【機材のこと】BJFE Honey Bee Overdrive
今回は自分が所有している機材(エフェクター)のことを書きます。
ついにこいつに手を出してしまったという心境ですが、BJFEのHoney Bee Overdrive(以下、HBOD)です。
BJFEは、北欧スウェーデンでアンプの修理をしていたビヨン・ユール(Bjorn Juhl)氏が立ち上げたブランドで、2000年ごろからエフェクターの開発を始めたそうです。
で、このHBODは2002年に発売されて、現在も緩やかながら生産が続いている、同社のロングセラー商品です。
僕がこいつを手に入れたのは今年の1月のこと。以前よりブランドの名前は耳にしたことがあったのですが、とにかく値段がお高いしめったに見かけないしで、自分には縁のないエフェクターだろうなと思っていました。
ところが、時々行く楽器店にたまたまこいつが中古で置いてあって、衝撃を受けました。
まず見た目。
製品名やブランド名がすべて手書きで、塗装もいかにも手作業でしましたっていう手作り感。何これ?としか言いようが無かったのですが、その音も凄かった。
端的に言うと、今まで触れていたオーバードライヴのどの機種とも違う質感でした。
第一印象は「歪まねえ~」だったのですが、3つのツマミをどの設定にしても音が細くならない、心地よい音の帯域(レンジ)をカヴァーする懐の深さ、そのくせ、音の輪郭が少しギザギザしてるようなエッジが立っていて、右手のピッキングの強弱で歪み(ひずみ)の量をコントロールできること。
ほかのメーカーのオーバードライヴとは圧倒的に違うものがありました。
ツマミは左からVOL(音量)、Nature(いわばトーン)、Drive(歪み量)の3つ。Natureというツマミが特徴的で、左に回すと低音が足されて、歪みがファズのように、古い小型の真空管アンプのヴォリュームを目一杯上げた時みたいに粗くなります。ブーミーではあるのですが、決して使えない音ではないと思います。一方、ツマミを右に回すと高音が足されていきます、
Driveツマミに関しても、15時方向まで回すと(聴感上では)歪み量が最大になり、それ以降は飽和感だけが足されていくような印象。
ということで、すっかりどハマりした私はお値段は無視してすぐ持って帰りました。
ところが、買って少しして気づいたのですが、一度壊れました笑
ONにしても音が出なくなったことがあり、困ったので、販売店に相談してリペアに出してもらい、2週間くらいで帰ってきました。
BJFEのペダルは基板が隠されているので、場合によっては大掛かりな修理が必要になることもあるそうですが、この時はポット部分のハンダに不良があっただけで、ハンダの修正だけで事なきを得ました。今は機嫌良く鳴ってくれています。
そんなどこから見ても独特なHBODは、2022年8月現在、間違いなく僕が一番好きなオーバードライヴ・ペダルです。
ちなみに、僕はややDriveを控えめにして、強く弾くと歪むくらいのセッティングにすることが多いです。ここにディストーションやファズのような別の歪みを重ねて、ブーストさせる使い方が好きです。
ちなみに、HBODは生産初期と現在では一部パーツが異なり、少し音も変わっているといわれています(ビヨン・ユール氏自身がパーツを変えてると認めてます)。私が所有するのは最近の個体ですが、エピソード含め、こいつが気に入ってるので今のところ手放す気はありません。
BJFEは奇妙なメーカーですが、ここにしか出せない音が確実にある、そんな気にさせてくれるブランドです。