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クリスマスケーキの思い出

私は1月4日生まれなのでクリスマスは誕生日に一緒にお祝いすることになっていた。

ひとりっ子だったし、父が遊び人で母が夜働いてその穴埋めをしていたので、一家3人でクリスマスを祝った記憶がない。

しかし、だだ一度だけ一家3人がクリスマスイブに揃ったことがある。私はどの道、誕生日にケーキが食べられるのでクリスマスケーキはいらないと伝えていた。

ところが当日の夜になって急にクリスマスケーキが食べたくなった。
当時はコンビニエンスストアシステムのない時代。またスーパーも個人店も18時には店を閉めていた。

母は寒い街を走り回り、やっとレディーボーデンのアイスクリーム(当時はとても高価)を買って来た。うれしかった。

私は母を恨んでいる。だけど、この一件だけはお母ちゃん、ありがとうという気持ちになる。

そんな母とは21歳の時に別れて以来会っていない。生きているのは死んだのかもわからない。私と父を捨てて男の元に走った女にはたとえ生きていたとしても会いたくはない。

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