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Georgia Tech (ジョージア工科大)のOMSCS/MSCS合格へ


背景

ソフトウェアエンジニアのアメリカ就職体験記(前編)ソフトウェアエンジニアのアメリカ就職体験記(後編)ではアメリカでの就職体験を記載しました。学生ビザでアメリカ就職したので、じゃどの大学にどうやって合格したのをこの記事にて詳細記載します。

モチベーションと選択

日本でソフトウェアエンジニアをしている私は、もともと別分野の専門でした。紆余曲折ありやっとソフトウェアエンジニアに辿り着きましたが、情報系バックグランドがない私は、やはりシステムはどうやって動いるかわからないままコーディングし、実際の仕事ではそこまで求められないですが、やはり自分にとって、コンピューターアーキテクチャ、OS的な知識が足りなく、勉強したいというのはずっとありました。そして独学でTeach yourself Computer Scienceで何個か授業をとったものの、ちゃんと網羅的に学びたい気持ちがあり、コースを探していました。

  • 国内大学院進学

  • 海外大学院進学

  • オンライン大学院進学

当時考えられる選択肢は三つありました。自分は研究が目的ではなく、あくまでより良いソフトウェアエンジニアになる、もしくはより給与が高いポジションにつくのが目的なので、まず国内大学院進学という選択肢を外しました。進学しても結局日本で働くし、オンラインに比べて働けない分コストも高いです。海外進学の場合は、ソフトウェアエンジニアが一番重宝されるアメリカに行く一択ですが、学費と生活費がバカにならないので、オンライン大学院進学にしました。

また、自分の中では、せっかく大学院に行くなら、名門校の方が良いとの考え方がありました。参考までにBest Computer Science Schools in USAを載せます。自分が出願した大学院は全部Top10に入ります。今振り返れば、就活はほぼ日本の経験で戦っていたので大学院はそこまで関係ないかもしれないです。(Linkedinで同じ大学院だからConnectしやすいのは確かです)。

  1. Carnegie Mellon University

  2. MIT

  3. Stanford

  4. UC Berkeley

  5. UIUC

  6. Cornell

  7. Georgia Tech

  8. UT Austin

  9. University of Washington

  10. Princeton / University of Michigan

オンライン大学院CSコースといえば、当時割と有名なコースはいくつかありました。どちらもアメリカの名門校ですが、Penn U MCITはどちらといえばソフトウェアエンジニア全くない人むけのコースで候補から外しました。他の3校に対して応募をしました。ご覧のように、Georgia Techの方が断然コスパが良いのとコースの幅があるので、当時からNo.1候補としていました。また、通常のOn CampusプログラムのAcceptance Rateに比べ、Onlineプログラムの方が入りやすいと言われています。OMSCSでは70%~85%のAcceptance Rateがあります。

また、経験者によると、Georgia TechのOMSCSプログラムでは、On Campusに編入もできる、他の2校はだめとの情報もあり、もしかしたらOn Campusに行くのも念頭におきました。Onlineである程度授業をとって、On Campusで残りをとれば学費&生活費節約もできるし、アメリカ就職できるビザの発行もできるからかなりのお得だと思っていました。

(以下情報は全部2025年の場合)

  • Georgia Tech OMSCS

    • 学費:$195 per hour * 30 hour (ほぼ10 course) = 約6000ドル。

    • 受講できるコース:約70あり、6つのTrack(Computer System, Machine Learningなど)。自分応募当時は4つありました。

    • ほか:10年間で10000以上の卒業生。この中では一番安い&人気で、ネット情報も豊富でした。

  • UIUC Online Master of Computer Science

    • 学費:$754 per credit hour * 32 hour = 約 24128ドル

    • 受講できるコース:約30。

  • UT Austin Computer & Data Science Online

    • 学費:$10000 for 10 courses.

    • 受講できるコース:約18。

  • Penn U MCIT Online

タイムライン

自分は割と準備に時間を割けている方だと思いますが、以下のタイムラインが参考になれば嬉しいです。2023年開始のコースで、2022年8月出願、2021後半英語を準備し始めている感じです。

  • 2021年後半〜2022年4月

    • TOEFL準備と受験

  • 2022年4月〜2022年7月

    • 文書準備(SoP、Transcriptなど)

    • 推薦書

    • コース受講 (With certificate)

      • Accelerated Computer Science Fundamentals Specialization (Data structure)

      • Build a Modern Computer from First Principles

      • Probability and Statistics: To p or not to p?

    • コース受講 (Without certificate)

      • CS61C Berkely

  • 2022年8月

    • 出願(Georgia tech、UIUC、UT Austin)

  • 2022年9月

    • 結果発表、全校合格

  • 2022年9月〜2022年12月

    • GRE準備と受験(結局GREスコアは使わず)

  • 2023年1月〜2023年12月

    • Georgia Tech OMSCS 受講

  • 2023年8月

    • Georgia Tech On Campus Transfer Application提出

  • 2023年10月

    • Georgia Tech On Campus Transfer Passed

  • 2023年12月

    • 前職辞めて渡米へ

  • 2024年1月〜2024年12月

    • Georgia Tech MSCS On Campus 受講

事前準備

英語

Georgia TechのTOEFL最低基準は100点以上とされています。自分が応募した時は確か93点がボーダーラインだった気がします。UIUCは103点が最低基準で、3校の中で一番高い記憶で自分も103点を目標としていました。幸いGREは必要なしとのことです。

TOEFL対策として、あまり参考にならないと思いますが、中国のTOEFL特訓コースに受講していました。主に、各Sectionの受験対策ビデオ+各Section過去問を練習+Speaking・Writing添削+TPOで模擬試験を一つのコースにした感じです。

GRE対策に使ったmagooshは安かったしよかったかなと思います。TOEFLバージョンもあるので、気になる方は調べてみてください。

結果的に4月のTOEFL受験では103点ギリギリとれました。自分は受験料はできるだけ払いたくないので、できるだけの準備をして受験をしていました。一発で目標の点数とれたので本当にラッキーでした。

コース受講

情報系学部卒ではないので、出願向けていつかのコースをとりました。
Georgia Techでは、情報系バックグランドがない方向けに、以下のコース受講を推奨していました。

ソフトウェアエンジニアを何年かやってきたので、流石にIntro to ProgrammingとObject-Oriented Programmingは職歴で証明できるし、Algorithm、Linear Algebraは大学でとったためスキップしました。なので、Data Structure、Computer ArchitectureとProbability/Statistics系を探してとりました。Certificateはあったほうが良いと思ったので全部Courseraで終了しました。また、Build a Modern Computer From First Principlesはプロジェクトベースなので、より理論的にComputer Architectureを学びたかったので、Teach yourself csでおすすめのCS61C Berkelyを全部視聴しました。今思えば、Computer Architectureのこの2コースはどちらも素晴らしくかなり勉強になりました。

コース受講 (With certificate)

コース受講 (Without certificate)

Statement of Purposeと推薦書

推薦書は上司と元上司3人からいただくことにしました。時間がかかるので、2ヶ月の余裕を持っといた方が良いでしょう。自分はフォーマット指定せずにお願いしていました。ありがたいことに、励みの言葉をいただき、期日までに推薦書が揃われました。

Statement of Purposeに関しては、今ChatGPTの時代はだいぶ楽になるでしょう。当時は、自分はGrammerlyで文法を直しながら、英語Nativeの添削サービスに頼んで、文章の構成も含めて見直ししてくれていました。

ネットで調べて書き方に関して専門的なアドバイスはたくさんあるので、ここでは割愛しますが、参考までに自分のStatement of Purposeの構成を記録します。

  1. 大学時代と交換留学時代でCSへのPassion

  2. 社会人時代でいったん別キャリアを歩んだものの、結局ソフトウェアエンジニアへ転向

  3. 現在のソフトウェアエンジニアの仕事と自発かつ継続的に関連知識と技術を勉強している

  4. 独学ではなく、Graduate SchoolへのMotivation

  5. 自分の職歴、経験と継続的学習へのコミットメントがあるため、Graduate Schoolプログラムはきっと成功するでしょう

  6. 卒業後のプランと展望

MSCS編入へ

オフィシャルに公表していないですが、OMSCSではMSCSに編入するチャンスがあります。自分もこっちで何人か同じルート辿った人に会いました。MSCSのAccept率はOMSCSに比べて何倍も低いので、編入は裏ルートとも言えるでしょう。

編入合格率は未知数ですが、少なくとも、OMSCSで1つ、2つのコースを修了し、すべてAを納めることが最低ラインだと言われています。(Academic Advisorに確認済み)。プロセスとして、Academic Advisorにその意向を伝え、なぜOn Campusにしたいかの小論文を提出、Dean of College of ComputingのApprovalがあれば編入でき、その後はビザ手続きなどを進めます。

アメリカで1年(正確的にいうと秋と春2学期)以上に留学すればOPTが貰えて就活できるため、残り何コースあるか気にする必要もあります。Georgia Techでは4つコースが1学期のため、少なくとも残り5つコースがあれば、1年にかけて修了することができます。残り2つコースしかない場合は、1年未満になるので別プログラムに編入し、1年かけて修了する人もいたりしました。OPT目的ではなく、OMSCS -> 研究の道へ進める人も何人か周りいました。現地でMaster修了しつつ興味がある研究を探し、Phdにいくルートもあるし、OMSCSに比べてOn Campusの方がTrackはたくさんあるし、進路がたくさんあると言えるでしょう。また、卒業前にインターンしたい場合は、1年以上以内とCPTがもらえないため、うまく他のコース(卒業要件にカウントされないが、Full Time Studentとしてカウントされる)を取りながら、1年以上に大学院に在籍する人もいました。


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