「ライターとして稼げるようになった先に何がある?」とっとこランサーさんに聞いた、働き方の正解
書いて、書いて、書いて。
書き続けてなんとか収入を得られるようになったものの、この先自分は何をしたいのか、どう進めばいいかわからずにいました。
「ライターとして稼げるようになるまでの話」はよく見かけるけど、それよしも「稼げるようになってからの、それぞれのストーリー」を知りたい。聞きたい。働き方の正解を見つけたい。
そんな思いで、元祖副業ライターとして有名なとっとこランサー(以下、とっとこさん)さんに「ライターとして稼いだ先の働き方」を聞いてきました。
「稼いでいる系ライターの話はうさんくさい」と思ったら
実は、私は元々、とっとこさんの「中の人」と3年ほど仕事をしていました。私にとって彼はWebライター界の有名人ではなく、ライターの仕事を近くで学ばせてもらった大先輩。
だから、たまたま見た記事で彼がとっとこランサーさんと知ったときは驚きました。
フリーザ様が「私の戦闘力は53万です」といった時くらいの衝撃です。
え、そっち系の人だったの……?めちゃくちゃ戦闘力高いやん……!
私が知る彼は、ニコニコの絵文字でビジネスチャットを送ってくるほんわかした人。稼ぎよりも、自分も周囲も楽しく働くことを大切にしている印象がありました。
実際、駆け出し当初の私のはちゃめちゃな文章にもありえないほど丁寧なフィードバック。ミスターポポばりに冷静に端的に、それでいて私が落ち込まないよう配慮してくださいました……さすが神様の付き人。
これが話を聞こうと思ったきっかけです。
だから「月収○○万円ライター」が苦手な人も読んでみてください。
とっとこランサーさん、めっちゃくちゃ真面目な人です。
ライターで稼げるようになったのに、書けなくなってしまった
―ライターの先に複数事業を展開して法人化と、順調にキャリアを重ねているとっとこさん。でも過去には「これが自分の求めていた幸せなのか?」と疑問を持ち、苦しんだ時期もあるそうですね。
最も悩んでいたのは2018年頃でした。その頃には月収が100万円以上で安定していて、仕事面だけで見れば順調。
なのに、鬱っぽくなって何も書けなくなっていったんです。
1ヶ月くらい仕事を休んで、とことん悩みました。
そこで気付いたのは、
物欲とか、目先の「欲」が簡単に満たされてしまったから無気力になってしまったということ。だから目先の欲求ではなくて、自分の幸せとは何かを改めて考えました。
―経済的に満たされるために働いてきたのに、いざ満たされると何を糧に頑張ればいいかわからなくなったと。では、とっとこさんの幸せは何だったのでしょうか。
死ぬときに思い返せる思い出を、たくさん作ることです。
ー思い出、ですか?
人間の記憶に残るのは、思いきり良いか・悪いか。鮮烈な思い出だけです。死ぬときに、あんな失敗したな、でもあんな良いこともあったなって振り返りながら死にたいと思いました。
そこからは「思い出になるかどうか」を軸に、働き方も、お金の使い方も変えました。それが失敗だったとしても、大きな失敗って人に話すと喜んでもらえる。結果オーライかなと。
―自分の幸せを軸にした働き方を追求した結果が、今の複数事業展開にあるのでしょうか?
はい。やらなかったら後悔するなと思ったことは何でもやるようにしています。今は広告やSNS運用、キャリアメンターなど、ライター以外の仕事も複数する働き方に落ち着きました。
好きな仕事じゃないと成長に貪欲になれない
ー書き仕事でも、いろんな体験や思い出作りはできますよね。ライター以外の仕事にシフトしていったきっかけは、何だったのでしょうか?
きっかけは2つありますね。
1つはライターの仕事に限界を感じていたこと。
もう1つは幸せについて悩んだ経験がある経営者の先輩に相談し、アドバイスいただいたこと。アドバイスいただいた考え方をすぐに実践していきました。
―行動にうつすのが早いですね!
行動するのは、実はさほど難しいことじゃないです。行動できない場合の多くは、新しいことを始める段階で大きくイメージしすぎなんですよね。
ライターやりながらブログしたい、広告したいと思えば、やってみればいい。すぐに成功させようなんて思わずに、まずは小さくやってみたらいいんです。やらないことには、自分が好きなものに気づけません。
―(グチグチ悩んで行動できない自分に言われている気が……)行動してきたからこそ、書き仕事の先に好きな仕事を見つけられたのですね。
元々、僕は書くことが好きでライターを始めたわけじゃないんですよ。
副業でなんとなく始めたら、書くのが得意なことに気付いて。
戦略を立てて案件を取っていくことが楽しかったから、稼げるようになったんだと思います。
でも、得意な仕事だけをしていても続かない。
いつしか収入が目的になってしまうし、成長角度も上がらない。
純粋に心の底から好きな仕事じゃないと、成長に貪欲になれないと気付いたんですよ。
だから書き仕事からいろんなビジネスに挑戦していって、今はGoogle広告運用をメインに、趣味のアニメや車に関する事業もしています。キャリアメンターもその一つです。
―メインのGoogle広告運用は楽しいと思える仕事ですか?
楽しいですよ。AI(機械学習)と戦って、どうやって攻略しようか常に考えています。
―とっとこさんが稼げる理由がわかった気がします。
何ごともゲーム感覚で戦略を立て、どうやって攻略していこうか、鮮烈な思い出を作ろうか、とことん楽しんでいるからなんでしょうね。Twitterの精力的なアウトプットやキャリアメンターも、その過程を人に伝えることを楽しんでいる印象があります。
Twitterもキャリアメンターも、お金のためとかフォロワー増やすためという目的でやっていません。どちらも、事業視点で見るとコスパはめちゃくちゃ悪い。だから稼ぐためにやっても続かないんですよ。
大切なのは、「楽しいかどうか」「伝えたいことがあるかどうか」です。
―そういう意味では、伝えたいことをわかりやすく伝えられるライティングの技術は強みですね。
ライティングはすべての仕事にかかわってくるので、ライターをやっていて良かったと思っています。
楽しみながら稼ぎも両立しているとっとこさんの原動力
ー好きな仕事を楽しみながら、自分らしい働き方を見つけたとっとこさん。一方で過去には月商1,000万円を目指して達成していて、貪欲に稼ぎを追求している面もありますよね。(本当は稼ぐのが好きなのでは…?)
当時は「月商1,000万円の世界ってどんなのだろう。見てみたい」っていう単なる好奇心で動いていました。なんでも自分で経験してみないと気が済まなくて。失敗したらそれも思い出ですし。
―子どもみたいにぶっ飛んだ好奇心ですね。
自分で行動して、自分で答えを出さないと納得できない性格なんです。
結局、自分の正解は自分しかわかりませんから。
―稼ぎたいという欲求よりも、「好奇心」や「好き」という気持ちを大切にしているから、結果がついてきているのでしょうね。
・悩むときは時間をとってしっかり悩む
・人に相談してアドバイスされたことは「なんでも小さくチャレンジ」してみる
・「稼ぎへの欲求」よりも「好き」「幸せ」「楽しい」といった気持ちを大切にする
とっとこさんは、どこまでも自分の気持ちに正直に、働くことを全力で楽しんでいる人でした。そして「楽しむ」の根底には、良い思い出も悪い思い出もシェアして、周囲の人に喜んでもらいたい思いが感じ取れます。
書くのは好きではないと仰っていましたが、書き仕事への真面目な姿勢はよく知っています。目先の稼ぎだけで動いている人だったら、ここまで活躍できていないでしょう。
自分の気持ちを大切にして、同時に周囲への思いやりや愛がある人は、どんな世界でも活躍できる。
そう思えるインタビューでした。
■とっとこランサーさんの言葉に触れられるTwitterとMENTA
・Twitter
https://twitter.com/Tottokolancer
・MENTA
https://menta.work/user/25874
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