東京財団フォーラム Views on China 備忘メモ
2017年7月4日
Point.1
習近平体制の安定度や如何に。今年は5年に1度の党大会
1年間のできごと振り返り
前半は核心”コア”と呼ばれず名誉を傷つけられた印象
後半には、反習近平の動きが見えなくなった
→張春賢の解任によって封じられた(腐敗ではないのに左遷される)
秋には”核心”の称号を得る→集団指導体制から党首席制に還るか注目(本人はそれを望んでいる節)
毛沢東以来の、個人としてイデオロギーになりたいという願望(習近平主義を確立したい)
今までの中国研究者の常識は通用しない。(トランプ大統領の誕生、ブレグジットも予測できなかった)
一帯一路(AIIB)は、日本では2015年に盛り上がった印象があるが、中国国内では醒めていた。
ユーフォリアは存在しないという認識が広がっている。ゆえに、銀行も企業も本当に儲かるビジネスしかやらない。現実路線を進むはず、だから日本も参加した方が良い。
Point.2
インフラ投資は伸びるが、不動産は一服感。公表される成長率を上回ることはないだろう。
今までは投資によって労働分配率が上がってきた(働いた分だけ給料も上がっていた)が、昨年から伸び悩んでいる。
これまでのような消費拡大は望めないのではないか。
成長率はダラダラと右肩下がりになる。(6.9→6.5)党大会の今年は安定が最優先変数になる。
Point.3
格差が広がり過ぎて、国民間で問題を共通認識できない
(湖南省と北京の賃金格差は異様 湖南省の炭労者の手当て90元↔北京のスタバコーヒー1杯50元)
政府による世論誘導(TV、CM、広報等)は依然として力強い
サイバーセキュリティ法案の強化によって、個別に制裁可能になった
東南アジアのITネットワークにHuawai(中国)が顧問になって進めている
Point.4
中国の国力を図る上で、経済、軍事の他、統治、国内秩序も重要
社会治安・秩序をみると必ずしも強国とはいえない
2000年以降、中国は一見リベラルな改革姿勢もみせるが、人権派弁護士に弾圧を加えるなど矛盾が内在している
社会―政治―国家の3段階の視点で読み解く必要
中国国内でも国家に対して”何”を危機と判断しているのかわかりづらい
→政府は個別の言動というよりも、横の繋がりや広がりを恐れているのではないか。
共産党から独立して組織資源をもつ(持とうとする)集団を嫌っている
(海外からの資金流入、NGO、宗教団体等)
Point.5
習近平の5年間の評価、学者からみると評価のポイントの1つは周永康の対応
周永康は元常務委員だったが汚職で追放された。制裁されたタイミングは既に元職だったことがポイント、現職の常務委員も含めて統率される
中国共産党にとっての最重要ミッションは、体制の維持・強化であることが改めて確認された
そのための行動は先入観なしになんでもやってくると思ったほうがよい
日中関係のためには、AIIBは入るべき(習近平二期目の前に)
日本人の対中意識は帰るべき
まとめ
中国政治におけるアメリカファクターとは何か専門家でもよく分からないときがあるが
共産党が恐れているカラー革命がウィグル、チベット、民衆の間で広がりその背後にアメリカが糸を引いているという設定があり、そこをコントロールできる指導者が生き残るということではないか。
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