見出し画像

怠惰

今年になってから、1本も投稿していなかったことに驚いた。

まあ当たり前かもしれない。私は受験生だったし、そのまま4月から浪人生に昇格した。

浪人生になったからといってこの私の怠惰な性格がなおった訳でも、突然生まれ変わった訳でも無い。溜まっていくばかりの授業の復習、ろくに予習せずに受ける授業、積み上がった洗濯物、部屋中に散乱する新聞紙、めまいと頭痛に悩まされ、すぐに疲れてすぐに寝落ちする。何も変わらない。

志望校に行きたいという気持ちが弱いとか、そういう話ではない。私は、私の志望校にとてつもなく大きな憧れを抱いている。とても、とても大きな憧れだ。

では、なぜそこに向けて本気で、真面目に、努力できないのだろうか?

いつから私はこんな風になってしまったのだろうか?


今年4月、第一志望には落ちたものの国立医学部に進学した友人がいる。

彼女は私の大の親友である。友人というのは順位をつけられるものではないが、つけなくてはならないとしたら、きっと、第一位の友人である。

彼女は本当に本当にひたむきに努力してきた人間だ。自分にストイックに受験に、勉強に向き合ってきた。心から尊敬している。

そんな彼女は、私のことをいつも応援してくれる。私を信じて、私も彼女と同じように努力を重ねていると信じて、背中を押す言葉をくれる。

私は彼女が思っているような人間ではない。虚栄心の強い、口先だけの人間をこんな風に信じてもらって、本当に申し訳なく思う。言うだけなら何でもできるのだ。「私は宇宙人に会おうと思います」「アメリカの大統領になることが夢です」「○○大学を目指しています」「勉強頑張ります」

ごめん、本当にごめん。電話する度に、私の中の私が呟く瞬間がある。

彼女の言葉に勇気付けられて前に進むことができた場面も沢山あった。感謝している。彼女は何も悪くない。彼女を騙している私が悪いのだ。

信じてくれてありがとう、騙してごめん、私はあなたの考えているような人間ではない。少なくとも今は。


昔はそうだったのかもしれない。中学受験を乗り越えて、名門の学校で私たちは出会った。だからきっと、出会った頃の私は多少なりとも立派な人間だったのだろう。彼女と対等に話せるような、多少は優秀な人間だったのだろう。

でも今は、違う。人は良い意味でも悪い意味でも変わるからなぁ。

彼女も勿論完璧な人間ではない。弱いところも不完全なところも今まで見てきたし、逆に言えば、彼女は私にそういった弱みを見せてきてくれた。では私はどうだろう?身の丈に合わない自尊心を抱えて、人に弱みを見せることができないのが私だ。これだけ近くに(物理的にではなく精神的に)いた彼女にも、私の本当のどうしようもないところは恐らく知られていない。


これは6月に書いた記事である。下書きの中に眠っていた。

8月の今日も太陽に体力を奪われたことを口実に、怠惰な日を送った。

明日の自分は、どうだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?