見出し画像

札幌交響楽団第664回定期演奏会(1日目)に行きました(2024年10月19日)

 札幌交響楽団第664回定期演奏会(1日目)に行きました。
 曲目はブルックナーの交響曲第9番と「テ・デウム」のみ。
 指揮者は上岡敏之さん。
 実は、ブルックナーの曲を実演で聴くのは初めてでした。
 CDではたくさん聴いていますが・・・
 指揮者の上岡敏之さんは、かねてから実演を聴きたいと願っていた指揮者の一人でした。
 実は先月、六花亭のふきのとうホールで、ピアニストとしてのコンサートも企画されていましたが、公演日の数日前に腕の病気でキャンセルとなってしまいました。チケット代の払い戻しを受けました・・・
 今回、上岡さんの指揮で、初めてのブルックナー実演を聴けるというのは、なんという贅沢!!!
 なお、コンサートのパンフレットによると、「テ・デウム」は札響では初演とのこと(ブルックナーの「第9」は7回。ただし今回の「オーレル版」では初演とのこと。)

開演1時間前に、大通駅すぐ近くの「菓子と喫茶 SIROYA」で午後のデザートを食べてから、
いざ出陣!
雨降る夕方の中島公園。紅葉が一気に進んでいました。
雨の夕方の札幌コンサートホールKitara。
開演は17時からでした。

 さて、今回のコンサート。未完の「第9」に続いて、「テ・デウム」が演奏される、という構成でした。ブルックナーが「第9が未完で終わったら、その後に『テ・デウム』を演奏してほしい」などと何度か言っていたようです。しかし、ありそうでなかなかないコンサートなのかもしれません。
 実際、タワレコの検索で「ブルックナー テ・デウム」と調べてみると、
カラヤン、ヨッフムだけが「第9→テ・デウム」を1枚で収録しています(どれも所有しています。)朝比奈は「テ・デウム→第9」で1枚ものにしています。

ヨッフム盤(SACD)
カラヤン盤(SACD)
カラヤン盤(DVD)
朝比奈盤(SACD)

第1楽章

 私が座っていたのは、3階のRCブロックでした。ステージ側から見て右の一番上の方。客席全体を見渡すと、入りは8割程度かと思われました。実際、私の前列は丸ごと誰も座っていませんでした。
 客席の位置の問題なのか、冒頭の弦はほとんど聴こえず・・・いや、第1楽章に限って言えば、弦パートはとても聴こえづらい感じでした。その分、金管、木管、そしてティンパニはよく聴こえてきました。特に、第1楽章の金管はパーフェクトと言える、圧倒的な音量と迫力がありました。
 今、この記事は、先ほど紹介したヨッフム盤の「第9」→「テ・デウム」を聴きながら書いています。
 実際、改めてCDを聴いてみると、第1楽章の弦は元々聴こえづらいのだ、と再確認できました。
 上岡さんの指揮は、バレエのような優雅さがありました。
 金管とティンパニが圧倒的でしたが、全楽章を通して、特にオーボエとフルートの音色がよく響いて美しかったです。
 たたみかけて大きな何かが崩れ落ちてくるかのようなところ、まさに理想的だと思いました。
 あと、ティンパニのうまさも光っていました。

(参考)

第2楽章

 派手に荒れ狂う感じと、弦がよく聴こえるという点では、この「第9」の演奏の中では白眉と言える楽章になったと思います。
 最後の方で少し金管に乱れがあったのが残念・・・

第3楽章

 「テ・デウム」の合唱とソリストはいつ会場に入れるのだろうか?という疑問がありましたが、結局、第3楽章が終わってから静かに入場ということになりました。
 ベートーヴェンの「第9」では、指揮者によって、「最初から」「第2楽章の後」「第3楽章の後」など様々です。
 そもそもブルックナーの「第9」と「テ・デウム」はまったくの別作品ですから、上岡さんの「解釈」は妥当なのかもしれません。

 第3楽章、金管が少し力尽きたかな、と思えるところがありましたが、概ね理想的な演奏だったといえます。
 途中から聴いているうちに少し涙が出てきました。
 最後近くで、弦パート(第1ヴァイオリン)に少し踏み外す(?)ような表現がありましたが、奇跡的にプラスの方に働いていたと思いました。
 オーボエの美しさが光っていました。
 この演奏を聴くと、やはりブルックナーは第3楽章で終わりにさせる気はなかったのだな、と痛感しました。

テ・デウム

 感動的な第3楽章で、「第9」は終わりなのですが、今回のコンサートは休憩なしで「第9」に引き続き「テ・デウム」が演奏される、と予告されていたので、あたかも第4楽章があるかのように、静かに合唱団の皆様が入場してきました。ソリストの入場の時には、拍手がちらほらありましたが、拍手すべきなのか、しない方がいいのか、微妙な雰囲気でした。私は結局拍手しませんでしたが・・・

 「第9」の「第4楽章」として(実際にはそうではないにせよ)、「テ・デウム」が始まりました。合唱は、パワフルというよりは精緻な印象を受けました。スウェーデン放送合唱団みたいな雰囲気のような・・・
 テノールとヴァイオリン・ソロの掛け合いのところとか、コンサートマスターの腕が光る演奏でした。オーボエが相変わらずうまい!!!
 4人のソリストも堂々とした歌唱でした。

 終わってからは万雷のような拍手!これは本当に行ってよかったと思えたコンサートでした!!!!!

コンサート後に撮影。

 上岡敏之さんの指揮でまた聴いてみたいです!
 そして、ピアノの演奏も・・・

(参考)※私は所有していませんが・・・

上岡敏之指揮新日本フィルによるブルックナーの「第9」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?