガントな箒が気になり
コレは…。と尋ねると
店主は、ニッコリ笑って
それは、腱鞘炎のピアニストのための箒です。
と仰った!
とにかく、たくさんあるので
手にとって色々掃いてみて下さい。
最長3時間掃き続けた人もいるので、途中で休憩できるように椅子も置いてあります。
疲れたら、ゆっくり座って休んで下さいね。
とのこと。
つながるご縁と幸運
白山から戻ってきてから
ちょっとおかしなくらい、色々なことが起きた。
信じられないような雲上の尊敬する方々からご連絡をいただいたり、何かの懸賞が複数当たったり、諦めていたものがポンと手に入ったり、数年越しの遠方の友だちからの連絡だったり
次から次へと
どんどんやってきた。
夢では、着物姿の女の子が数人円になり
板?のようなものを持って、玉を上にあげる。
羽子板と蹴鞠の間?のような夢をみた。
蹴鞠と一緒で
争うのではなく、より長く上に上げるため
落とさないように、続けていく。
襖がひらく
ある日、すーーーっと
大きな襖が目の前でひらいていく夢をみた。
人は誰もおらず
ただただうつくしかった。