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日本のバレエの現状
フランスバレエの専門家、harukaです。
バレエ大国といえばロシアやフランス、イギリスなどが有名です。
しかしご存知でしたか?
世界一のバレエ大国は日本なんです!
現在、日本のバレエ人口(プロ・アマチュア問わず・3歳〜80歳以上)は約40万人。これは世界的に見ても多いといえます。
約40万人のバレエ人口を抱えながらも多くの著名なバレエダンサーは日本ではなく海外で活躍しています。
なぜなのでしょうか?
日本とフランス両国でバレエを経験した私は日本バレエの問題点は2つあると考えています。
一つ目は国立のバレエ学校がないこと。
二つ目はバレエ指導者に指導者資格が必要ないこと。
それでは順番に説明していきます。
① 国立のバレエ学校がない
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日本でバレエは1つの習い事・趣味としての認識されているように思います。
まず日本で学業とバレエを両立するのは簡単ではありません。
国が認めているバレエ学校はほとんどなく、多くのバレエ教室が個人経営です。そのため小さい頃からバレエを始めたとしても、中学入学のタイミングで部活が始まりバレエを続けることができなくなるといったケースが多いです。
一度バレエをやめて長い時間が空いてしまうと体が硬くなってしまったり、なまってしまったり・・・大人になってバレエをもう一度やりたい!と思っても習える場所は個人経営のバレエ教室に限られてしまいます。
そのため一貫したバレエ教育を日本で受けることは非常に難しいです。
しかし長いバレエの歴史を持つフランスやロシアではバレエは国が守るべき芸術として認識されています。
そのため必ず国立のバレエ学校があります。
国立のバレエ学校には身体が完全に出来上がる10歳前後で入学できます。
入学するのは非常に狭き門ですが入学すれば国が公認しているバレエカリキュラムにそって学ぶことができます。
さらに学業とバレエが両立できるように国立のバレエ学校が提携している学校に通うことができます。
バレエ学校で過ごした後は18歳前後でバレエ団の入団試験が受けられます。
このように海外では一貫したバレエ教育が行われています。
② バレエ指導者に指導者資格が必要ない
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現状、日本では誰でもバレエを教えることができます。
海外で指導資格を取得した人が日本で教室を開いていることもありますが、全く資格がない人でも教室を開くことができます。
海外ではバレエを教えるためには国家資格が必要です。
パリ・オペラ座バレエ団のダンサーであったとしてもこの国家資格を持っていなければバレエ教室を開いてバレエを教えることは不可能です。
フランスでは国家資格制度に伴ってレッスンが行われるスタジオの床やトイレ、シャワーなど法令による定めがあります。
またバレエレッスンではまだまだ発達途中の子供を指導することが多いです。そのため骨や筋肉の発達を考慮した上でレッスンを行わなければいけません。子供の体の故障を避けるためこういった知識は必要不可欠です。
レッスンを行うための責任だけではなく、子供の成長に対する責任も明確になっています。
【まとめ】 日本のバレエの現状
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バレエの歴史的にみても、バレエの教育システムからみても日本は独自の発展を遂げたバレエ大国だといえます。
世界一のバレエ大国であるにもかかわらずほとんどの若手ダンサーは海外のバレエ団に留学します。
バレエの本場で学べるのはもちろん、海外ではバレリーナは日本のようにフリーランスとしてではなく国家公務員として扱われます。そのためバレエ団に入団できれば出演できる舞台数が多く、安定した収入が見込めます。
このように優秀なダンサーの活躍の場が日本ではなく海外にしかないというのが今の日本バレエの現状です。