アイビーが得意科目!
高校を卒業するまで洋服には無頓着だった私がおしゃれに目覚めたのは、ある出来事がきっかけだった。
若い頃、キリスト教系のカルト教団に所属していた。その教団で5月の大型連休中に3日間、法華クラブというビジネスホテルに滞在して集団お見合いみたいなイベントがあった。
イベントも終わり、数日後に打ち上げをするというので参加した。その時、友達に真っ赤なベストを借りて着てみたら精神が高揚するのを感じた。
教団の中でファッッションリーダーのタカハシくんにおしゃれの指南をしてもらった。彼はメンズファッションにもレディスファッションにも詳しい。
時はまさに何度目かのアイビー/トラッドブームの大波がやって来ていた。
男の子はMEN'S CLUBやPOPEYE、ホットドッグ・プレスを、女の子はmc Sister、Oliveを欠かさず読んでいた。
休みの日、タカハシくんにアイビーショップに連れて行ってもらった。そこには普段、ダイエーで買っている洋服とは価格もクオリティも違う商品ばかりあった。
予算が限られているので、まずは赤のギンガムチェックのプルオーバーボタンダウンシャツとオフホワイトのコットンのスカートを買った。
そこからどんどんおしゃれにのめり込む。洋服もたくさん買ったし、MEN'S CLUBに2回ほど読者モデルとして掲載された。
今はまたおしゃれに無頓着になった。港区のタワーマンション群を寝間着で買い物に行くほど堕落した。
もう一度おしゃれがしたい。原点は赤いギンガムチェックだ。それを着るには歳を取りすぎたか?