デザイン史(概論)#04 近代デザインの源流(3)ドイツ:シンケルの見本帳
はじめに(毎度の挨拶)
大学での講義をまとめて不定期に少しずつ記事にしていっています。
専門的になりすぎず、なるべく平素にわかりやすくなるよう、努めていきます。
しかしボリュームがあるため、いつ終わるかわかりません。(汗)
単独でも読めて、小分けにして、読みやすくなるようにしようかなと思います。
前回の記事
こちらの記事は、下の記事の続きになってますが単独で読んでもいただけます。
https://note.com/francis_dubreuil/n/n27769dc04f63
シンケルの見本帳
背景
前回の記事では、産業革命の起こったイギリスではデザインが他の西欧諸国に対して50年ほど進んでいたと言われ、三大家具デザイナー(ジョージ・ヘップルホワイト、トーマス・チッペンデール、トーマス・シェラトン)に少し触れました。
その後ドイツでは、イギリスと同様にカール・フリードリヒ・シンケルとゴットフリート・ゼンパーによる見本帳が出回り、ドイツにおける19世紀前半の理論と様式を規定しました。
ちなみに、シンケル、ゼンパーと言えば、建築家であり、建築史でも新古典主義の建築家として登場します。実はシンケルは、宮廷建築家、都市計画家、画家、舞台装飾家、家具や日用品のデザイナーでもあったのです。オールラウンダーですね。(この記事では家具デザインの観点から触れています)。両者とも非常に著名な建築家で、深めるととても面白いので、機会があったら別記事にしていきたいですね〜。
シンケルの見本帳
シンケルの見本帳は1821〜1837年にかけてベルリンで発行されました。(リンク先では、新版として1862年に刊行されたものです。)
シンケルの家具はこんな感じ。
非常に優雅な椅子ですね。現代の室内に置くならば、工夫も必要かと思いますが・・・。
新古典主義の建築家で知られるシンケルですが、家具やプロダクトのデザインにおいても非常に重要な仕事をしました。
彼は、木製の家具もデザインしましたが、工場生産の合理性なども考えて鉄製の家具もデザインしています。
鉄製の椅子で有名なのは、今でも販売されているガーデンチェア・ベンチでしょうか。こちらのサイトで販売されていますが、色々な座面が選べるようです。こんなベンチが庭にあったらさぞ優雅なひと時を過ごせますね。
https://www.tecta.de/produkt/d60-2/
ゼンパーについては今回ほぼ触れていませんが、機会があれば。
ちなみに、シンケルの絵画も非常に素敵なのですが、私の一番好きな絵を載せて今回は締めます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?