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DELF対策に特化したフランス語を教え始めて、感じたこと。

先月から「DELF対策」に特化した授業を何名かの受講生の方に教えています。

この記事では、その経験を通して考えたこと、そして、これからこの活動を通してどんな未来を作っていきたいかについて、現在のわたしの考えをまとめていこうと思います。

DELF対策をしようと思ったきっかけ

まず、わたしがDELF対策に特化したレッスンを始めようと思った経緯を話します。
というのも、現在は対面、オンラインを問わず様々なレッスンが開講されており、具体的には「初級文法」「発音」「日常会話」など細かいジャンルが存在します。
そんな中、なぜわざわざ「DELF/DALF」というニッチなジャンルをわたしは選んだのでしょうか。

…それは単純で、DELF対策に困っている人が多いと思ったからです。

そしてその原因は、あまりにも情報が限定されているということです。

そもそもフランス語の学習途中だからDELFを受けようと思っているはずなのに、日本語で発信されている情報があまりにも少なく、受験者は多くの場合、フランス語の情報にアクセスすることを余儀なくされます。

わたしは今年C1を受験しましたが、このレベルになるとフランス人の発信を難なく理解することができるので、幸い大した問題にはなりません。しかし、これがB2受験者となると少し話は変わってくると思います。

おそらくDELF受験者のボリュームゾーンはB1やB2だと思いますので、ここを目指す人たちに情報を届けたい。自分が学んで得た知識をシェアしたい。

その気持ちは募る一方でした。

しかし、このような感情を抱いたとしても、その気持ちを阻む要素はいくらでも出てきます。

端的にいうと、「自分なんかが教えていいのだろうか?」という葛藤です。
わたしは、その感情にしばらく悩まされました。

資格や経歴

突然ですが、今赤ちゃんが道路で一人倒れて、思いっきり泣き叫んでいる状況を目の前にしたら、みなさんはどうしますか?

おそらく放っては置かないでしょう。

・近くを通る人に声をかけてみる
・インターネットで情報を調べる
・助けを呼ぶために病院に電話する
・水分や栄養を与える

などなど、自分にできることで何かしらのアクションを取るのではないでしょうか?

まさかここで、

「医療従事者としての資格がないから無理」
「人を助けた経験がないから諦める」
「もっと適任の人がいるから一旦考えよう」

こんな発想にはなかなかならないと思います。
しかし、わたしはDELF対策に関して、本質的にこのような発想をしてしまっていました。

わたしはフランス語を教えた経験はないものの、高校生に日頃から英語を教える経験を積んでいます。

フランス関連の研究者を目指しているわけでもなく、海外移住したいわけでもないのに、趣味でずっとフランス哲学の書籍を読み、フランス語学習を続けてきました。

むしろこれらの背景は、DELF対策を教えるに十分だと判断し、経験や資格はありませんが、だからこそ人助けを始めてみることにしました。

日本のフランス語試験対策に必要な視点

そして、しっかりと準備をして全力で1ヶ月のレッスンをさせていただきました。
本当は来年の6月の試験対策からレッスンを始めようと思っていましたが、前倒しで9月に受講生を募集し、10月の1ヶ月間フランス語学習の伴走をさせていただきました。

正直、自分でも満足のいく内容で、受講生の方たちからも嬉しいフィードバックを頂けています。
本当に行動してみてよかったと思っています。

この一連の流れを通してわたしが感じた「日本人学習者向けのDELF対策」に必要なことは、以下の2つのハイブリット方式の授業です。

  1. 日本独自の予備校的要素

  2. 本質的なFLEアプローチ

これに関しては、日頃から大学受験向けの英語を教える経験をもち、かつ、学生時代にLyonでFLE資格者のフランス人教師から1年間レッスンを受けた自分だからこそ実現できるのではないかと感じています。

予備校要素とFLE要素とは

日本には、試験対策に特化した「予備校」という独自の学習文化があります。
短期間で成果を出すため、出題傾向を分析し、ポイントを押さえて効率的に学ぶ方法です。
このアプローチの利点は、試験に出やすい内容に絞って学習を進めることで、試験の形式や内容に特化した知識を効率よく得られる点にあります。

フランス語の試験対策でも、この方法はとても有効です。
DELFやDALFといった試験で必要とされるスキルに的を絞って学習を進め、短期間で確実に得点力を高めることができます。

一方で、予備校スタイルの試験対策だけに依存してしまうと、試験外の場面でフランス語を応用する力が身につきにくくなることも事実です。

ここで重要になるのが、フランス語教育(FLE)のアプローチです。
FLEアプローチでは、フランス語が使われる多様な場面や文化的な背景にも目を向け、表現の幅を広げることに力を入れます。
これにより、フランス語を実生活のさまざまな場面で使えるようになり、試験後もフランス語力を活かせる基礎が身につきます。

FLE(Français Langue Étrangère)は、「外国語としてのフランス語」を意味します。これは、フランス語を母国語としない人々に向けてフランス語を教える教育プログラムやカリキュラムを指します。FLEの主な目的は、学習者がフランス語を効果的に理解し、使えるようになることです。

before→after→after

よって、わたしが提供するレッスンは、試験対策にとどまらず、試験後も「本当に役立つフランス語」を手に入れるためのアプローチです。
日本人に馴染みのある予備校スタイルの効率的な学習方法と、FLEの多様なフランス語表現を融合させることで、短期的な試験合格と長期的な言語力の向上を同時に実現します。

before:試験合格に届かないレベル
after:試験合格の実力を身につけたレベル
after:フランス人と対等に話せるレベル

このように、試験合格(after)よりもさらに先の未来(さらにafter)を見据えています。

たとえ「田舎派か都会派か」といった非常によくあるテーマだったとしても、理由をつけずに「なんとなく田舎派」などと答えると、フランス社会では通用しません。

試験合格だけでなく、そのような未来を見据えた文化理解と外国語学習を一緒に作り上げていきましょう!

レッスン内容の詳細は上記のサイトからチェックしてみてください。

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