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デス・レター(“CREATURES”を終えて)

無事、Made In A Garage 6 “CREATURES”が終わった。出演アーティストの皆様、越谷イージーゴーイングスのスタッフの皆さん、そして何よりお客様。感謝に堪えません。厚く御礼申し上げます。

音楽のパフォーマンスも素晴らしかったが何より、全ての音に感じてあんな壮大な絵(写真参照)を描き得た画家、ニシモトヒサオ氏が、今回の最大の功労者だったろう。音楽に合わせて自分勝手な絵を描くでなく、音楽に君悪く擦り寄るでもない。抽象画とは程遠い、生き物たち。音楽と絵が同時に出来上がってゆくワクワク感。まさに、化身。この絵を見て、「こんな音楽を俺たちは奏でたのだ」と、誇りをもって言える、そんな晩だったと思う。

お客さんも、まだまだ多くはないが、すこーしずつ、特に前回からすこーしずつ、増えてきたようにも思うし、終わった後の和やかな演者/客の語らいも、楽しかった。アーティストたちもそう思ったろう。

一方で、演奏半ばでVery Apeが「その『カッコいい!』をSNSで言え!」と、フロアに向かって吠えた時、俺は総毛立って、感動した。それだ!それこそがこのイベントの意味だ。トリのThe BBB。リョーヘーも「このイベントは無くなっちゃいけねぇ」と、これまた吠えた。これもその通り。

この2人の咆哮の、もう一歩奥のところを考えるのが、俺の仕事である。即ち、お客さんの「カッコいい!」がSNSに乗る←【そのためには?】。「イベントは無くならない」←【そのためには?】。

そのためには、「コアファンの掘り起こし/育成」であり、そのためにはまず「コアになるアーティストの発見と連帯」があるべきだと考える。言い換えれば俺は、会を開きながら、オーディションもしていると言っていい。

だからと言って俺はYESマンを集めたい訳はない。仲良し同盟を作りたいわけでもない。会の目的は、現在のガラパゴス化したJ -ROCK(もどき)シーンに抗う、真の(即ちグローバリゼーション化した)インディーロックシーンの創生だ。であるから、俺の求めるアーティストは
・グローバルスタンダードを持った音楽演奏者
であり
・アンセルフィッシュ、即ち利他の心を持っている
音楽演奏家でなければならない。どんなに良い音楽を奏でていようと、己の名声のためだけにこの場を利用する奴は、2度と呼ばない。(そういう奴はすぐわかる。彼らは自分の利己心に無自覚だからだ)

俺はApeの叫んだ「誰かのために役に立つ人間になりたい!」の言葉に、痛いほど共感する。やがてガレージは大きくなるだろう。ガレージを利用して名を上げたい利己的なやつも混じってくるだろう。それはそれで良い。裾野が広がった証だからだ。だが今はまだ、その核さえできていない。そう思うことは、大きくなってもそう思い続けることは、重要だと、俺には思える。Very Apeとはこの先何度も一緒にやるだろう。バチクソの純日本語でありながら、彼らの音楽はすでに国境を越えている。「音楽は世界の共通語である」を地でゆくバンドだと思う。タナダ氏のベースに込めた、歌への思いやりにも、同質のものがあったように思う。

喫煙スペースでタバコを燻らせながら、「やっぱりガレージは、こういう人と会う事からはじまるのだなぁ」と思って見ていた、そんな夜だった。

次は2024年1月7日。今回出られなかった、Little Radios所属のSen City Recordsとの共催だ。頭目クリス。彼も主体的に優しい人間だ。俺が組みたかった理由である。

お楽しみに!

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