がんばっても勝てないこと

誰にでもがんばっても勝てないことは一つや二つはある。
私の場合、もっと多い。正確に言うと、ほぼ全ての面で勝っているものはない。何をさせても中途半端だし、全く知識のない分野も多い。それが一般常識であったとしても。

それでも人生は勝ち負けではないと言い聞かせてなんとか生きている。
最近観た映画はこんなことを教えてくれた。人は自由に生きていい。楽しめばいいんだ。きらめきを感じることが見つかればいいんだ、勝ち負けではないんだ、と。

私たちは生まれる前にそう教育されて、準備が出来た魂が人間として生まれてくるらしい。ならば私もそのきらめきを見つけてみようと思った。

ただ同時に思ったのは、その映画は人生の役割を選んで生まれてくることをメッセージとして伝えていたように思う。
しかし、不幸な環境に生まれる人、生まれてすぐに親に殺されたり戦争で死ぬ人、一生奴隷の身分から抜け出せない運命にある人も自らそれを望んで生まれてきたということになる。そこに違和感を覚える。

いい映画で生きる力を与えられたし、生きる意味も教えられたが、やはり人生は理不尽なものだということを強く感じてしまった。
神様の計画からすればそれはそれでその人の成長に必要なものかもしれないが、やはり人間は誰でも楽しく生きられる方がいいし、そんな社会を作るのが私たちの役割だと思う。

話はずれてしまったが、私は最近になって自分の能力不足にようやく気がついた。周りの優秀な人がよく見えるようになった。その人たちの能力や人間性は神様からのギフトであったり、後天的に努力して身につけたことも理解し始めた。以前はそんな人を嫉妬し、自分の境遇を呪っていたが、今は尊敬でき称賛できるようになった。これは私自身の成長の証だと思い、少しだが誇りに思う。

自分の能力の無さを知ることは、これから成長するために必要なことだ。もう一度映画の話に戻るが、自分自身のきらめきを見つけたい。そのために、いろいろなことをやってみて失敗を重ね、やがて「それ」が見つかると信じている。

葉山由佳フランシス、57歳。私の人生は始まったばかりだ。

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