Francis “Bolero”について語ります
こんにちは、小里誠です。
私がやっているソロユニットFrancisのニューアルバム"Bolero"、9/27にリリース以降いろいろな方面から賞賛の声が届き、じっくりと喜びを噛みしめるという実に幸せな日々を過ごしております。
皆様もうアルバムは聴いていただけましたでしょうか?まだ時間がなくて聴けない方や、聴こうと思ってもハードル高くて聴けない方などいらっしゃると思います。そんな方々にも聴いていただきたいと思ってnote更新しています
やはりどっかのメディアで何万字インタビューなどを広告費を払ってやっていただきみなさまの目に届けると親切なのでしょうけど、もちろん私にはそんな術も無いのでこちらで自由に披露させていただきます。
そう!どれだけの皆様が望んでいるのかはわかりませんが、今回のアルバム“Bolero”全曲解説です!
さてまず何故タイトルが“Bolero”なのか。
今はもう亡き私の母はピアノ弾きでして、とはいえコンサートで演奏したりするピアニストという訳ではなく、まだカラオケの存在しない時代、テレビやラジオ、劇場での歌の伴奏という仕事を芸大に通いながら始めたのをきっかけにして、劇伴や子供合唱団の伴奏などを生業としていました。中には子供番組「ロンパールーム」の伴奏なども。日本テレビのディレクターだった父とはどうやらそのあたりの時期に仲良くなったのかと思われますが、、
そんな仕事と並行して家ではピアノレッスンもやっていて、私が生まれてからも毎日のように生徒さんが我が家に通い練習曲が夕刻や週末に聴こえてくる日々でした。そしてレッスンを終えてから母がよく好きで弾いていたのがドビュッシーの「アラベスク」。いつも素敵な曲だなぁと聴くたびに思っていたのが私のまさに印象派元年。その後夢中になったYMO坂本龍一さんの楽曲からもラベルやドビュッシーなどからの影響を感じ、さらにこの印象派への想いは膨らんでいきました。
10代後半にヨーロッパ映画に興味を持ち始め、名画座に通い「24時間の情事」で半分以上寝てしまったりしながらもとにかく背伸びしてヌーベルバーグなどを観まくっていたのですが、大学に入りレンタルビデオショップでバイトを始めたのをきっかけにして在庫ビデオが借り放題ということもあってあれこれと興味の幅がさらにさらに拡大していくことになりました。中でもサタデーナイトライブやそのコメディアンの映画などにハマり、アメリカンコメディの懐の深さと独特なペーソスと馬鹿さ加減に夢中になり、チェビー・チェイスの「ナショナルランブーンシリーズ」など好きな映画の振り幅も広がっていくばかり。そんな中「ミスター・アーサー」で有名なコメディ俳優ダドリー・ムーア主演、「ピンク・パンサー」シリーズのブレイク・エドワーズ監督による映画「10 テン」(79年)の中で、主人公が意中の女性とついにベッドインが出来る!というタイミングで、セックスのBGMにボレロが最高なのだと彼女が言い出しその場でレコードをかけるシーンがとてつもなく印象に残り、、、それはこんな美人と上手くやって羨ましいとかそんなやつではなく、途中で針飛びしてズッコケたり、彼女の夫から電話がかかってきたりとすったもんだあった挙句、その場がすっかりしらけてしまうまでのユーモラスな演出はあるものの、やはり「ボレロ」が醸し出す「さぁ、これから始めるぞ!」感にあふれ、ゆっくりとじらしていく前奏、そして最後のクライマックスへスケール大きく解放されていく展開など、ここで使われた意味がなんとなくわかるようなわからないような、笑。
そんな不思議なこのシーンのことがずっと忘れられず、この楽曲の持つどこか高貴な雰囲気と同時にどこかエロスを喚起させるイメージがまさにFrancisらしいのでは!?と思い、ズバリ閃きでタイトルにしてしまいました。
あらあら、楽曲説明する前にもうこんなに長文になってしまいましたね!
ということで、楽曲説明はまたおって書きたいと思います。
Francisニューアルバム“Bolero”絶賛発売中です!
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