フランスと日本のバレエ発表会
フランスバレエの専門家、harukaです。
皆さんはバレエの発表会を観に行ったことがありますか?
フランスでも日本でもバレエを習っている生徒にとって、発表会は一大イベントです。
頻度は教室によって異なりますが、普段の練習の成果をたくさんの人に披露できる貴重な機会です。
今回は日本のバレエ教室とフランスのコンセルヴァトワールの発表会を比較していきます。
比較するポイントは次の4つです。
・演目
・振り付け
・練習期間
・衣装
・舞台
それではさっそく紹介していきます。
比較① 演目
日本のバレエ教室でもフランスのコンセルヴァトワールでも先生が上と相談して演目を決めます。
大きな違いは日本は全幕ものの作品を披露することが多いのに対し、フランスでは異なる演目のバリエーションを組み合わせて披露します。
日本のバレエ教室が全幕ものとして披露する一番有名な演目はクリスマスの定番、くるみ割り人形です。トウシューズをまだ履いていない子供から大人まで出演できるのでバレエ教室の生徒全員が参加できるという特徴があります。その他にも海賊やコッペリア、ドンキ・ホーテなどがあります。
フランスではバレエ団やバレエ学校でない限り全幕ものを披露することはあまりありません。基本的には一つの演目を抜粋して披露する、または複数の演目を組み合わせて披露します。
比較② 振り付け
披露する演目が決まったら次は振り付けに入ります。
日本のバレエ教室とフランスのコンセルヴァトワールの大きな違いは誰が振り付けをするのか?という点です。
日本のバレエ教室では各教室の先生が生徒の年齢層や人数に合わせて振り付けを考えたりアレンジを加えたりします。
しかしフランスでは基本的にパリ・オペラ座バレエ団の振り付けを採用しているので、各教室の先生が振り付けを考えたりするということは滅多にありません。
比較③ 練習期間
練習期間の間、振り付けの確認はもちろん、位置の確認や移動の確認なども行います。
日本のバレエ教室は約1年前ほどから準備を始めるところが多いです。全幕もののバレエの作品のため練習をしなければいけないことが多いというのが理由かもしれません。
フランスでは約半年前から練習を始めます。しかし全てを通して踊ったり、実際に舞台に行って踊ったりというのは約2ヶ月前から行います。この2ヶ月間はかなりタイトなスケジュールで練習はみっちりと行われます。
比較④ 衣装
バレエの発表会に欠かせない衣装。
日本では公演が決まると採寸をして自分の体にピッタリな衣装を作ります。小物や頭飾りまでバレエ教室から支給されます。
フランスではあるものを組み合わせて衣装を作ります。私が通っていたコンセルヴァトワールの衣装はレオタードとチュチュでした。頭飾りなどはみんなで相談して買いに行ったりもしました。(良い思い出♪)
比較⑤ 舞台
全ての成果を発表する場である舞台、舞台構成や舞台装飾はとても重要です。
日本のバレエ教室と同様、日本の舞台はもの凄く綺麗で整備されています。凸凹やくぼみなどは一切ありません。そのためとても踊りやすいです。
また舞台装飾も派手でゴージャスです。
フランスの舞台はゴムの下が木の床なので凸凹やくぼみが目立ちます。
トウシューズで踊るとコケそうになることもありました。(危ない・・・)
舞台装飾は結構シンプルです。
いかがでしたか?
今回は日本のバレエ教室とフランスのコンセルヴァトワールの発表会を5つの項目を基準に比較してみました。
パリ・オペラ座バレエ団の公演はコンセルヴァトワールの発表会とは違い、舞台が凸凹だったり、あるものを組み合わせて衣装を作るということは絶対にありません。
しかしバレエ教室の発表会をたくさんこなし、経験をたくさん積んであの舞台に立てるようになっていくのではないでしょうか?