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⌘+ZあるいはCtrl+Z

新しいパソコンを買わずに、死んだように生きようと思った。なぜなら、私には才能がないから。いくら新しいパソコンを買ったところで、創作は出来ない。
それで納得していた。しかし、心の片隅にそれに抗う気持ちがあることに気づいた。私から創作は取り上げられない。たとえ、才能がなくても。
そうなると必要なのは新しいパソコンだ。BTOパソコンや自作パソコンも考えたが、中国メーカーからいい条件での提示があったのでそれに乗ることにした。久しぶりに買う新品のパソコン。
これでもう言い訳は出来ない。あとはやるだけだ。

実は、創作を諦めてから死ぬほど心が痛かった。苦しかった。夜も眠れず、昼も起きられなかった。だが、ようやく心の平安を得た。友達はそんな私をバカだと言った。たしかにバカだ。でもいい。

私は20代のある日、思い切ってパソコンを買った。当時は高かった。30万円以上した。まだWindows95が出る前のWindows3.1の時代。これを買って、友だちが出来た。天職と巡り合った。恋人とも出会うことが出来た。

人生はやり直しが出来ない。たとえ出来たとしても、直前の意思決定をなかったコトにすることくらいだ。パソコンの世界でよく使われるキーボードショートカットの「⌘+Z」あるいは「Ctrl+Z」がそれに相当する。前言を撤回することは恥ではない。新しいパソコンで自分自身の作品を作り出したい。
ただ、問題がある。今使っているパソコンを売らないと当座のキャッシュフローが厳しい。一番荷が重い作業だ。

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