![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/149998086/rectangle_large_type_2_5fc352824ba09e91cb1d0f83a3cd94d9.jpeg?width=1200)
複雑を単純に!コンサルタントの秘密兵器、抽象化と類型化
フレームワーク研究会会員の銘苅(めかる)と申します。
コンサルタントとして、クライアントの複雑な経営課題に向き合う中で、私はある重要なスキルの必要性を痛感しています。それは「抽象化」と「類型化」の能力です。
先ずは、この会話をご覧ください。ありがちですよね?
(某日のコメダ珈琲での会話w)
後輩「この喫茶店のモーニングメニューはいろんな種類があって複雑すぎます」
先輩「どうして?」
後輩「私が好きで頼むのは、トーストにバーター、ゆで卵にホットコーヒーです」
後輩「でも、トーストにあんこクリームにゆで卵にアイスコーヒーもあるし、ロールパンにバターに卵サラダにアイスもあるし、ロールパンにあんこにゆで卵にホットもあるんですよ。まだまだあります。ややこしすぎませんか?」
先輩「それって、パンの種類はトーストかロールパンか、スプレッドはバターかあんこか、付け合わせはゆで卵か卵サラダか、飲み物はホットかアイスか、ってことでない?」
ビジネスの現場では、一見すると複雑で整理がつかないような事象に遭遇することがよくあります。そんな時、抽象化と類型化のスキルが問題を整理し、その後の対応の糸口になります。
抽象化とは、複雑な事象から本質的な要素を取り出し、単純化する作業です。類型化は、その抽象化された要素を基準に、似た特徴を持つものをグループ分けすることです。この二つのプロセスを経ることで、複雑な問題も整理され、解決への道筋が見えてくるのです。
具体的な事例で説明しましょう。 あるクライアント企業(卸売業)から「顧客との取引形態が、いくつもあり複雑で管理が難しい」という相談がありました。一見すると千差万別に見える取引形態ですが、ここで抽象化と類型化で整理してみました。
まず、取引形態を構成する要素を抽象化します。
すると、下記のようにいくつかの特徴要素が抽出できました。
取引頻度(定期的か不定期か)
取引規模(大口か小口か)
支払い条件(前払い、即時払い、後払いなど)
商品・サービスの種類(単一か複数か)
取引期間(短期的か長期的か)
これらの要素を基準に、実際の取引形態を類型化し整理してみると、
タイプA:定期的・大口・後払い・複数商品・長期契約
タイプB:不定期・小口・即時払い・単一商品・短期取引
タイプC:定期的・中規模・前払い・複数商品・中期契約
のような3パターンに整理することができました。
このように類型化することで、それぞれのタイプに適した管理方法や営業戦略が容易に思い浮かぶようになりました。
例えば、
タイプAの顧客には専任担当者を付け、きめ細かなフォローを行う。
タイプBの顧客にはオンラインでの自動受注システムを導入し、効率化を図る。
タイプCの顧客には定期的なサービス提案を行い、取引規模の拡大を目指す
といった具合です。
抽象化と類型化のプロセスを経ることで、「顧客毎に取引形態が複雑で管理が難しい」という漠然とした問題が、具体的な対策を立てられる状態に整理することができました。
このスキルは、顧客との取引形態に限らず、さまざまな経営課題に応用できます。組織構造の最適化、商品ラインナップの整理、業務プロセスの改善など、複雑な問題に直面したときこそ、抽象化と類型化のスキルが真価を発揮するのです。
コンサルタントとして、クライアントの経営課題を解決に導くためには、この「抽象化と類型化」のスキルを磨き続けることが不可欠だと思います。複雑な現実をシンプルな構造に落とし込み、そこから効果的な解決策を導き出す。それこそが、プロフェッショナルなコンサルタントの真骨頂ではないでしょうか?
関連記事の
具体的事例は抽象化して活用すべし|フレームワーク研究会(沖縄診断士) (note.com)
もぜひご覧ください