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20240908の夢/ケダモノと心臓

おでかけから家に戻ってみると重たい木の扉が力まかせにぶち破られていて、わたしは(え?)って困惑と不安を感じながら中に入る。玄関、廊下、一階のリビングはなにか大きな力に蹂躙された形跡がある。

家族は二階の部屋に集まって調理をしているはずだが、人の気配がしない。おそるおそる階段をあがる。家族が集まっている部屋のドアは、玄関と同じように破壊されている。反対側のわたしの部屋のドアは無事みたいで、少し落ち着きたかったわたしは先にそっちへ向かう。

ドアを開けると隅の方から「ひっ」と小さな悲鳴が聞こえ、下の妹が震えていた。妹はわたしを認めると泣き崩れて、しがみついてくる。わたしはなだめながら、何があったのか尋ねる。

妹によれば、なにか大きなけだものが壁を破ってきて、父も母も真ん中の妹も喰い殺してしまった。自分はたまたま別の場所におり、家族が襲われているのを見て慌ててここに身を隠した。けだものは二階のベランダから出ていってどこかへ去ったようだ、ということだった。

わたしは意を決して家族が襲われた部屋に入ってみる。血と肉片が散らばり、ヒトだったものの残骸が転がっていた。けだものはヒトの心臓を好むらしく、肋を噛み砕かれ開かれた胸からは心臓がきれいに抜かれていた。

わたしは亡骸の傷跡を見つめながら、(すきなひとの心臓をほしいと願っているわたしも、このけだものと変わらないかもしれないな)と考えている。


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玻名城ふらん(hanashiro fran)
ちゅーる代