Francis“Bolero”について語ります。M7「VIVA! コーヒーゼリー」
そもそもコーヒーゼリーをいったいいつ好きになったのか。思い返すに子供の頃、たまに親に連れられて喫茶店に入り注文を選ぶ際、まぁ珈琲はなんだかんだでウチでも飲めるしと考えるとむしろここでしか食べられないものを!という安易な発想から恐らく選んだような気がするコーヒーゼリー。いま改めて思うに、何かを選ぶ時にその中でもひときわニッチなモノに興味を持つというこの感覚が、80年代においてMTV全盛期のポピュラーな音楽には全く興味を持たず、ノイエ・ドイッチェ・ヴェレやオルタナ、インダストリアルミュージックなどに傾倒していった経緯とある意味ほぼ同じようなものなのだろうと今振り返ると思います。
今回のアルバム制作も佳境に差し掛かっていた頃、すでにジャケットアートワークをお願いすることが決まっていた小田島くんと電話であれこれ話していると、とりあえず出揃った楽曲をすでに聴いてくれてた彼が「もっと軽快に踊れる曲とかあったらいいのに」と提案してくれたのを受け、ものは試しと作ったのがまさにこの”VIVA! coffee jelly”。
ベーシックはちょっとニューウェーヴ的なダンスチューンなのですが、ボイスパフォーマンス的に合間にムーディーに語りかけるこのスタイルのルーツは、小学生の頃にラジオから流れグッときて居ても立っても居られなくなりすぐにシングル盤を購入した「ソウル・ドラキュラ」。実際にやってみるとかなりの演技力が要求されましたが意外とすんなりやれたなと。
そしてこの曲のイメージで一番大事だったのは、とにかくばかばかしいぐらい楽しくワクワクするような雰囲気をいかにして出せるかという点。この命題で即座にピンときたのはディズニー・ランドのエレクトリカル・パレードでも知られるペリー&キングスレーのレジェンド級のこの名曲でした。
シンセサイザーで彩るキュンメロの踊れるシャレオツナンバーを超下世話なコーヒーゼリー愛に溢れるコンセプトにハメるってーのがこの楽曲の全てです。
そしてこのコンセプトにぴったりのガジェット感溢れるMVを作ってくれたのは、ハルコとフランシスでもお世話になっている丸山太郎監督。えらくご好評いただきました。
リリースから3ヶ月余り、Francisニューアルバム“Bolero”は引き続き絶賛発売中ですよ!
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