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なぜ?どうして?「風の谷のナウシカ(原作漫画)」のテトはどうして死ななければならなかったのか!・・その1

タイトルからしてネタバレで申し訳ない。
知らなかった・知りたくなかった方には深く深くお詫び申し上げるが、原作漫画が完結して約30年、今まで読まなかった貴方だってどうかと思う。またちゃんと漫画版を読み終わってから来てくれると嬉しい。またねー。
(はい。ではまだ読んでいない方とはここでお別れです)

さて、そういう訳で「風の谷のナウシカ」・・の映画版があまりにも有名すぎるのでその原作漫画版についてです、という書き方をせなならんのがどうかと思うが(こっちの方が本家本元なんだけどさ・・・)、
ここで問題にしたいのは、その原作漫画版では終盤でテトが死んでしまうという事実についてである。

現在発売されている単行本の7巻、73pでテトは死んでしまう。
最初(連載誌で)読んだ時には何かの間違いだと思った。
(サブカル系の物語、特に漫画やアニメでは死んだ筈だが生きていた、という展開は度々あり、それは今更細かく指摘する必要も無いので「きっとどうにかなるんだろう」と頭の隅で勝手に予想していたかもしれない・・。)
しかしテトは復活せず、最後まで死んだまま、物語は終わってしまった。

主人公であるナウシカの方は(なにしろ主人公なんだから死なないのは当然と言えば当然なのだが)テトと同様の仕打ちでほとんど死にかけながらもテトの死後すぐに(わりあい簡単に!)復活を果たしており、これはそのついでという感じでトルメキアのヴ王のバカ王子2人も助かっており、自分は全然テトの死に納得ができない。
どう考えたって、死ぬべき運命なのはこの2人の方である・・・と思うがこの検証は後にしよう。

なにより、そもそもテトは死んだりするようなキャラでは無い筈なのだ。
というこの事についてもまたちゃんと書くとして、ここでは(仕方が無いので)テトが死んだ理由と、その結果物語に与えた影響・展開についてまとめておく事にする。
残念な事ではあるが、テトの死は理由の無い事ではなく、それによって起動する物語の仕掛けもちゃんと展開されている。
それらをはっきりさせた上で、自分はそれでもテトの死は必要のない事であったと反論する事にしたい。

【テトの死因】
ひとことで言えば、原作漫画版では(映画版より)しっかり生成された巨神兵の放つ(たぶん巨神兵の動作上、仕方なく発生する)「毒の光」によるものである。
「毒の光」については今現在私たちの居る世界では別の名前で知られているとは思うが、うっかりした事を書いてナウシカ原作漫画版があの「ウルトラセブン第12話」のようにいわれのない非難によって封印されたりすると日本の文化にとって甚だ有害なのでそれは書かない。

瘴気がそうであるように、あくまでこの漫画独自の「毒の光」としたいが、おそらく現世界での「毒の光」がそうであるように、これは人間より小さい小動物に対しては毒の周りが早い。
よく考えれば毒ってどれでもそういうもののような気もしてきたのでウルトラセブン12話のくだりは必要ないような気もしてきたが、これはこのままにしよう。
世界平和を願うついでにサブカルを抹殺されては困るのである。

巨神兵の放つ「毒の光」によってテトは死んでしまう。
同行していた(いや、こっちが主だけど)ナウシカが死ななかったのは体重というか、生命としての質量の差によるものである。

【テトの死による展開・その1】

テトの死に気づいたナウシカは、巨神兵を呼び、「テトを(土に)埋めたい」と希望する。
地上へ降下し、木を見つけ、その下であればテトもさみしくないだろうと埋めるナウシカ。
そこへ、山羊を連れた謎の人物がやって来て・・・。と物語は展開する。

謎の人物は、「空からは見えない」理想郷のような場所へナウシカ達(トルメキアの王子2人も)を連れて行き、そこでナウシカ達は謎の薬湯のようなもので命を救われる・・・(というか、妙にこざっぱりしたというか、毒気を抜かれた感じで復活する)。

ここでは、テトの死による寄り道によって話が展開している。
そうでなければ一行はシュワの墓所へ直行していただろう。
その頃にはナウシカが死んでいたような気もするけど。

【テトの死による展開・その2】
心身ともに毒を洗い流したように復活したナウシカ。
ついでにすっかり巨神兵やらシュワの墓所についても忘れている。
しかし、そんな風になってしまったナウシカを現生というかあの苛烈な物語世界に引き戻したのはテトを思い出したからだった・・・

というようにテトの死後、2段階によってテトの死による物語進行がされており、もしテトが死ななかった場合これをどうするのか?という問題が残る。

・・・が、もちろん自分はンな事は承知の上で、
テトの死は間違いだ
としたい。
幸い、こんな所に宮崎監督はやって来ない。
鈴木プロデュサー等も同様であろう。

次回は以上の全てについて反論し、
テトを生きたまま物語の終局まで送り届け、
これで早く描き直せ!
と主張したい。

次でね。

あ、最後になりましたが冒頭の画像については
Copylight 宮崎駿・ 二馬力・徳間書店・VIZ GRAPHIC NOVEL です。

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