大津、川崎、旭川。何十年繰り返すつもりか
43回の殺意 川崎中1男子生徒殺害事件の深層 (新潮文庫)この少し前に大津いじめ事件、この直後には旭川いじめ事件。何十年繰り返すつもりか?
2024年6月6日に日本でレビュー済み
この本は沢山の人にインタビューする事によりなるべく公平に事件を捉えようという著者の意気込みが伝わる。よって私の感想よりこの本により浮き彫りになった問題点を記したい。
①保護観察官の高齢化によるSNS等への対応不足の問題と、ボランティアに頼っているので多くの労力を要請出来ない問題(この川崎いじめ事件でも加害者は保護観察期間中に禁止されていた飲酒により引き起こされた事件だった)
②被害者と被害者遺族への補償の問題(加害者は刑務所で人権が守られプライバシーも保護されるが被害者と被害者遺族への個人情報や人権が保護される法律や制度、公的な団体などは無い)
③不登校と家庭に居場所がない子どもが行く場所が無いので不良と一緒にゲームセンターなどに行くしか無いという問題
④夫婦でも離婚家庭でも、子育てしながら大人の性生活が並行して行えないためにすぐ「虐待」「ネグレクト」に直結してしまう(狭い住宅事情➕デートの間無料で子どもを面倒見てもらう制度も空気も無い。海外はボランティアのベビーシッターが普及しているか、アジアはまだ祖父母など家族の繋がりが強い。日本は中途半端でどちらも徹底されてない)
感想に変えて私から言いたいのは同じような事件を繰り返さない為に(と何十年も言われ続けてるが)このような事件についてきちんと取材した本があるのだから、次からはこれを元に議論するべきだ。同じような事件が起きる度にまた振り出しに戻って「なぜこんな事件が起きてしまったのでしょう?」というセリフは禁止。「「43回の殺意」読んでないの⁉︎」と言って、問題点を共有し、早く解決に向けた制度改革を進めなければならない。
レビューをお送りいただきありがとうございます.
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