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13時間かけて入手した卵 【0からラーメン】
あなたは、13時間かけて卵を買いに行ったことはありますか?
今回は、FR0M SCRATCH が企画している0からラーメンの出汁に使うニワトリの調達過程について書いていきたいと思います。(FR0M SCRATCHとは何か?をこちらの記事で紹介していますので、ぜひ見てみてくださいね。)
はじめに言っておきますと、ここで紹介するニワトリの調達というのは鶏肉をスーパーまで買いにいくことではありません。
FR0M SCRATCH流ニワトリの調達とは、ズバリ、卵からヒヨコを孵化させ、食用サイズになるまで育て、食材として活用することです。
「いや、でも鶏くらいスーパーで買えば済むんだからそれでいいじゃない」そんなツッコミも聞こえてきそうですが、そこは0からラーメン、ニワトリは自分たちで育ててナンボなのです。
それでは、はじまりはじまり!
そもそも、どこで卵なんか入手するのでしょうか?
そりゃ、当然スーパーでしょう!
…卵かけご飯が欲しいのであればそれでいいのですが。
お店にある無精卵はもちろん、有精卵も消毒などにより卵が死んでいるため、いくら温めても孵化しないのです。
なので、養鶏場などから直接手に入れる必要があります。
入手すべきは食用に特化したブロイラーという品種。いわゆる若鶏と呼ばれるもので、その高級そうな名称と裏腹に大量生産されています。
このブロイラーの有精卵を入手するために奔走することになりました。
しかし……
入手場所が全く分からない。
すこしでも手がかりをと思い、専門家にアドバイスを仰いだりもしたのですが、ニワトリに関してど素人故か、ちぐはぐな受け答えをしてしまったりして、結果は決して芳しいものではありませんでした。
FR0M SCRATCHの活動圏に比較的近い関東近辺にある養鶏業者の方々に連絡しても、採卵用の品種のみの取り扱いだったり、そもそも一般には売っていないとの答えばかり……
ネットで見つかる関東圏の全養鶏業者にかけても目処が立ちませんでした。
ヒヨコやニワトリそのものの入手で妥協するかと考えていたその矢先……
ありました……
とある業者さんにこちらの事情を説明したところ、なんとブロイラーの有精卵を特別に譲っていただけることに!
香川県なんですけどね。
東京駅から香川までの所要時間は、新幹線を使用しても6時間以上と決して近いと言えるものではありません。
さらに、こちらの経済状況をふまえ、結局片道13時間ほどの鈍行を往復、さらに現地で野宿をするということに落ち着きました……。
ブロイラー有精卵獲得記
1日目は、自宅の最寄り駅を午前8時頃に出発したのち、何回したのか覚えていないほどの乗り換えを経て、午後11時ちょっとに香川に到着しました。
卵調達のためだけにわざわざ四国へ行くとはだれが想像できたでしょうか。
到着当日は現地を少し探索した後、近場の公園で野宿をすることに。
2日目早朝、県内を移動するためにレンタカー屋に寄りました。
わざわざ卵を取りに来るためだけに四国へ来たと伝えた際の店員さんの困惑した顔は今でも忘れられません。
おまちかねのブロイラーの卵を入手するべくアクセル全開で目的地まで吹っ飛ばして行きました。
受け渡し場所に着くと、一見普通の日本家屋のような建物があり、どこが孵卵場なのか分かりません。しかし、入り口に靴裏を消毒するための設備がおいてあり、孵卵場に来たという実感と共に緊張感がわいてきました。
入口奥の事務所に入り、やさしそうな女性事務員の方に要件を伝えると……
「あ、ブロイラーの卵の方ですね!」
と言いつつ、その手にはスーパーによくある透明なパックに入った有精卵が。見た目は完全にスーパーの卵。
「値段は5個で税込み270円になります!」
少し高級なスーパーの卵ですね。
卵の入手理由について細かく聞かれたりするのかと身構えていると、合計5分ほどで手続きは終了。そのあまりのあっけなさにポカンとしてしまいましたが……
ついにブロイラーの卵が手に入りました!(嬉)
たったの5分間で、四国遠征の主目的は達成されたのでした。
その後は普通の観光客よろしく香川の観光名所こんぴらさんを訪れたり、釣りをしたり、健康ランドで風呂ざんまいと前日の緊張感を帳消しにするべく旅行者気分を満喫……最後は野宿でしたけど。
こんぴらさん。写真のところまで来るのに800段ほどの階段を上がります。
おめでタイ日という事なのか、見事にかかってくれました!
また、この日の夜は自分達だけでなく自然界も調子が良かったのか、なんとゴキブリが寝場所の隣で指などを舐めずりまわしながら添い寝してくれたのです。
うらやましいですよね?……違いますかそうですか。
遠征最終日は午前5時ごろに香川から出発、夜8時に東京に着くといった具合でした。
そして孵化へ……
色々ありながらもブロイラーの卵が手に入ったのはラッキーでした。
しかし、ここから孵化というプロセスを経なければ、せっかく入手した卵も生まれず、スーパーの卵と何ら変わらない存在へとなり果てます。
有精卵からヒヨコを孵化させるには、卵を適度な温度と湿度にちょうど3週間おいておく必要があるのです。
次回は有精卵からヒヨコが孵化するまでの過程を載せたいと思っていますので、お楽しみに。
よければですが、スキとフォローしていただけると、ヒヨコたちも生まれ甲斐があったのでではないか、そんな風に思う次第です。
追記: 卵を買ってきたあと、孵化してから絞めるまでの話をYouTubeにしました。鶏の一生が詰まった1本です。ぜひ見てください。